BUSINESS COLUMN
副業の人の稼働時間が読めない。時間の決め方を変える
公開 ・ 更新
常時いる前提で組むと双方が苦しくなります。時間ではなく成果で区切る考え方、連絡の期待値、繁忙期の扱い、遅れが出たときの手当てをまとめます。
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副業で手伝ってもらっている方に、火曜の午後に連絡しました。返事が来たのは翌日の深夜です。
急ぎではなかったので実害はありませんでしたが、いつ返ってくるか読めません。こちらも予定が立てられません。かといって「何時までに返してください」と言うのも違う気がします。どう管理すればよいのかが分かりません。
時間で管理しようとすると破綻する
本業がある人に、常時の対応は求められません。
時間で縛ると、相手が受けられなくなる、返信の遅れが不満になる、こちらが待ち続ける、実態が雇用に近づく、双方が疲れる、といったことが起きます。
副業として引き受けている人は、本業の時間には対応できません。平日の日中に返信を求めれば、それは本業の時間を削ることになります。多くの場合、それはできません。
返信の遅れが不満になるのは、期待値がそろっていないためです。こちらは半日で返ってくると思い、相手は二日以内に返せばよいと思っている。どちらも悪意はありませんが、不満だけが溜まります。
実態が雇用に近づくのも、重要な問題です。稼働の時間帯を指定し、常時の対応を求め、作業の進め方まで指示すれば、契約の名称が業務委託でも、実態としては別の評価を受ける可能性があります。
時間ではなく、成果で区切ってください。稼働時間を管理しようとした時点で、無理が出ます。 何時から何時まで働いたかではなく、何がいつまでにできているかで見ます。副業として引き受けてもらう以上、これ以外の形は成り立ちません。

成果で区切る
何がいつまでにできていればよいかを、決めます。
決めるのは、成果物の形、期限、中間で見せてもらう時期、修正の回数の目安、完了とみなす条件です。
成果物の形を先に決めます。「調べておいてください」では、どこまでやれば終わりかが分かりません。「三社の比較を一枚にまとめる」と決めれば、双方の認識がそろいます。
中間で見せてもらう時期も決めます。期限の直前に「できませんでした」と言われるのが、最も困ります。半分の時点で一度見せてもらえば、方向のずれにも気づけます。
修正の回数の目安も決めます。無制限に修正を求められる前提だと、相手は受けられません。
期限は日単位にしてください。時刻まで決めると、生活の時間帯に踏み込むことになります。 「金曜の十七時まで」と決めれば、相手は本業の時間中に作業する必要が出ます。「金曜まで」であれば、金曜の夜に作業して土曜の朝に届く形でも成り立ちます。
完了とみなす条件も明確にします。納品したら終わりなのか、こちらの確認を経て終わりなのか。曖昧だと、いつまでも終わりません。
期限と完了の条件をここまで書けるなら、そのまま募集の文面として使えます。フリーランスエンジニア向けIT求人・案件サイト【IT求人ナビフリーランス】
へ依頼として出すときも、この二つが最初から書かれているほうが早く決まります。
連絡の期待値をそろえる
「すぐ返る」を前提にしないことです。
合意するのは、返信までの目安、確認できる時間帯、急ぎの場合の合図、急ぎを使ってよい頻度、返せない期間があることです。
返信までの目安は、最初に決めます。「翌営業日中」が現実的な線です。この合意があれば、二日目に返信が来ても不満になりません。
確認できる時間帯も聞いておきます。「平日は夜、土日は日中」と分かっていれば、こちらも送る時期を調整できます。
急ぎの合図を決めて、使う回数を絞ってください。すべてが急ぎだと、区別がなくなります。 件名に印を付ける、別の手段で連絡する。何でも構いませんが、合図を決めます。そして、それを使うのは月に一度か二度までと自分で決めます。
毎回「至急」と付ければ、その言葉は意味を失います。三度目からは、相手にとって普通の依頼と同じになります。
返せない期間があることも、あらかじめ合意します。本業の出張、繁忙期、私的な事情。事前に知らせてもらえる関係を作れば、こちらも手を打てます。

繁忙期の扱い
こちらの繁忙期と、相手の本業の繁忙期は別です。
確かめるのは、相手の本業が忙しい時期、こちらの繁忙期に対応できるか、対応できない期間の代替、事前に伝える期限、その期間だけ別の人に頼めるかです。
相手の本業の繁忙期を、先に聞いてください。重なる時期が分かれば、こちらも手を打てます。 決算期、年度末、特定の季節。業種によって忙しい時期は決まっています。契約の最初にこれを聞いておけば、その時期の依頼を避けられます。
重なることが分かった場合、その期間の扱いを決めます。依頼を止めるのか、量を減らすのか。
対応できない期間の代替も考えます。その期間だけ別の人に頼む、社内で処理する、時期をずらす。選択肢を持っておけば、直前に慌てずに済みます。
事前に伝える期限も決めます。「対応できない期間は二週間前までに知らせてほしい」と伝えておけば、こちらも準備できます。
こちらの繁忙期も伝えておきます。相互に予定が分かっていれば、調整の余地が生まれます。
遅れが出たときの手当て
責める前に、原因を分けます。
確かめるのは、依頼の内容が不明確ではなかったか、必要な情報が渡っていたか、こちらの返答が遅れていなかったか、本業の事情か、見積もりが甘くなかったかです。
依頼の内容が不明確だと、相手は手を付けられません。「どういうことだろう」と考えているうちに時間が過ぎ、聞き返すのも気が引けて、そのまま遅れます。
必要な情報が渡っていたかも確認します。資料の一部が届いていない、権限がなくて見られない。こうしたことは、外部の人ほど言い出しにくくなります。
こちらの返答待ちで止まっていることが、一番多い原因です。まずそこを確かめてください。 相手が質問を送っていて、こちらが返していない。その状態で「遅れている」と考えるのは、こちらの認識の誤りです。
副業の人からの質問は、こちらの業務の合間に届きます。それが埋もれやすく、そのまま数日経ちます。相手は待っています。
見積もりの甘さも、原因の一つです。互いに「これくらいでできる」と思っていた作業が、実際には倍かかった。この場合、責める話ではなく、次の見積もりを直す話になります。
本業の事情であれば、それは受け入れる部分です。副業として引き受けてもらっている以上、本業が優先されるのは当然です。
労働時間の通算に注意する
契約の形によって、扱いが変わります。
確かめるのは、雇用契約なら労働時間が通算される場合があること、業務委託なら通算されないのが原則であること、実態が雇用に近くないか、割増賃金の扱い、確認先です。
契約書の名称ではなく、実態で判断されます。指揮命令があるか、時間や場所を指定しているか、他の仕事を受ける自由があるか。こうした点から評価されます。
雇用の形で受け入れる場合、本業との労働時間の通算が問題になり得ます。扱いは社会保険労務士に確認してください。 通算の対象となる場合、割増賃金の負担が生じることがあります。どちらの会社が負担するかという論点もあります。
業務委託として契約していても、実態が雇用に近ければ、同じ問題が生じ得ます。稼働時間を管理し、作業の手順を細かく指示し、他の仕事を制限していれば、実態としての評価は変わります。
契約を結ぶ前に確認するのが、最も手戻りが少なくなります。始めてから形を変えるのは、双方にとって負担です。
相手の本業の会社の規則も確認します。副業を認めていない、届出が必要、といった規則がある場合があります。本人が確認する事項ですが、こちらからも一度確かめておきます。
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体調と本業への影響
こちらの依頼が、相手の生活を圧迫することがあります。
気をつけるのは、深夜や早朝の連絡を避ける、連休や年末年始の依頼を控える、急な追加を重ねない、本業が忙しい時期を尊重する、体調を崩したときに休める形にすることです。
深夜の連絡を避けてください。返信が来るからといって、その時間に働かせてよいわけではありません。 副業の人が深夜に返信するのは、その時間しか空いていないからです。こちらが深夜に送れば、相手は深夜に対応することになります。
送信の時刻を予約できる仕組みがあれば、それを使います。こちらが深夜に書いても、翌朝に届くようにできます。
連休や年末年始の依頼も控えます。副業の人にとって、その期間は本業も休みで、家族との時間でもあります。
急な追加を重ねないことも重要です。一件ずつは小さくても、積み重なれば相手の生活を圧迫します。追加を依頼するときは、期限も延ばします。
体調を崩したときに休める形にしておきます。副業の人ほど、休むと言い出しにくくなります。「無理な場合は遠慮なくお知らせください」と最初に伝え、実際にそう言われたときに受け入れる姿勢を示します。
長く続けてもらうことが、こちらの利益にもなります。人が替われば、また一から説明することになります。
よくある質問
Q. 稼働時間を報告してもらうべきですか。
A. 業務委託なら、時間ではなく成果で区切ってください。時間を管理しようとすると、実態が雇用に近づき、契約の評価が変わる可能性があります。
Q. 期限に時刻を入れてよいですか。
A. 日単位にしてください。「金曜の十七時まで」だと本業の時間中に作業する必要が出ます。「金曜まで」なら、夜に作業して翌朝に届く形でも成り立ちます。
Q. 急ぎの依頼はどう伝えますか。
A. 合図を決めて、使う回数を月に一度か二度に絞ってください。毎回「至急」と付ければ、三度目からは普通の依頼と同じになります。
Q. 労働時間は通算されますか。
A. 契約の形によります。雇用の形なら問題になり得ます。契約書の名称ではなく実態で判断されるため、社会保険労務士に確認してください。
まとめ
時間ではなく成果で区切ってください。稼働時間を管理しようとした時点で無理が出ます。
期限は日単位にします。時刻まで決めると、相手の生活の時間帯に踏み込みます。
返信までの目安と、急ぎの合図を合意してください。合図は使う回数を絞ります。
相手の本業の繁忙期を先に聞きます。重なる時期が分かれば手を打てます。
遅れたら、まずこちらの返答待ちで止まっていないかを確かめてください。それが一番多い原因です。
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