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BUSINESS COLUMN

会社のドメインを失わないための管理。更新忘れ・担当者退職への備え

公開 ・ 更新

ドメインは取得より管理でつまずきます。更新忘れ、担当者の退職で連絡先が届かない、名義が個人のまま。実際に起きやすい事故と、その予防策を管理台帳の作り方から整理します。

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ドメインは、取るときより持ち続けるときのほうが難しい資産です。取得は数分で終わりますが、その後は何年も更新が続きます。担当者が変わり、登録したメールアドレスが使われなくなり、更新の通知が誰にも届かなくなる。そして、ある日サイトとメールが同時に止まります。

この記事では、会社のドメインを失わないための管理を扱います。取得の手順ではなく、取得した後に何を決めておくかの話です。

ドメインが止まると何が止まるか

想像より広い範囲に及びます。

止まるのは、コーポレートサイトの表示、会社のメールアドレスの送受信、メールを使った各種サービスのログイン、取引先のシステムに登録した連絡先、SSL証明書の更新、告知に使った連絡経路です。

メールが止まると業務そのものが止まります。しかも相手にはエラーが返るだけで、こちらは気づきにくい。 サイトが数日止まるのも痛手ですが、影響の大きさが違います。

各種サービスのログインも、そのメールアドレスを使っていれば止まります。

取引先のシステムに登録している連絡先も、無効になります。

さらに、期限を過ぎて失効したドメインは、他者が取得できる状態になります。

過去に使われていたドメインはそれだけで価値があるとみなされ、すぐに取得されることがあります。取り戻せる保証はありません。

実際に起きる四つの事故

現場でよく見る形です。

起きるのは、更新通知が届かない、支払い方法が切れている、名義が個人のまま、そもそも誰が契約しているか分からない、用途が分からないドメインが残る、担当が替わって引き継がれないことです。

更新通知が届かない形は、登録情報に退職した担当者のメールアドレスが入っているために起きます。更新の案内はそこに送られ、誰も見ないまま期限が来ます。

支払い方法が切れている形も同じです。自動更新の設定はあるが、登録したカードの有効期限が切れている。通知はやはり退職者宛に届きます。

名義が個人のままの形は、創業期に代表者や制作会社の個人名義で取得したまま放置されたものです。連絡が取れなくなると、移管も更新もできません。

誰が契約しているか分からない形も多くあります。制作会社が取ってくれたが、どの事業者で契約しているかも分からない状態です。

四つとも、技術の問題ではなく管理の問題です。

オフィスの複合機と書類

管理台帳に書いておく項目

防ぐ方法は台帳を作ることです。

書くのは、ドメイン名、登録事業者、管理画面のURLとログインIDの保管場所、登録している連絡先メールアドレス、有効期限、自動更新の設定です。

あわせて、支払い方法とその有効期限、社内の管理責任者、そのドメインの用途も書いておきます。

用途を入れておくと、後から見たときに解約してよいかの判断ができます。

取得したまま何にも使っていないドメインが残っていることは珍しくありません。

表計算のシート一枚で足ります。作る手間は一時間もかかりません。

管理責任者も、部署ではなく人の名前で書いておいてください。

連絡先メールアドレスを個人にしない

事故の多くはここに起因します。

やるのは、部署宛やグループ宛のアドレスを登録する、複数人が受け取れる形にする、同じドメインで作らない、別のドメインのアドレスも登録する、担当が替わったら更新する、年に一度確かめることです。

複数人が受け取れるアドレスにしておけば、担当が変わっても通知は届き続けます。

注意したいのは、そのメールアドレス自体を同じドメインで作らないことです。

ドメインが失効するとメールも止まるため、失効の通知を受け取れなくなります。

少なくとも一つは、別のドメインのアドレスを登録しておいてください。

担当が替わったときの更新も、引き継ぎの項目に入れておきます。

更新の期限を、社内のカレンダーにも入れる

事業者からの通知に頼りません。

入れるのは、有効期限の三か月前、一か月前、一週間前、支払い方法の有効期限、複数年での更新の検討、共有カレンダーへの登録です。

担当者個人ではなく、部署の共有カレンダーに入れるのがポイントです。

あわせて、自動更新をオンにしておくのが基本です。

ただし自動更新は支払い方法が有効であることが前提です。カードの更新時期も台帳に書いておいてください。

複数年でまとめて更新できる事業者もあります。数年分をまとめて払っておけば、その間は更新作業そのものが発生しません。

更新料が取得時の料金と異なる場合もあるため、そこも確認してください。登録を扱うお名前.com であれば、更新の料金も管理の画面から確かめられます。

名義を法人に揃える

早めに移しておきます。

確認するのは、移管には現在の名義人の協力が要ること、取得後や移管後の一定期間は再移管できないこと、手続き中もサイトとメールは動くこと、必要な書類、事業者ごとの手順、費用です。

名義や登録事業者を変えても、参照先の設定を変えなければサイトやメールは止まりません。

止まるのは、設定を書き換えたときです。ここは誤解されやすい部分です。

移管には現在の名義人の協力が必要になります。関係が良好なうちに進めてください。

取得後や移管後の一定期間は、再移管できない決まりがあります。

手続きは事業者によって異なりますが、名義変更の申請で対応できることが一般的です。

オフィスのデスクまわり

関連するドメインをどこまで押さえるか

費用と釣り合う範囲で決めます。

考えるのは、会社名の表記違い、別の拡張子、サービス名そのもの、取られたときに困るか、費用に見合うか、台帳への記載です。

判断の基準は、取られたときに困るかどうかです。

よく使われる表記や、サービス名そのものは押さえておく価値があります。

一方、思いつく限りの組み合わせを取得するのは費用に見合いません。

取得したドメインを使わずに保有する場合も、台帳に用途として防衛目的と書いておいてください。

何のために取ったのか分からないドメインが増えると、いずれ整理できなくなります。

サーバーとセットで見直す

同じタイミングが効率的です。

見るのは、契約の名義、ログイン情報、管理画面をまとめるか分けるか、障害の影響の受け方、更新の時期、台帳での把握です。

ドメインとサーバーは、どちらも契約の名義とログイン情報が問題になる点で共通しています。

取得と管理を同じ事業者でまとめると、管理画面が一つで済むという利点があります。

一方、分けておくと片方の障害の影響を受けにくい、という考え方もあります。

どちらが良いというより、台帳で把握できていることのほうが重要です。

更新の時期も、あわせて確かめておいてください。新しく取る分から名義と連絡先をそろえたいなら、ドメイン取るならお名前.com で会社の情報を入れて登録し、既存の分は後から移す進め方もできます。

よくある質問

Q. 更新を忘れたら、すぐに使えなくなりますか。

A. 事業者によっては、期限後に一定の猶予期間が設けられていることがあります。ただし猶予期間中は停止した状態になり、復旧に追加費用がかかる場合もあります。頼るべきではありません。

Q. 何年分まとめて更新できますか。

A. ドメインの種類と事業者によりますが、複数年で登録できることが多いです。まとめて払えるなら、更新忘れの機会そのものを減らせます。

Q. 制作会社が取得したドメインを自社に移せますか。

A. 移せます。ただし現在の名義人の協力が必要です。関係が良好なうちに移しておくことをお勧めします。

Q. 使わなくなったドメインは解約してよいですか。

A. そのドメイン宛のメールや、外部サイトからのリンクが残っていないかを確認してください。過去に告知に使った住所であれば、しばらく保持したほうが安全です。

まとめ

ドメインごとの台帳を作ること。シート一枚で足ります。

登録する連絡先を部署宛にし、別ドメインのアドレスにすること。

自動更新をオンにしたうえで社内カレンダーにも期限を入れること。

名義を法人に揃えること。関係が良好なうちに進めてください。

そして、どれか一つでも欠けているといつか止まると知ること。