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BUSINESS COLUMN

取引先からCO2排出量の提出を求められた。何をどこまで集めれば答えられるか

公開 ・ 更新

大手取引先から排出量の報告を求められる例が増えています。電気・燃料の使用量という手元の数字から始める進め方、範囲の区分、算定の根拠を残す方法、答えられない項目の伝え方をまとめます。

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取引先から「排出量を教えてほしい」という依頼書が届きました。期限は一か月後です。

環境の担当者はいません。何を計算すればよいのか、どの範囲まで答えるのかも書かれていません。求められている数字が何を指すのかが分かりません。

何を聞かれているのか

多くは自社が使った燃料と電気です。

依頼の型としては、自社で燃やした燃料の量、購入した電気の使用量、拠点ごとの内訳、算定に使った係数と根拠、前年との比較が挙げられます。燃料には車両やボイラーで使う分が含まれます。

最初の依頼は、自社が直接使ったエネルギーの範囲で足りることが多いものです。仕入先まで遡る話は後の段階です。 範囲を広げすぎると、終わりません。

そして、求められている範囲は依頼書に書かれているはずです。分からなければ、先に確認してください。

「どの範囲の数字が必要か」を一度聞くだけで、作業量が大きく変わります。

電気とガスの請求書、給油の記録があれば計算できます。新しく測る必要はありません。

前年との比較を求められる場合は、翌年も同じ方法で出せる形にしておく必要があります。

天井に連なる照明

集める資料

新しく測る必要はありません。

揃えるのは、電気の請求書、都市ガスやLPガスの請求書、車両ごとの給油の記録、灯油や重油の購入量、拠点の一覧と稼働状況です。電気の請求書は十二か月分を集めます。

期間を会計年度で揃えてください。月をまたいだ集計は後で照合できなくなります。

拠点が複数ある場合は、拠点ごとに分けて集めます。後から内訳を求められることがあります。

給油の記録は、法人カードの明細から拾えます。個人の立て替えがあると集めにくくなります。

灯油や重油を使っている場合も忘れないでください。購入量の記録が要ります。

稼働していない拠点も一覧に入れ、その旨を書いておきます。抜けと区別できます。

計算の考え方

使用量に係数を掛けるだけです。

進め方は、燃料や電気の使用量を集計する、公表されている排出係数を掛ける、拠点ごとに分けて合計する、使った係数の出典と年度を記録する、端数の扱いを決めておくことです。

係数は年度ごとに更新されます。どの年度のものを使ったかを必ず残してください。

翌年に前年と比較するとき、係数が違えば数字も変わります。記録がなければ、原因も説明できません。

端数の扱いも決めておきます。四捨五入か切り捨てか、小数点以下は何桁か。統一しなければ、合計が合いません。

計算に使った表そのものを保存してください。数字だけを渡すと、翌年に同じ計算ができません。

拠点ごとの内訳も出しておきます。後から求められたときに、再計算せずに済みます。並べてみると、電気の単価が高いままの契約が混ざっていることも見えてきます。東証プライム上場!一番安い電気料金で契約するなら【エネピ】 のような比較の仕組みで、そこだけ見積もりを取り直す判断もできます。

屋外に設置された計量器

答えられない項目の扱い

空欄のまま返さないことです。

書き方は、「把握していない」と明記する、いつまでに把握する見込みかを添える、推定した項目は推定と分かるようにする、範囲外の拠点があれば理由を書く、不明な用語は問い合わせて確認することです。

推定値を確定値のように渡さないことです。後で数字が変わると信用に関わります。

空欄のまま返すと、集計の担当者が確認の連絡をしてきます。手間が増えるだけです。

「把握していない」と書き、いつまでに把握する見込みかを添えてください。誠実な回答として扱われます。

範囲外の拠点がある場合も、理由を書きます。抜けているのか、対象外なのかが区別できます。

依頼書の様式は取引先ごとに違います。分からない項目は確認してから記入してください。

翌年も続く前提で作る

一度きりの作業にしないことです。

仕組みにするには、担当と代わりの担当を決める、集計の手順を書き残す、請求書の保存場所を一か所にする、毎月ではなく年一回でよい項目を分ける、前年の数値と様式を保管することです。

手順を書き残すことが最も効きます。担当が替わると、また一から調べ直しになります。

どの請求書から、どの数字を拾ったか。そこまで書いておけば、次の人がそのまま再現できます。

請求書の保存場所も一か所に決めてください。年に一度しか使わない資料は、探す時間がかかります。

前年の数値と様式も保管します。比較を求められたときに、すぐ出せます。

代わりの担当も決めておいてください。年に一度の作業は、担当者が異動していることも多いものです。

減らす取り組みにつなげる

報告が目的ではありません。

次の一手は、使用量の大きい拠点から手を付ける、運用の改善で減る分を先に取る、設備の更新時期と合わせて計画する、車両の入れ替え時に選択肢を広げる、取り組みの内容を記録に残すことです。

数字が出ると、どこが大きいかが初めて見えます。報告を機会として使ってください。

運用の改善で減る分を先に取ります。設定の見直しや消灯の徹底は、費用がかかりません。

設備の更新時期と合わせて計画すると、無駄がありません。まだ使える設備を早めに替える必要はありません。

取り組みの内容を記録に残せば、次の報告で書けます。数字だけでなく、何をしたかも求められることがあります。

契約そのものを見直す選択もあります。プロパンを使っているところは、特に差が出やすいものです。乗り換えを扱うプロパンガス料金をどこよりも安く!【ガス屋の窓口】 で、いまの単価が相場から外れていないかを確かめてください。

よくある質問

Q. 専門の担当者がいなくても答えられますか。

A. 最初の依頼であれば、電気とガスの請求書、給油の記録から計算できます。専門の資格は必要ありません。

Q. どの排出係数を使えばよいですか。

A. 公表されている係数を使い、年度と出典を必ず記録してください。係数は更新されるため、翌年の比較で食い違いの原因になります。

Q. 分からない項目は空欄でよいですか。

A. 空欄のままにせず、「把握していない」と明記してください。いつまでに把握する見込みかを添えると、やり取りが減ります。

Q. 断ることはできますか。

A. 取引条件に関わる場合があるため、まず何を求められているかを確認してください。答えられる範囲だけでも返すほうが関係を保てます。

まとめ

最初の依頼は、自社が直接使った燃料と電気の範囲で足りることが多くあります。

必要な資料は手元の請求書と給油の記録です。新しく測る必要はありません。

計算は使用量に係数を掛けるだけ。使った係数の年度と出典を必ず残します。

答えられない項目は「把握していない」と明記します。空欄のまま返さないことです。

そして、手順を書き残すこと。翌年も同じ依頼が来る前提で作ってください。