BUSINESS COLUMN
電話にAIが出る仕組みを試すか。任せる範囲の決め方
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自動応答に任せられるのは、営業電話の切り分け・用件の聞き取り・営業時間外の受けまで。人に回す条件、聞き取った内容の受け取り方、相手に不親切にならない案内の作り方を整理した。
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電話が鳴るたびに手元の作業が止まる。しかも半分は営業の電話で、必要な用件は残りの半分です。人を増やすほどの量ではないが、放置すると本当に必要な連絡を取り逃がす。この中間の状態が長く続いている職場は少なくありません。
自動で応答して用件を聞き取る仕組みが、以前より手が届く価格になりました。ただし入れさえすれば楽になるわけではなく、任せる範囲を決めないと、かえって相手を怒らせる結果になります。ここでは、何を任せられて何を任せられないのかを切り分け、導入の前に決めておく項目を順に見ていきます。
自動で受けられるのは、用件の仕分けまで
自動応答が得意なのは、かかってきた電話を分類することです。営業の勧誘か、既存の取引先か、初めての問い合わせか。この仕分けだけでも、担当が受ける件数はかなり減ります。用件を聞き取って文字で残す仕組みもあり、折り返しの判断が早くなります。
苦手なのは、込み入った説明と、感情の含まれるやり取りです。苦情の一次受け、金額の交渉、複雑な条件の確認を任せると、相手の不満が増幅します。この線引きを最初に決めておかないと、導入したあとで運用が止まります。

導入前に、着信の中身を一週間数える
任せる範囲を決めるには、実際の着信を数えるのが早道です。一週間だけでよいので、日付、時刻、相手の種別、用件の分類、対応にかかった時間を記録してください。項目が多いと続かないので、五つに絞ります。
数えると、営業の電話が何割で、時間外の着信がどれくらいあり、折り返しで済む用件がどれだけあるかが分かります。この数字が、そのまま自動応答に任せる範囲の設計図になります。感覚で決めると、必要な電話まで機械に回すことになります。
応答の文面は、相手の立場で書く
自動で応答する音声の文面は、短く、次にどうすればよいかが分かる形にしてください。「ただいま担当者におつなぎします」で終わるのではなく、担当者が出られない場合にどうなるのかまで含めます。折り返しの目安を示すだけで、相手の不安はかなり減ります。
用件を聞き取ってテキストで届ける(自由テキスト)のような自動応答の仕組みでは、聞き取る質問の設計が肝心です。会社名、担当者名、用件、折り返し先の四つに絞ると、相手が話しやすくなります。項目を増やすほど、途中で切られる割合が上がります。

人に回す条件を、番号と時間で決める
すべてを自動で受けると、急ぎの連絡が遅れます。人に回す条件を、あらかじめ決めてください。登録済みの取引先の番号からの着信は直接つなぐ、営業時間内の特定の選択肢は担当に転送する、といった形です。
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のような仕組みと組み合わせると、自動で仕分けたうえで、必要な着信だけを担当の手元に届けられます。設定のときは、誰も出られなかったときの行き先を必ず決めておいてください。ここが空白だと、着信が宙に浮きます。
時間外の扱いを先に決める
営業時間外の着信は、自動応答が最も効く場面です。ただし、翌営業日に折り返すという案内をするなら、実際に折り返す運用を作らないと信用を失います。朝の始業後に前夜の着信を確認する担当と時間を決めてください。
緊急の連絡がある業種では、時間外でも人につながる経路を残す必要があります。当番の携帯へ転送する、緊急の場合の番号を音声で案内するといった形です。何を緊急とするかの基準も、あわせて社内で決めておきます。
記録が残ることの利点を使う
自動で受けた用件が文字で残ると、電話の内容が個人の記憶から離れます。誰が受けたかに関係なく、後から検索できる状態になるのは大きな変化です。同じ質問が繰り返し来ていることに気づけば、案内の文面や自社サイトの記載を直す材料になります。
残った記録は、月に一度でよいので分類してください。多い順に並べると、そもそも電話で来なくてもよい用件が見つかります。問い合わせの様式を用意する、よくある質問を掲載するといった手当てで、着信そのものを減らせます。
相手が機械だと分かる場面の配慮
自動応答は、相手によって受け取り方が違います。慣れていない相手には、機械に一方的に話させられたと感じさせることがあります。冒頭で自動応答であることを伝え、人に代わる方法を案内するだけで、印象が変わります。
高齢の相手や、急いでいる相手には特に配慮が要ります。選択肢を三つ以上並べる、長い説明を流すといった設計は避けてください。短く、選択肢は二つまで、迷ったら人につながる。この形が最も苦情が少なくなります。
一か月で見直す前提で始める
最初の設定が最適であることはまずありません。一か月使ってみて、取り逃がした連絡はなかったか、苦情は来ていないか、折り返しは間に合っていたかを確かめてください。導入前に数えた着信の記録と比べると、変化がはっきりします。
見直しでは、文面の言い回し、人に回す条件、時間外の案内の三つを触ります。同時に全部を変えると、何が効いたか分からなくなります。一か月に一つずつ変えるほうが、結果として早く落ち着きます。
よくある質問
Q. 自動応答にすると失礼になりませんか
A. 受け方の設計次第です。何度かけても誰も出ない状態のほうが、相手には不誠実に映ります。自動で受けたうえで折り返しの目安を伝え、その約束を守る運用にすれば、印象はむしろ改善します。
Q. 聞き取った内容はどこまで正確ですか
A. 固有名詞や数字は誤りが混じることがあります。折り返しの前に、聞き取った内容を鵜呑みにせず、相手に確認する前提で運用してください。録音を併せて残せる仕組みであれば、確認が早く済みます。
Q. 費用はどのくらいかかりますか
A. 月額の基本料と、通話や聞き取りの量に応じた費用がかかる形が一般的です。導入前に数えた着信の件数を伝えて見積もりを取ってください。人を一人増やす費用と比べると、判断がしやすくなります。
Q. 既存の電話番号のまま使えますか
A. 番号の方式によって扱いが変わります。今の番号を転送する形で使えることが多いものの、条件は事業者ごとに違います。契約中の回線の種類を控えたうえで、導入先に可否を確認してください。
まとめ
自動応答に任せられるのは、用件の仕分けと聞き取りまでです。苦情の一次受けや条件の交渉を任せると、相手の不満が大きくなります。
任せる範囲を決めるには、一週間だけ着信を数えてください。日付、時刻、相手の種別、用件、対応時間の五項目で足ります。
応答の文面は短く、折り返しの目安まで含めます。聞き取る項目は会社名、担当者名、用件、折り返し先の四つに絞ると、途中で切られにくくなります。
人に回す条件は、番号と時間で決めます。誰も出られなかったときの行き先を決めておかないと、着信が宙に浮きます。
一か月使って、取り逃がしと苦情と折り返しの遅れを確かめてください。直すのは一度に一つ。順に触るほうが、早く落ち着きます。
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