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BUSINESS COLUMN

副業の人の成果をどう測るか。着手前に合意しておく

公開 ・ 更新

時間で測れない働き方では、期待のずれが出やすくなります。成果物の定義、確認の頻度、修正の回数、支払いの条件をまとめます。

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依頼していた資料が上がってきました。求めていたものとは違います。

こちらは完成品を想定していましたが、相手は下書きのつもりでした。どちらも間違っていません。伝えていなかっただけです。作り直してもらうにも、追加の報酬の話になります。何を決めておけばよかったのかが分かりません。

期待のずれは着手前に決まる

作業が終わってから、合わせることはできません。

ずれる原因は、成果物の形を決めていない、どこまでやるかを言っていない、確認の時期がない、修正の回数が決まっていない、「いい感じに」で頼んでいる、といったところです。

社内の人に頼むときは、多少曖昧でも通じます。過去の資料を見ている、他の人のやり方を知っている、社内の水準が体に入っている。これらが前提を埋めています。

外部の人には、その前提がありません。同じ言葉で頼んでも、想像するものが違います。しかも、双方ともそのずれに気づきません。

「いい感じに」で頼むのは、こちらが決めきれていないことの表れでもあります。自分の中で完成形が固まっていないまま依頼すると、上がってきたものを見て初めて「これではない」と気づきます。

着手前に、完了とみなす条件を書いてください。ここを飛ばすと、必ずやり直しになります。 書き出すのに三十分かかりますが、やり直しは数日かかります。しかも、相手の時間も無駄にします。

台紙に挟んだ白紙と植木鉢

成果物を定義する

「資料を作る」では、足りません。

決めるのは、形式、分量の目安、含める内容と含めないもの、使う場面、参考にする既存のものです。

形式は、何で作るか、何で渡すかの両方を決めます。編集できる形で欲しいのか、そのまま配れる形でよいのか。

分量の目安も伝えます。「五枚程度」と言えば、その粒度が伝わります。分量を言わずに頼むと、一枚で済ませる人と二十枚作る人に分かれます。

含めないものも書きます。「価格の情報は入れない」「他社との比較は不要」といった形で、範囲の外側を示します。

使う場面を伝えてください。社外に出すのか社内で使うのかで、求められる質が変わります。 社内の検討用であれば、多少荒くても構いません。取引先に配るのであれば、体裁も文章も精度が要ります。同じ「資料」でも、必要な手間が数倍違います。

参考にする既存のものを渡すのが、最も確実です。「これと同じ形で」と言えば、説明が要りません。過去の類似の成果物を一つ渡すだけで、認識のずれの大半が消えます。

ここまで揃えた依頼の形は、そのまま相手を探すときの材料になります。ITエンジニアの方へ総合的なサポートをお約束します。【Pe-BANK】 には独立して長く続けている技術者が登録していて、求める水準を先に示せるほど話が早く進みます。

途中で確認する

最後にまとめて見ると、やり直しが大きくなります。

確認の置き方は、着手して最初の段階で一度見る、方向が合っているかだけを見る、確認にかかる時間を見込む、返答の期限を決める、確認は一往復で終えることです。

最初の段階で見るのは、方向のずれを早く見つけるためです。全体の一割か二割ができた時点で見れば、やり直しもその範囲で済みます。

最初の段階で、方向だけを確かめてください。細部を指摘すると、まだ変わる部分に手が入ります。 下書きの段階で表現の細かい修正を指摘すると、相手はそこを直します。しかし、その部分は後の作業で書き換わるかもしれません。無駄な手間になります。

「全体の構成はこの方向で合っています」とだけ伝えれば、相手は安心して先に進めます。

確認にかかる時間も見込んでおきます。こちらが確認する時間も、工程の一部です。「二日以内に返します」と決めておかないと、そこで止まります。

返答の期限を決めるのは、相手のためでもあります。副業の人は、限られた時間で作業しています。こちらの返答を待つ時間が、そのまま作業できない時間になります。

確認は一往復で終える形にします。何度も往復すると、相手の作業が細切れになります。

開いたノートと赤いペン

修正の回数を決める

決めていないと、どちらも消耗します。

決めるのは、修正に応じる回数、回数を超えた場合の扱い、当初の依頼にない変更の扱い、修正の依頼をまとめて出すこと、軽微な直しの範囲です。

修正の回数を決めるのは、相手を制限するためではありません。こちらが際限なく求めてしまうのを防ぐためです。回数が決まっていれば、こちらも「この修正は本当に必要か」を考えます。

回数を超えた場合の扱いも決めます。追加の報酬を払う形にしておけば、超えること自体は問題になりません。

当初の依頼にない変更は、修正ではなく追加の依頼です。ここを区別しないと、修正の名目で作業量が増えていきます。

修正の依頼は、まとめて出してください。小出しにすると、回数が読めなくなります。 気づいたところから順に伝えると、相手は同じ箇所を何度も開くことになります。全体を見てから、一度にまとめて伝えます。

軽微な直しの範囲も決めておきます。誤字の指摘まで回数に数えるのは、双方にとって不便です。

支払いの条件

成果と支払いを、結び付けます。

決めるのは、支払いの単位、支払いの時期、着手金の有無、中止した場合の精算、税務上の扱いの確認先です。

支払いの単位は、成果物ごとか月ごとかを決めます。成果物ごとであれば、完了の定義がそのまま支払いの条件になります。

支払いの時期も明確にします。検収の後なのか、納品の時点なのか。検収に時間がかかると、支払いも遅れます。

着手金の有無も検討します。長期の作業では、途中での支払いがあるほうが相手も安心できます。

中止した場合の精算を、先に決めてください。途中でやめるときに、必ず問題になります。 こちらの都合で中止することもあれば、相手の事情で続けられなくなることもあります。どちらの場合も、そこまでの作業に対してどう支払うかを決めておきます。

決めていないと、中止の判断そのものが難しくなります。「途中でやめると揉めそうだから、無理にでも続けよう」という判断は、双方にとって良くありません。

税務上の扱いは、経理または税理士に確認します。源泉徴収の要否は業務の内容によって変わります。

評価を伝える

続けてもらうためにも、必要です。

伝えるのは、よかった点を具体で、次に変えてほしい点、社内でどう使われたか、継続の意思、条件を見直す時期です。

よかった点は、具体的に伝えます。「よかったです」だけでは、何がよかったのかが分かりません。次も同じようにすればよいのかも判断できません。

次に変えてほしい点も、責める形ではなく伝えます。今回のずれの多くは、こちらの伝え方に原因があります。

社内でどう使われたかを、伝えてください。外部の人には、成果の行き先が見えません。 納品して終わりだと、その資料がどう使われたのかを相手は知りません。「役員会で使い、この方針が決まりました」と伝えれば、自分の仕事が何につながったかが分かります。

これは、報酬とは別の意味を持ちます。副業として引き受けている人にとって、自分の仕事が使われている実感は、続ける動機になります。

継続の意思も伝えます。「次の案件でもお願いしたい」と言われるかどうかで、相手の予定の立て方が変わります。

条件を見直す時期も決めます。単価も業務の範囲も、続けるうちに実態と合わなくなります。

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記録を残す

次に頼むときの、材料になります。

残すのは、依頼した内容と成果物、かかった期間、修正の回数、支払った金額、良かった点と合わなかった点です。

依頼した内容と成果物を残しておけば、次に似た依頼をするときに、そのまま使えます。定義を一から書き直す手間がなくなります。

かかった期間も記録します。見込みと実際にどれだけ差があったかが分かれば、次の見込みが正確になります。

修正の回数を記録してください。次の依頼で、見込みを立てられるようになります。 毎回三回修正しているなら、それが実態です。修正一回で終わる前提で工程を組めば、必ず遅れます。実績を踏まえて、修正の期間も工程に入れます。

支払った金額も残します。似た依頼をするときの相場が分かります。

良かった点と合わなかった点は、率直に書きます。他の人に頼むべき仕事、この人に頼むとよい仕事が見えてきます。

記録は、その案件が終わった直後に書きます。数か月経つと、細部を忘れます。

続けて頼むか決める

一件ごとに、判断します。

確かめるのは、期待した成果が出たか、やり取りの負担が見合っていたか、継続で頼める仕事があるか、相手に続ける意思があるか、条件を見直す必要があるかです。

やり取りの負担も、判断に入れます。成果が良くても、確認や説明に大きな時間を取られているなら、実質的な費用は報酬額を超えています。

継続で頼める仕事があるかも確かめます。単発の依頼しかないのに継続の関係を作ると、頼む仕事がないまま関係だけが残ります。

相手にも続ける意思があるかを、聞いてください。こちらだけが続けたいと思っている場合があります。 副業の人は、断りにくい立場にいます。本業が忙しくなっても、こちらから「次もお願いします」と言われれば、受けてしまいます。

「無理のない範囲で、続けていただけそうですか」と聞けば、断る余地が生まれます。断られた場合も、それは関係の終わりではありません。時期を変えて依頼できます。

条件の見直しも、この機会に行います。最初に決めた単価が、実際の作業量と合っていないことがあります。合っていないまま続けると、相手が黙って離れます。

よくある質問

Q. 何を決めれば防げますか。

A. 完了とみなす条件です。形式、分量、含める内容、使う場面を着手前に書いてください。過去の類似の成果物を一つ渡すのが、最も確実です。

Q. 途中の確認はいつしますか。

A. 全体の一割か二割ができた時点です。方向が合っているかだけを見て、細部は指摘しないでください。後で書き換わる部分に手を入れさせることになります。

Q. 修正が終わりません。

A. 回数を決め、依頼はまとめて出してください。気づいたところから順に伝えると、相手は同じ箇所を何度も開くことになります。

Q. 途中でやめる場合は。

A. 精算の条件を先に決めておいてください。決めていないと、中止の判断そのものが難しくなり、無理に続けることになります。

まとめ

期待のずれは着手前に決まります。終わってから合わせることはできません。

成果物は形式、分量、含める内容、使う場面まで書いてください。

途中の確認は最初の段階で、方向だけを見ます。細部の指摘は無駄になります。

修正は回数を決め、まとめて出してください。小出しにすると回数が読めません。

中止した場合の精算を先に決めます。決めていないと、やめる判断ができなくなります。