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BUSINESS COLUMN

相見積もりの経過を残す。台帳と手作業を減らす進め方

公開 ・ 更新

三社に声をかけたのに、どこにいくらで頼んだか思い出せない。エクセルの台帳に何を書くか、やりとりの進捗をどう追うか、手作業をどこまで減らすかを整理します。

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半年前に三社から見積を取りました。今また同じものを買うことになって、当時の資料を探しています。金額は残っていました。ただ、なぜその一社に決めたのかが、どこにも書いてありません。

比べた経過が残っていないと、同じ作業を最初からやり直すことになります。ここでは、何を比べるかを先に決めるところから、台帳に書く項目、やりとりの進捗の追い方、手作業をどこまで減らすかを並べます。一枚から始められます。

半年後に説明できるか

金額だけ残しても、判断は再現できません。

決めた理由は、たいてい金額以外にあります。納期が合った、担当者の説明が分かりやすかった、既存のものと組み合わせやすかった。これらは記憶にしか残らず、半年で消えます。

そして、説明を求められる場面は必ず来ます。上の人から、税務の調査で、あるいは自分自身から。「なぜこれにしたのか」に答えられないと、次の判断も同じ手探りになります。

何を比べたのかを先に決める

見積を取る前に書きます。

比べる軸を三つから五つ決めて、紙に書いてから声をかけてください。金額、納期、対応の範囲、保守の条件、支払いの方法。この程度で足ります。決めずに集めると、届いた見積の形式に引きずられて、比べているつもりで比べられません。

軸を先に決めておく効き目はもう一つあります。相手に渡す依頼の内容が具体的になるので、返ってくる見積の粒度がそろいます。そろっていない見積を並べる作業は、それ自体が手作業の塊です。

台帳に書く項目

エクセルの一枚で足ります。

書くのは、相手先、依頼した日、返ってきた日、金額、納期、条件の要点、そして自分の所感です。最後の一つを飛ばさないでください。数字は資料に残りますが、所感は書かないと消えます。

台帳の置き場所も決めてください。案件ごとに別のファイルを作ると、半年後にどこにあるか分かりません。買い物の種類を問わず一枚に集めて、案件名の列で絞る形にします。行が増えても、探すより並べ替えるほうが早い。

行は、一社につき一行。同じ案件で条件を出し直してもらったら、行を追加して、古い行も残します。上書きしてしまうと、経過が見えなくなります。台帳の価値は、最終の数字ではなく、動いた履歴のほうにあります。

天井から吊るした電球の列

やりとりの進捗を追う

止まっている相手は、こちらから動かします。

依頼した、返事が来た、条件を詰めている、決めた、断った。この五つの状態のどれかを、各行に書いておきます。一週間見直したときに「依頼した」のまま止まっている行があれば、催促するか、その相手を外すかを決めます。

問い合わせの相談が続くと、やりとりがメールの中に散らばります。(自由テキスト)のように見積の相談をひとつのまとまりとして扱える道具を使うと、依頼から回答までの経過が同じ場所に積み上がります。あとから読み返すのが、そのまま記録になります。

金額だけで決めない

安い理由を必ず聞きます。

極端に安い見積が一つ混ざっているとき、含まれていない作業があることが多いものです。設置費、初期の設定、保守、そして解約の条件。ここが抜けていると、一年経ってから合計が逆転します。

値引きの提示が来たときも、何を削って安くなったのかを聞いてください。作業の範囲が狭くなっているだけなら、安くなっていません。台帳には、値引き後の金額と一緒に、削られた項目も書いておきます。

比べるのは、初期の金額ではなく、三年で払う総額です。月額のあるものは特にそうです。台帳には、三年分の合計を計算した列を一つ足しておいてください。それだけで、見え方が変わります。

断るときも記録を残す

断った理由が、次に効きます。

見送った相手にも、理由を一行で伝えてください。「今回は納期が合わなかった」で足ります。条件が変われば次に声をかけられますし、相手も次の提案を調整できます。

台帳のほうにも、同じ一行を書いておきます。半年後に同じものを買うとき、この一行があれば、声をかける相手を最初から絞れます。ゼロから探し直す手間が消えます。

天井に取り付けた扇風機と照明

手作業をどこまで減らすか

繰り返し出すものから減らします。

毎回ほぼ同じ条件で見積を出したり受け取ったりしているなら、そこは形を固定できます。(自由テキスト)のような見積のシミュレーターを用意しておけば、条件を選ぶだけで金額が出るので、都度の計算と転記が要りません。出す側にも受ける側にも同じ効き方をします。

減らす順番は、頻度の高いものからです。年に一度の大きな買い物より、月に何度もある小さなやりとりのほうが、合計の時間は長い。派手さはありませんが、こちらを先に片付けたほうが楽になります。

次に活かす形にする

一年に一度、見返します。

決めた相手が期待どおりだったか、金額は妥当だったか、比べる軸は正しかったか。これを台帳の各行に一言だけ足します。次に同じ種類の買い物をするとき、比べる軸そのものが良くなります。

見返す日を決めておかないと、台帳は書きっぱなしで終わります。年度の切り替わりでも、契約の更新月でも構いません。予定表に入れてください。

よくある質問

Q. 何を残せばいいですか。

A. 金額と条件に加えて、決めた理由と所感です。数字は資料に残りますが、理由は書かないと消えます。

Q. 比べる軸はいつ決めますか。

A. 見積を取る前です。決めずに集めると、届いた見積の形式に引きずられて比べられません。

Q. 安い見積をどう扱いますか。

A. 含まれていない作業を確かめてください。初期の金額ではなく、三年で払う総額の列を台帳に足すと見え方が変わります。

Q. 断った相手の記録も要りますか。

A. 要ります。理由を一行残しておけば、次に声をかける相手を最初から絞れます。

まとめ

金額だけ残しても、なぜ決めたかは再現できません。所感まで書いてください。

比べる軸は、声をかける前に三つから五つ決めます。

台帳は一社一行。条件を出し直してもらったら、古い行も残します。

比べるのは初期の金額ではなく、三年で払う総額です。

繰り返し出すものから手作業を減らします。頻度の高いほうが、合計の時間は長い。