BUSINESS COLUMN
合鍵を増やしたい。作る前に決めること
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人が増えるたびに合鍵を作ると、何本あるか誰も分からなくなる。作れる鍵と作れない鍵の違い、貸主の承諾が要る場面、本数の台帳と返却の決めごとを先に用意する手順を書いた。
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朝一番に開ける人が増えたので、鍵をもう二本作ろうという話が出ます。合鍵を作ること自体は数百円から数千円で済みますが、増やしたあとに「今、鍵は何本あって誰が持っているか」と聞かれて答えられる会社は多くありません。
鍵は、増やすときより回収するときに困ります。退職や異動のたびに一本ずつ減っていくはずが、記録が無いために減ったかどうかも分かりません。ここでは、作る前に決めておくこと、作れる鍵と作れない鍵の違い、台帳と返却の運用までを順に見ていきます。
作る前に、今の本数と持ち主を確定させる
増やす前に、現状を確定させてください。何本あって、誰が持っていて、どこに保管されているか。この三つが分からないまま追加すると、以後の管理が永久に追いつきません。全員に「今持っている鍵を出してください」と依頼するところから始めます。
出てきた本数と、想定していた本数は、たいてい一致しません。前任者から引き継いだまま報告されていない鍵、予備として引き出しに入ったままの鍵が出てきます。この差を埋めてから、初めて追加の話に進んでください。
確認のときは、責める形にしないでください。報告されていない鍵が出てくること自体は珍しくなく、責める姿勢を見せると次から出てこなくなります。台帳を作るための確認だと伝えるほうが集まります。

賃貸の物件では、貸主の承諾が要ることがある
自社所有の建物でなければ、鍵の複製について契約で制限されていることがあります。契約書の条項を先に確かめてください。無断で複製したことが後から分かると、退去のときに費用を請求される場合があります。
貸主が管理している鍵では、複製そのものを断られることもあります。その場合は、貸主に本数の追加を依頼する形になり、費用と日数が変わります。まず契約書、次に管理会社への確認という順で進めてください。
複製できない鍵がある
防犯性の高い鍵には、登録された所有者しか複製を依頼できないものがあります。鍵に刻印された番号と登録のカードが必要で、街の合鍵店では対応できません。この種類かどうかは、鍵本体の刻印とメーカーの案内で確かめられます。
一般的なディスクシリンダーやピンシリンダーの鍵であれば、複製は容易です。写真を送るだけで作成を依頼できるネットで簡単合鍵作成!全国送料無料!【俺の合鍵】
のようなサービスもあり、店舗まで持ち込む手間が省けます。ただし複製が容易だということは、悪用も容易だということです。管理の運用は、鍵の種類に関係なく必要になります。

台帳の項目は四つに絞る
鍵の台帳は、複雑にすると続きません。項目は、鍵の番号、渡した相手、渡した日、返却の予定日の四つで足ります。鍵には番号を刻印するか、タグを付けて識別できるようにしてください。
台帳は、鍵の保管場所と同じところに置きます。書く場所が離れていると記入が飛びます。渡すときと返るときに一行ずつ書く、それだけの運用を守れば、本数は常に把握できます。
返却の期限を、渡すときに決める
貸し出すときに返却の予定日を書いておくと、回収の抜けが激減します。期限の無い貸し出しは、返ってこないと考えてください。長期で持たせる場合でも、年度末など区切りの日を返却の予定日にしておきます。
退職や異動の手続きに、鍵の返却を項目として入れてください。最終出社日の当日ではなく、その数日前に回収するほうが確実です。当日は本人も慌ただしく、忘れられやすい項目です。
紛失したときの手順を先に決めておく
紛失の連絡が来てから対応を考えると、判断が遅れます。手順を先に決めておいてください。まず紛失の範囲を確かめ、次に錠を交換するかどうかを判断し、交換するなら費用と日程を決めます。
交換の判断は、紛失した場所と、鍵に建物が特定できる情報が付いていたかで変わります。会社名の入ったキーホルダーを付けていた場合は、交換を前提に考えてください。この一点があるだけで、判断の材料が変わります。
交換にかかる費用と日数も、事前に調べておくと判断が速くなります。錠前の種類によって数万円の差が出ます。緊急のときに相見積もりを取る余裕はないため、平時に一社は当たっておいてください。
本数を増やす以外の手も併せて考える
そもそも鍵を増やす必要があるのかを見直す価値はあります。朝の解錠だけが目的なら、暗証番号で開く錠や、電子的に権限を渡せる錠に替えることで、鍵そのものを増やさずに済みます。退職時の権限の削除も、鍵の回収より確実です。
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のような錠に替えると、誰がいつ開けたかの記録も残ります。切り替えるときは、扉と既存の錠に取り付けられるか、電池が切れたときにどう開けるか、賃貸なら原状回復をどうするかを確かめてください。
半年に一度、現物を確認する
台帳があっても、現物と一致しているかは別問題です。半年に一度、持っている人に鍵を提示してもらう日を作ってください。数分で終わりますが、この確認があるだけで、貸したまま忘れられる鍵が無くなります。
確認のときに、返却の予定日を過ぎているものを回収します。使い続ける必要があるなら、日付を更新して再び貸し出します。台帳の日付が全部同じ年のままになっていたら、運用が止まっている合図です。
よくある質問
Q. 合鍵は何本まで作ってよいですか
A. 本数に決まりはありませんが、増えるほど管理は難しくなります。常時使う人の数だけに絞り、臨時の必要にはキーボックスでの貸し出しで対応する形が現実的です。予備は一本にとどめてください。
Q. 鍵にキーホルダーを付けてもよいですか
A. 落としたときに建物が特定できる情報は付けないでください。会社名や住所はもちろん、ビル名の入ったタグも避けます。識別のための番号だけを刻印し、番号と鍵の対応は台帳側で管理します。
Q. 退職者が鍵を返さない場合はどうしますか
A. まず本人に連絡し、返却の方法と期限を伝えます。返却されない場合は、錠の交換を検討してください。交換の費用を請求できるかは事情によるため、判断に迷うときは弁護士に相談するのが確実です。
Q. 電子的な錠に替えれば管理は不要になりますか
A. 鍵そのものの管理は減りますが、権限の管理が新たに必要になります。誰に権限を与えたか、退職時に削除したかを記録する運用は残ります。管理の対象が物から記録に変わると考えてください。
まとめ
鍵を増やす前に、今の本数と持ち主を確定させてください。ここが曖昧なまま追加すると、管理は永久に追いつきません。
賃貸の物件では、複製について契約の条項を確かめます。防犯性の高い鍵は登録者しか複製を依頼できないため、種類の確認も先に必要です。
台帳の項目は、鍵の番号、渡した相手、渡した日、返却の予定日の四つで足ります。鍵の保管場所と同じところに置いてください。
貸すときに返却の予定日を決め、退職や異動の手続きに返却を組み込みます。最終出社日の数日前に回収するほうが確実です。
鍵を増やす以外に、電子的に権限を渡せる錠へ替える選択もあります。切り替えるなら、電池が切れたときの開け方と、賃貸での原状回復を先に確かめてください。
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