暮らしと仕事のヒント

暮らし・仕事・サービス選びに役立つ実用コラム

BUSINESS COLUMN

インフラ担当を社内で育てる。任せる順序と外部に残す範囲

公開 ・ 更新

サーバーやネットワークを見る担当を未経験から育てるとき、何をどの順で任せるか。資格の扱いと、外部に委ねたままにする範囲を整理します。

本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれています。

サーバーもネットワークも、外部の会社に任せきりです。障害のたびに連絡して待つだけで、こちらから確認することもできません。社内に一人は分かる人を置きたいのですが、経験者は採れませんでした。

インフラの担当を社内で育てる判断は現実的です。ただし、何を任せ、何を外部に残すかを決めないまま進めると、危険な状態になります。この記事では順序を整理します。

そもそも全部を社内に持つ必要はない

役割を分けます。

社内に置くべきなのは、現状を把握していること、外部への依頼内容を組み立てられること、提案の妥当性を評価できること、障害時に状況を説明できること、費用が適正かを判断できることです。

目指すのは「全部できる人」ではなく、「任せ方を決められる人」です。ここを取り違えると、育成の目標が過大になります。

現状の把握とは、何がどこで動いているかを知っている状態です。ここが最も基本になります。

外部に残してよいのは、夜間や休日の監視、高度な設計、機器の物理的な作業、専門性が高く頻度が低い作業です。

これらを社内で持とうとすると、体制も費用も見合いません。

作業まで全部を内製する必要はありません。判断が社内でできれば、外部への依頼は適切に組み立てられます。

配線されたネットワーク機器

誰を担当にするか

適性で選びます。

候補になるのは、社内の問い合わせ対応をしている人、業務システムの窓口をしている人、開発の経験がある人、几帳面で記録を残せる人です。

業務システムの窓口をしている人は、業務を知っている強みがあります。

向いている特性は、手順どおりに作業できること、分からないことを分からないと言えること、記録を残す習慣があること、慌てないことです。

「分からないと言える」ことは、この領域では特に重要です。推測で操作すると、被害が拡大します。

向いていない特性は、確認せずに操作してしまうこと、分からないまま進めること、記録を残さないことです。

技術の知識よりも、この姿勢の部分で選んでください。知識は学べますが、慎重さは短期間では変わりません。

任せる順序

四段階に分けます。

第一段階は、見えるようにする段階です。本番を触らず、機器と契約の棚卸し、構成図の作成、監視の画面を見る習慣、障害の連絡を受けて記録することを行います。

第一段階に時間をかけてください。棚卸しと構成図がないまま操作を覚えさせると、影響範囲が分からないまま触ることになります。

第二段階は、手順のある作業です。アカウントの作成と削除、バックアップの確認、手順書がある定型の設定変更、軽微な障害の一次対応を任せます。

第三段階は、判断が要る作業です。外部への依頼内容の組み立て、提案の評価、費用の見直し、変更の影響範囲の検討に進みます。

第四段階は設計です。小規模な構成の設計、更新計画の作成を任せます。

段階を飛ばさないでください。第二段階の手順書がないまま第三段階に進むと、判断の根拠が本人の記憶しかない状態になります。

安全を確保する仕組み

事故を前提に設計します。

決めるのは、本番環境で一人で操作してよい範囲、二人で確認する作業の定義、作業前の記録、戻せることの確認、作業の時間帯、緊急時の連絡先です。

戻せる状態を確認してから操作する習慣をつけてください。バックアップと設定の控えがあれば、多くの事故は復旧できます。

作業前には、何をするかと戻し方を記録させてください。書けない作業は、まだ任せる段階ではありません。

業務時間外にする作業も決めておきます。影響が出ても、被害を小さくできます。

緊急時の連絡先も、外部の支援先を含めて明示してください。

外部との契約は、社内で育てる間も続けてください。育成中に外部を切ると、事故時に対処できません。

サーバーの内部部品

学習と資格の扱い

手を動かす環境が要ります。

学習の手段は、検証用の機器や環境、書籍と教材、講座やスクール、資格の学習です。

壊してよい環境がないと、覚えられません。本番しか触れない状態では、慎重になりすぎて何も学べません。

この領域には体系的な資格があり、学習の順序を示してくれるという利点があります。

ただし、資格があっても実務ができるとは限りません。到達の目安として使ってください。

支援の形は、受験料と教材費の負担、業務時間内の学習時間、外部の研修への参加です。

業務時間内の学習時間を確保してください。通常業務に押されると、学習は後回しになります。社内に教えられる人がいない領域は外に出すしかないので、インフラエンジニア始めるならネットビジョンアカデミー のようにインフラの基礎を体系で扱う研修に、期間を区切って入れる形が現実的です。

一人にしない

孤立しやすい役割です。

やるべきなのは、記録を残す運用を最初から入れること、外部の支援先を維持すること、上長が業務量を把握すること、二人目を計画すること、休める体制を作ることです。

二人目を早めに検討してください。一人で回している状態は、その人が辞めた瞬間に破綻します。

記録を残す運用も、最初から入れてください。作業の履歴、設定の控え。後から始めると、既存の分が残りません。

上長は技術が分からなくても、業務量と優先順位は判断できます。稼働の把握だけでも行ってください。

属人化も防いでください。その人しか分からない状態になると、退職時に事業が止まります。

手順書を作らせることを、業務として評価してください。評価されない作業は後回しになります。二人目が社内で見つからないときは、ネットワークエンジニア始めるならネットビジョンアカデミー のようにネットワークの研修と就業の紹介がつながっている先から採る道もあります。

外部採用との比較

三つの道があります。

社内で育てる形は、業務を知っている強みがあり、費用も抑えられます。ただし判断できるまで一年から二年かかり、育てた後に辞めるリスクもあります。

経験者を採用する形は、立ち上がりが速くなります。一方で報酬と競争が厳しく、自社の事情を知るまで時間が要ります。

外部に委託し続ける形は、社内の負担が最小です。ただし費用が積み上がり、判断を外部に依存することになります。

業務委託で週に数日入ってもらう形は、立ち上げ期には現実的です。

判断の目安は、急ぐなら採用か業務委託、時間があるなら社内育成です。

育成と外部委託の併用が最も現実的になります。外部に作業を任せながら、社内の担当が判断の力をつけていく形です。

よくある質問

Q. どれくらいで任せられますか。

A. 手順のある作業なら半年、判断が要る作業には一〜二年を見込んでください。棚卸しと構成の把握に時間をかける前提です。

Q. 資格は取らせるべきですか。

A. 学習の順序を示してくれる利点があります。ただし到達の目安として使い、評価の全部にはしないでください。

Q. 外部の契約は減らせますか。

A. 育成中は減らさないでください。事故時に対処できなくなります。判断できるようになってから、範囲を見直してください。

Q. 一人で足りますか。

A. 短期的には回りますが、その人が辞めると止まります。二人目か外部の支援先を必ず維持してください。

まとめ

目指すのは「全部できる人」ではなく「任せ方を決められる人」であること。

第一段階の棚卸しと構成図に時間をかけること。影響範囲が分かります。

戻せることを確認してから操作する習慣をつけること。

育成中に外部の契約を切らないこと。事故時に対処できません。

そして、記録を残す運用を最初から入れ、二人目を早めに計画すること。