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技術解説・フレームワーク紹介

「ゼロトラスト設計を支える“アクセス制御フレームワーク”最新動向」

〜受託開発依頼時に差がつくシステムの安全設計とコスト最適化の新基準〜

アプリ開発会社やWeb開発会社、システム開発会社へ開発依頼を検討中の担当者が、
近年注目せざるを得ないのが「ゼロトラスト」概念と、それを支えるアクセス制御の最新技術です。
クラウドやリモートワーク時代が進み、社外からのアクセスや多様な業務システム連携が急速に広がる中、
「境界防御だけでは守れない」状況が常態化しています。

本記事では、
「ゼロトラスト設計」の基本思想と、実務導入時のアクセス制御フレームワーク最新トレンド
「開発会社選定や要件定義で本当に比較すべきポイント」
「実際の導入例・費用対効果・運用面でのコツ」
──まで、深掘り解説します。

ゼロトラストとは何か?

従来の境界防御との違い

従来のシステム設計では「社内=安全/社外=危険」という前提で、
ネットワークの境界(ファイアウォール等)を守ればシステム全体の安全を担保できると考えられていました。

しかし、
・クラウドシステムの普及
・スマホアプリやSaaSサービスの社外利用
・在宅/モバイルワークの拡大
・サプライチェーン攻撃や内部不正の増加
といった現状では、「社内」も「社外」も信用できず、すべてのアクセスは原則ゼロから信頼を再評価する
=「ゼロトラスト」モデルがグローバルスタンダードとなっています。

ゼロトラストを支えるアクセス制御フレームワークの全体像

ゼロトラスト実現の核となるのが「アクセス制御フレームワーク」です。
単なるID/パスワード認証ではなく、
「ユーザー認証」「端末認証」「権限管理」「行動監視」「リアルタイム検証」を多層的に実装します。

主要コンポーネント

・シングルサインオン(SSO)
・多要素認証(MFA)
・端末ポスチャーチェック(セキュリティ状態の確認)
・RBAC/ABAC(役割/属性ベースのアクセス制御)
・継続的認証(常時状態監視によるアクセス判定)
・APIゲートウェイ/プロキシによる細粒度制御

これらのフレームワーク導入で、従業員や外部パートナー、API連携先も「必要最小限・最適な」アクセス権を
リアルタイムにコントロール可能となります。

実務で活用されるゼロトラスト・アクセス制御技術

近年、受託開発やシステム開発依頼時に必須となってきたのが、以下のようなゼロトラスト技術の導入です。

1. SSO+MFAの徹底

SSO(シングルサインオン)で全システムを一元管理し、
MFA(多要素認証)で不正利用を根本から防ぐ。
開発会社によるSaaS/API連携でも「IdP(認証基盤)を使った統合認証」が基本です。

2. ポリシーベース制御

IPアドレスや利用端末だけでなく、「利用状況」や「接続元地域」「異常な行動パターン」まで
細かくリアルタイムで評価し、「疑わしければアクセス遮断/追加認証」といったダイナミックな制御を実現。

3. RBAC・ABACの自動化

役職や部署だけでなく、「契約内容」「プロジェクト進捗」「緊急度」等もアクセス判定に利用。
APIベースで他システムとの連携も柔軟に自動化できます。

アクセス制御フレームワークの導入パターンと選定ポイント

クラウド型 vs オンプレ型

  • クラウド型(Auth0, Azure AD, Okta等):
     短期導入/運用コスト低減/API連携が容易

  • オンプレ型(Keycloak, OpenAM等):
     細かいカスタマイズ/既存社内システム連携/特殊要件への柔軟対応

「どちらを選ぶか?」は、
・開発予算
・既存システム資産
・API連携要件
・外部サービスとの親和性
などを総合的に比較しましょう。

自社開発か、受託開発会社に任せるべきか?

アクセス制御は設計・運用が高度で、
「専門のWeb開発会社やソフトウェア開発会社に依頼」するケースが増えています。
特にゼロトラスト対応の実績やクラウド連携ノウハウを重視しましょう。

ゼロトラスト導入で“見積もり”や“開発フロー”はどう変わる?

多層防御・自動認証の導入は、「開発費用」「保守運用コスト」に大きな影響を及ぼします。

  • 初期導入費用:アクセス制御の複雑さにより幅が出る(100〜1000万円超のケースも)

  • 運用費用:SaaS型なら月額従量制(ユーザー数・API数次第で変動)

  • コスト削減例:従来は人手監視・パスワード管理に月数十万円、ゼロトラスト導入で1/3以下に圧縮

「開発会社に見積もり依頼する際」は、どの機能まで導入可能か・保守体制や運用サポート範囲はどこまでか
必ず確認しましょう。

ゼロトラスト設計の“よくある失敗”と注意点

  1. 「高機能=使い勝手悪化」になりやすい
    アクセスの細分化や多要素認証の増加で「現場の利便性」が落ちる事例も多発。
    開発時に「UI/UXとセキュリティのバランス」を取る設計力が不可欠です。

  2. 既存システム連携でつまずく
    オンプレ資産やレガシーAPI連携に手間取るケースが多く、
    経験豊富な開発パートナー選定が成功のカギ。

  3. 「導入だけ」で満足してしまう
    継続的な監査・ポリシー見直し・ログ活用等の運用フェーズが最重要。
    SaaSベンダーの保守運用支援・ドキュメント整備も比較ポイントです。

実際の導入事例から見る“費用対効果”と“現場変革”

【ケース1:クラウドSaaS×ゼロトラストアクセス制御】
グローバル展開する小売業の業務システム刷新で、
Auth0+Azure AD+ABAC導入。
「日本/海外/外部委託」すべての従業員・パートナーを安全に制御。
導入半年で
・アクセス管理担当者2名→0.3名に削減
・セキュリティ監査工数80%減
・ID流出事故“ゼロ”を達成

【ケース2:API連携サービスの認可自動化】
自社SaaSでOpenID Connect+API Gatewayによるゼロトラスト化。
顧客ごとの権限設定・利用ログ分析も自動化し、「外部連携先増加による脆弱化」を防止。
運用コストを月10万円→3万円に削減。

依頼・見積もり時の“質問例”と比較チェックリスト

  • 「どのアクセス制御フレームワークに対応可能か?」

  • 「クラウド・オンプレ両対応か? API連携の実績は?」

  • 「SSO/MFA/RBAC/ABACなどの設計・実装実績は?」

  • 「保守運用(ログ監査・運用サポート)の体制は?」

見積もり比較や開発費用シミュレーション時、
上記ポイントの“有無・範囲・実績”を必ずヒアリングしましょう。

今後の動向:アクセス制御フレームワークの進化と受託開発会社の役割

AIを活用した「ユーザー行動分析型アクセス制御」、
“Just-in-Timeアクセス”(必要なときだけ権限付与)、
マイクロサービス・API連携時代の「ゼロトラスト by design」など、
フレームワークは今も進化中です。

新規システム開発やリプレース時には、
「セキュリティ」「開発コスト」「運用効率」のすべてを両立できる会社かを選定軸としましょう。

まとめ:ゼロトラスト×アクセス制御フレームワークが“新しい開発標準”

  • 境界防御から“ゼロトラスト”へ

  • アクセス制御フレームワークの選定・導入が開発費用や保守運用コストを左右

  • 受託開発依頼・見積もり時には「設計力」「運用サポート」「実績」も要チェック

今後の開発会社選定・システム発注では「ゼロトラスト視点での技術力とフレームワーク実績」を基準に
比較・相談してみてください。

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