BUSINESS COLUMN
止まった日に困らない備え。データと持ち出し袋を作る
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停電や災害で建物に入れない日に何が続けられるか。仕事のデータを社外のクラウドへ置く手順と、家と職場で中身の違う持ち出し袋を、同じ日に用意します。
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台風の翌朝、事務所の入っている建物が停電していました。鍵は開くのに、明かりも空調もエレベーターも動きません。持ち出せたのはノートパソコン一台で、必要な見積書は事務所の機械の中に入ったままでした。
止まる日は、年に何度かあります。問題は止まること自体ではなく、止まったときに何も続けられないことです。仕事のデータと、身の回りの備え。この二つを同じ日に用意しておく話をします。
何が止まると困るかを書き出す
備えを考える前に、止まったときに困るものを書き出してください。電気、水、通信、交通、そして建物に入れるかどうか。この五つで、たいていの場面が説明できます。
そのうえで、自分の仕事がどれに依存しているかを見ます。パソコンだけで完結する仕事なら電気と通信、店を開けている仕事なら建物と水、外を回る仕事なら交通です。
全部に備えようとすると、何も進みません。依存しているところから順に手を付けてください。二つ目まで用意できていれば、たいていの日はしのげます。
家の側も同じ手順で書き出せます。家族の人数、赤ん坊や高齢の家族がいるか、常用している薬があるか。ここで条件が変わります。

事務所のサーバーだけに置かない
いちばん多い失敗が、必要なデータが事務所のサーバーの中だけにあることです。鍵を持っていても、停電していれば取り出せません。
請求や在庫の業務システムを事務所の中だけで動かしているなら、止まった日に何が使えなくなるかも一緒に見ておいてください。
仕事に関わるデータは、社外のクラウドにも置いてください。そうしておけば、自宅や喫茶店から続きができます。法人の名義で借りられて容量を後から足せる法人向けレンタルサーバー「iCLUSTA+ byGMO」の詳細はこちら
のような置き場所なら、契約も経理の処理も普段の流れに乗せられます。
置くのは全部でなくて構いません。進行中の案件、連絡先、請求のもとになる記録。この三つがあれば、数日はしのげます。
置いたきり確かめていない状態は避けてください。年に一度、外から実際に開いてみます。開けないことに当日気づくのが、いちばん困ります。
連絡先を紙で持つ
電話帳はスマートフォンの中にあります。そのスマートフォンの電池が切れたら、誰にも連絡できません。
紙に書いて財布に入れておく相手を、五人だけ決めてください。家族、取引先の主要な担当者、建物の管理会社、そして加入している保険の連絡先です。
書くのは名前と番号だけで十分です。用件は思い出せます。番号は思い出せません。
事務所にも同じ紙を貼っておきます。自分がいない日に誰かが対応する場面でも、同じ紙が使えます。

持ち出す袋を二つ用意する
家と職場では、必要なものが違います。家は数日を過ごす前提、職場は移動して帰る前提です。
家に置くのは、水、食べ物、明かり、電池、常用薬、現金、簡易のトイレ。職場に置くのは、歩いて帰るための靴、明かり、電池、水、菓子、そして薄い上着です。
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を一度開けて、足りないものだけ買い足す形でも構いません。ゼロから一つずつ選ぶより、早く終わります。
そろえたら、置き場所を家族と同僚に伝えてください。 誰かの机の下にあることを本人しか知らない備えは、無いのと変わりません。
電池と充電の考え方
停電のとき、いちばん最初に足りなくなるのが電気です。ここだけは多めに持っておいて損がありません。
用意するのは、乾電池、携帯用の電池、そして車があれば車から充電できる線です。携帯用の電池は、二台ぶんを二回充電できる容量が目安になります。
置いたままにしておくと、いざというときに空になっています。半年に一度、日を決めて充電し直してください。夏と冬の初めが覚えやすい時期です。
明かりは、一人に一つずつ用意します。共用の一つを取り合う状態は、暗い中では危険です。
水と食べ物の回し方
備蓄は、賞味期限が切れて捨てるところまでが一組です。捨てるのが嫌で買わない人が多いのですが、回し方を決めれば無駄は出ません。
普段から使うものを少し多めに買い、古いものから使って、使ったぶんだけ買い足す。この形なら、期限を管理する手間がほとんどかかりません。
水は一人一日三リットルが目安で、三日分なら一人九リットルです。四人家族なら三十六リットルになり、置き場所を先に決めておかないと入りません。
職場は一人一日一リットル、一日分で足ります。歩いて帰る前提なら、それ以上は重くて持てません。
連絡が取れないときの決め事
災害の直後は、電話がつながりません。つながらない前提で、先に決めておくことがあります。
決めるのは三つです。安否を伝える手段を何にするか、集まる場所をどこにするか、そして何時間連絡が取れなければどう動くか。
職場でも同じです。出社の判断を誰がいつ出すか。決まっていないと、全員が個別に問い合わせることになり、その電話が回線をさらに詰まらせます。
決めたことは紙に書いて配ってください。当日は、覚えていることしか使えません。
年に一度、見直す日を決める
備えは、置いた日から古くなっていきます。見直す日を決めておかないと、五年前の乾パンが出てきます。
家族の人数、薬、靴のサイズ、電池の残量、水と食べ物の期限。この五つだけを見れば十分です。三十分で終わります。
日付は、防災の日や年度の変わり目など、覚えやすい日にしてください。毎年同じ日にすることが、続けるための条件です。
そのついでに、クラウドの置き場所からファイルを一つ開いてみてください。備えの見直しと同じ日にやれば、忘れません。
よくある質問
Q. 何から買えばよいですか。
A. 明かりと電池と水です。この三つは、どんな場面でも使います。食べ物はその次で構いません。
Q. 備蓄の置き場所がありません。
A. 一か所にまとめる必要はありません。水は押し入れ、明かりは玄関、薬は寝室と分けて構いません。分けた場所を紙に書いておいてください。
Q. 会社として何をどこまでやるべきですか。
A. 従業員の安全に関わる範囲は業種や規模で決まりが違います。人数や設備の条件によっても変わるため、社会保険労務士に一度確かめてください。
Q. データを外に置くのが不安です。
A. 置く相手を選び、権限を分けてください。事務所のサーバー一台だけに置いておくほうが、火災や水濡れで一度に失う分だけ危険です。
まとめ
止まったときに困るものを、まず書き出してください。電気、水、通信、交通、建物の五つで整理できます。
仕事のデータは、事務所のサーバーだけに置かないでください。進行中の案件と連絡先と請求の記録があれば、数日はしのげます。
連絡先は紙で持ちます。五人ぶんの名前と番号を、財布と事務所の壁に。
持ち出す袋は、家と職場で中身を変えてください。家は数日を過ごすため、職場は歩いて帰るためのものです。
そして、年に一度の見直す日を決めてください。日付を決めない備えは、置いた日のまま古くなります。
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