BUSINESS COLUMN
保険を使うかどうかの判断
公開 ・ 更新
小さな損害で使うと、翌年以降の負担が増えます。判断の材料、自己負担との比較、相談する先、記録の残し方を整理しました。
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駐車場で、社用車を柱にこすりました。
修理の見積は十五万円でした。保険で直せると思い、そのまま申請しました。翌年の更新で、保険料が大きく上がりました。三年分で見ると、自分で払ったほうが安かったことになります。判断する材料を持っていませんでした。
使うと何が変わるかを知る
その年だけの話ではありません。
変わるのは、翌年の等級が下がること、割引の率が下がること、元に戻るまで数年かかること、事故の種類で下がり幅が違うこと、据え置きになる事故もあること、他社に移っても引き継がれることです。
元に戻るまで数年かかります。翌年だけ高くなるのではありません。 三年分、五年分の差額で比べる必要があります。
そして、事故の種類によって下がり幅が違う点も押さえてください。
据え置きになる事故もあるため、種類の確認が要ります。
他社に移っても等級は引き継がれます。乗り換えでは逃れられません。
割引の率が下がる影響も、金額として試算してもらってください。

差額を計算してから決める
その場で決めない。
計算するのは、修理の見積、自己負担の額、保険で受け取れる額、使った場合の三年分の保険料、使わない場合の三年分、その差です。
保険会社に試算を頼んでください。使った場合と使わなかった場合の保険料を出してもらえます。
判断はその数字を見てからです。修理の見積だけでは決められません。
自己負担の額も、受け取れる額から差し引いて考えます。
三年分で足りない場合は、五年分まで出してもらってください。
その差が修理費を上回るなら、使わない判断になります。
報告と使用を分ける
連絡はしてください。
押さえるのは、事故の報告と保険の使用は別であること、まず連絡すること、使うかどうかは後で決めること、判断できる期間があること、相手がいる場合の扱い、取り下げの可否です。
報告と使用は別です。使わないつもりでも、まず連絡してください。
相手がいる事故では、こちらの判断だけで済まない場合があります。
使わずに済ませられるのは、自社の車だけが損傷したときが中心です。
判断できる期間も、保険会社に確かめておいてください。
取り下げの可否も、あわせて聞いておきます。
相手がいる場合は使う前提で考える
自己判断で示談しない。
押さえるのは、相手のけがや物への補償、過失の割合の判断、交渉を任せられること、その場で金額を約束しないこと、後から症状が出る場合、弁護士の費用の特約です。
相手がいるなら保険会社に任せてください。金額が小さく見えても、後から症状が出ることがあります。
自社で示談してしまうと、その後の補償が受けられません。
その場で金額を約束することも、避けてください。
過失の割合の判断も、専門の目が要る部分です。
弁護士の費用の特約も、付いているかを確かめておいてください。建物の傷みのほうは相手がいないぶん見落としがちで、(自由テキスト)のような調査を頼むと、風や雪による被害が対象に入るかを先に判断できます。

自己負担の設定を見直す
判断の頻度が変わります。
確かめるのは、現在の自己負担の額、保険料との関係、小さな損害の頻度、負担を上げた場合の保険料、そもそも使わない額の設定、車両ごとの違いです。
小さな損害で使わないと決めているなら、自己負担を上げてください。使わない前提の補償に保険料を払う必要はありません。
設定を上げるだけで保険料が下がります。
車両ごとに設定を変えられる場合もあります。
小さな損害の頻度も、過去の記録から確かめてください。
負担を上げた場合の保険料も、試算してもらいます。
社内の判断の基準を決める
その都度考えない。
決めるのは、判断する人、金額の目安、保険会社に試算を頼む手順、相手がいる場合の扱い、報告の経路、記録です。
金額の目安を決めておいてください。「十万円以下は使わない」といった線があれば、現場が迷いません。
相手がいる場合は例外として、必ず保険会社に相談する形にします。
報告の経路も、事故の当日に動ける形にしておいてください。
判断する人も、金額によって分けておきます。
試算を頼む手順も、書き出しておくと迷いません。建物の被害で判断が付かないときに見てもらう先として、(自由テキスト)のような申請の支援を社内の手順に書き添えておくと、抱え込まずに済みます。
記録を残す
次の判断に使います。
残すのは、事故の日と場所、損害の内容、修理の費用、保険を使ったかどうか、その理由、保険料への影響です。
使わなかった理由も残してください。判断の基準が正しかったかを、後から検証できます。
同じような事故が続くなら、運転の教育や動線の見直しにつながります。
保険料への影響も、翌年の更新で確かめて書き足してください。
修理の費用も、実際にかかった額を記録します。
事故の日と場所も、傾向を見るために必要です。
事故そのものを減らす
保険の話の前にあります。
確かめるのは、事故の起きた場所、時間帯、運転していた人、繰り返している箇所、駐車場の区画や動線、運転の教育です。
同じ場所で繰り返していないか見てください。柱や壁への接触は、区画の広さや動線に原因があることが多くあります。
運転の注意だけでは減りません。
時間帯も、疲労の影響として見ておいてください。
運転していた人も、偏りがあれば個別に話します。
区画や動線は、区画線や反射材で改善できる場合があります。
判断の基準があるだけで、現場の負担は大きく減ります。事故の直後に金額の計算をさせるのは、酷な話です。
基準は年に一度見直してください。保険料の水準も、車両の構成も変わります。
よくある質問
Q. 使うと何が変わりますか。
A. 翌年の等級が下がり、元に戻るまで数年かかります。三年分の差額で比べてください。
Q. どう判断しますか。
A. 保険会社に、使った場合と使わない場合の保険料を試算してもらってください。
Q. 報告しないほうがよいですか。
A. 報告と使用は別です。まず連絡してください。使うかどうかは後で決められます。
Q. 相手がいる場合は。
A. 保険会社に任せてください。自社で示談すると、後から症状が出たときに補償が受けられません。
まとめ
元に戻るまで数年かかると知ってください。翌年だけではありません。
三年分の差額を試算してもらってから決めること。
報告と使用は別で、まず連絡すること。判断は後で足ります。
相手がいるなら保険会社に任せてください。示談は避けます。
そして、金額の目安を社内の基準として決めること。
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