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API設計の基本と現場で気をつけたい設計ミス|実務で役立つポイントとチェックリスト

現代のWebアプリ・スマホアプリの多くは、フロントエンドとバックエンドをAPIで連携する構成が一般的になっています。
その中核となる「API設計」は、サービスの品質や開発体験を大きく左右する非常に重要な工程です。

しかし、初期の設計が甘いと「フロントとバックの認識違い」「パラメータの煩雑化」「仕様変更のしにくさ」など、後々まで影響する問題が発生しやすくなります。

この記事では、API設計の基本的な考え方と、実務でありがちな失敗例、そして改善のためのポイントをまとめて解説します。これからAPI設計を行うエンジニアや、チームでの開発を効率化したい方に役立つ内容です。

API設計とは何か?

APIとは「Application Programming Interface」の略で、アプリケーション同士がデータや機能をやり取りするための窓口です。
Web開発においては、主にクライアント(ブラウザやアプリ)とサーバー間での通信に使われます。

API設計とは、そのやり取りの「ルール」「構造」「データの形式」を設計することを指します。

  • どのURLにアクセスするのか

  • どのHTTPメソッド(GET/POSTなど)を使うのか

  • どんなデータを渡して、どんなレスポンスを返すのか

  • エラー時はどんなコードとメッセージを返すのか

これらをわかりやすく、拡張性があり、チームで共有できる形に設計するのが「良いAPI」の条件です。

REST APIの基本設計ルール

Web APIの主流である「REST API」は、以下の設計ルールに基づいて構築されます。

1. リソースは名詞で表現する

例)ユーザー情報を取得する場合
正:GET /users/123
避ける:GET /getUserData?id=123

URLは「何を操作するか」を表現し、動詞は使いません。
操作の種類はHTTPメソッドで表現します。

2. HTTPメソッドの使い分け

  • GET:情報の取得

  • POST:新規作成

  • PUT:全体更新

  • PATCH:一部更新

  • DELETE:削除

これらの使い方を明確にすることで、直感的なAPIが作れます。

3. ステータスコードを正しく使う

レスポンスにはHTTPステータスコードを付けましょう。

  • 200 OK:正常レスポンス

  • 201 Created:新規作成成功

  • 400 Bad Request:リクエストエラー

  • 401 Unauthorized:認証エラー

  • 404 Not Found:存在しないリソース

  • 500 Internal Server Error:サーバー内部の問題

また、エラー時にはJSON形式でエラーメッセージを返すと、クライアントでのエラー処理がしやすくなります。

4. JSON形式のデータ構造に統一する

リクエスト・レスポンスは一般的にJSON形式が使われます。
データの構造はシンプルに、命名規則はキャメルケースまたはスネークケースで統一しましょう。

現場でよくあるAPI設計ミスと改善方法

実務でありがちなAPI設計の失敗をいくつか紹介します。

パターン1:一つのエンドポイントに複数の意味を持たせてしまう

例:POST /user
このAPIで「登録」と「更新」両方を処理しているようなケース。

改善方法:
処理を分けて、POST /users(登録)とPUT /users/{id}(更新)にする。

パターン2:エラーレスポンスが曖昧

例:すべてのエラーが500や400で返され、どの原因かが不明。
また、フロントが想定しにくい形式でエラーメッセージを返している。

改善方法:
エラー種別ごとにステータスコードを分け、
エラー内容を明記したJSONを返す。

{
“error”: “ValidationError”,
“message”: “メールアドレスは必須項目です”
}

パターン3:一貫性のないURL命名と階層構造

例:/getUser, /user_info, /deleteAccount

改善方法:
RESTの考え方に沿って、統一したリソース命名を行う。

  • 正しい例:GET /users/1DELETE /users/1POST /users

パターン4:必要な情報がまとめて取得できない

フロント側が表示に必要な情報を取得するために、
複数のAPIを連続で叩かないといけない構造。

改善方法:
「画面単位」で情報をまとめたAPI(統合エンドポイント)を用意することで、通信回数を減らす工夫をする。

APIドキュメントの整備も設計の一部

いくらAPIが適切に設計されていても、それがチームに伝わらなければ意味がありません。
APIドキュメントの整備は開発効率と品質に直結します。

一般的なAPI仕様書の項目:

  • エンドポイント(URL)

  • メソッド(GET/POSTなど)

  • パラメータ一覧(型・必須/任意)

  • リクエスト例

  • レスポンス例(成功・エラー)

  • 説明や注意事項

ドキュメント作成ツールには、以下のようなサービスが使われます。

  • Swagger / OpenAPI(コードから自動生成も可能)

  • Postman(リクエストとレスポンスの例を保存)

  • Notion / Confluence などのWiki形式

API設計とドキュメントの整備はセットで考えましょう。

フロントエンドとの連携を考慮したAPI設計

APIは単体で完結するものではなく、「フロントエンドがどう使うか」を意識する必要があります。

  • データは使いやすい構造か

  • 余分な情報を返しすぎていないか

  • 表示に必要な情報が1回で取れるか

  • 取得・更新の粒度が適切か

設計段階でフロントエンジニアとの連携を密にすることで、実装フェーズでの「想定と違った」を防げます。

保守性・拡張性を高めるためのベストプラクティス

最後に、長期運用を前提としたAPI設計のコツをまとめます。

  • APIバージョンを明示する(例:/api/v1/users

  • 認証・認可はトークンベースで統一する(JWTなど)

  • 必須項目・バリデーションルールを明示的に管理する

  • レスポンス形式はサービス内で統一する(例:status/data/message)

  • 廃止予定のエンドポイントは事前にアナウンスする

初期段階ではシンプルに、スケーラブルに成長できる設計を意識しましょう。

まとめ

API設計は、目に見えないけれど開発全体のクオリティと効率を左右する非常に重要な要素です。

今回ご紹介したように、RESTの基本ルールに沿った設計と、チームでの使いやすさ、保守性を意識した構成を心がけることで、トラブルの少ない安定した開発が実現できます。

APIは単なる技術要素ではなく、プロダクトとユーザーをつなぐ「設計思想」そのものです。今後の開発に向けて、API設計をより丁寧に見直してみてはいかがでしょうか。

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