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BUSINESS COLUMN

機密書類をどう捨てるか。裁断・溶解・回収を比べる

公開 ・ 更新

シュレッダーが追いつかない。処分方法の比べ方と、外に任せるときに確認することを順に見ていきます。

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保存期間を過ぎた書類が、倉庫に段ボールで積み上がっています。顧客の名簿や見積書も混ざっています。

事務所のシュレッダーで少しずつ処理していますが、まったく追いつきません。近くのごみ集積所にそのまま出すわけにもいきません。どう捨てればよいのかが分かりません。

捨て方より先に、捨ててよいかを確かめる

まだ持っていなければならない書類が、混ざっています。

確かめるのは、法令で保存の期間が決まっているもの、取引先との契約で保存を約束しているもの、係争や調査の可能性があるもの、原本でなければならないもの、電子で残してあるものです。

法令で保存の期間が決まっているものがあります。種類ごとに期間が違います。

取引先との契約で保存を約束しているものもあります。契約書の条項に定めがある場合です。

係争や調査の可能性があるものは、期間を過ぎていても残す判断があります。

原本でなければならないものも確認します。写しでは代えられない書類があります。

保存期間の一覧を、先に作ってください。捨ててしまってから必要になった書類は、二度と戻りません。 積み上がった段ボールを前にすると、早く減らしたくなります。しかし、その中に必要な書類が混ざっていれば、取り返しがつきません。

そして、必要になるのは数年後です。税務の確認や、取引先との照会。そのときに「捨てました」では済みません。

書類の種類ごとに保存の期間を一覧にします。税理士に確認すれば、主なものは整理できます。この一覧が、今回だけでなく今後も使えます。

白い裁断紙

処分の方法を三つで比べる

量と中身によって、向いている方法が違います。

方法の違いは、自社で裁断する、回収してもらって溶かす、出張して目の前で処理してもらう、裁断の細かさ、費用の決まり方です。

自社で裁断するのは、少量を随時処理する場合に向きます。

回収してもらって溶かす方法は、大量の書類に向きます。箱ごと引き取ってもらえます。

出張して目の前で処理してもらう方法もあります。処理の様子を確認したい場合に選びます。

裁断の細かさも方法によって違います。復元の難しさに関わります。

箱を開けずに処理できるかどうかで、分かれます。中身を出す手間が、実際にはいちばん大きな負担です。 段ボール二十箱の書類を、一枚ずつ取り出し、とじ具を外し、機械に入れる。この作業に何日かかるかを考えます。

箱ごと引き取ってもらえる方法であれば、この作業がまるごと不要になります。封をした箱を渡すだけです。

見積もりを取る際に、「箱を開けずに処理できますか」と聞きます。この一点で、こちらの作業量がまったく変わります。

自社で裁断する場合の限界を知る

シュレッダーで全部を処理するのは、現実的ではありません。

限界になるのは、処理できる枚数、連続で使える時間、とじ具や付箋を外す手間、出た紙くずの量と置き場、作業する人の時間です。

処理できる枚数には限りがあります。一度に入れられる枚数が少なければ、時間がかかります。

連続で使える時間にも制限があります。一定時間で停止し、冷却が必要になる機種もあります。

とじ具や付箋を外す手間も無視できません。この作業が、裁断そのものより時間を取ります。

出た紙くずの量も相当になります。段ボール一箱分の書類が、袋数個分の紙くずになります。

人の時間を、費用に換算してください。半日を裁断に使うなら、外に出したほうが安いことがほとんどです。 シュレッダーは、すでに社内にあります。だから、費用がかかっていないように見えます。

しかし、作業する人の時間は費用です。半日で処理できるのが二箱なら、二十箱で五日かかります。その五日分の人件費と、外部に頼む費用を比べます。

多くの場合、外に出したほうが安く済みます。そして、その間その人は本来の業務ができます。判断の材料は、機械の有無ではなく時間の費用です。

同じ考え方は紙以外にも効きます。記憶装置が入ったままの古い端末なら、送るだけで消去と破壊まで済むパソコン無料処分サービス『送壊ゼロ』 に回すほうが、社内で分解するより早く、証明も残ります。

色の混ざった裁断紙

外に任せるときに確かめること

中身が中身なので、相手の選び方が重要です。

確かめるのは、運搬中の管理の方法、処理までの保管の場所と期間、処理を証明する書類が出るか、再委託があるか、秘密保持の取り決めです。

運搬中の管理の方法を確認します。施錠した車両か、封をした箱か。

処理までの保管の場所と期間も確認します。引き取ってすぐ処理するとは限りません。

処理を証明する書類が出るかも確認します。いつ、何箱を、どう処理したか。

秘密保持の取り決めも交わします。書面で残します。

再委託の有無を、確かめてください。任せた先がさらに別の会社に出している場合、把握できる範囲が一気に狭まります。 契約した相手が、実際の処理を別の会社に委託している。この場合、こちらが確認した管理の方法は、その先には及びません。

そして、再委託の事実は、聞かなければ分かりません。契約書に記載がないこともあります。

「再委託はありますか」と直接聞きます。ある場合は、委託先の名前と、そこでの管理の方法も確認します。契約に再委託の可否を明記しておけば、後から把握できます。

個人情報が含まれる場合

扱いが、一段厳しくなります。

気をつけるのは、どの書類に個人情報が含まれるか把握する、委託先の監督が求められること、処理が終わった記録を残すこと、社内での運搬中の管理、確認先です。

どの書類に含まれるかを把握します。顧客の名簿、応募書類、健康に関する記録。

処理が終わった記録も残します。証明書を受け取り、保管します。

社内での運搬中の管理も必要です。倉庫から車両まで運ぶ間も、管理の対象です。

要件については、所管の窓口や弁護士に確認できます。

委託した先を監督する責任が残ります。要件は個人情報保護委員会の窓口や弁護士に確認してください。 処理を委託しても、その事業者が適切に扱っているかを確認する責任は残ります。渡した時点で終わりにはなりません。

そして、委託先で漏えいが起きれば、委託した側の管理の責任が問われます。選定と監督が適切だったかが見られます。

契約の内容、確認の記録、証明書の保管。これらがそろっていることが、監督を果たした形になります。何を求められるかは、事前に確認します。

出す前の社内の運用を決める

倉庫に積み上がる前に、決めておくことがあります。

決めるのは、捨てる書類を入れる場所、そこに入れてよいものの基準、回収の頻度、机の上に放置しないこと、電子で残した後の紙の扱いです。

そこに入れてよいものの基準も決めます。保存期間を過ぎたもの、控えとして不要になったもの。

回収の頻度も決めます。箱がいっぱいになる前に処理します。

机の上に放置しないことも徹底します。処理待ちの書類が、机に積まれている状態が最も危険です。

電子で残した後の紙の扱いも決めます。残すのか、処分するのか。

施錠できる箱を、先に置いてください。処理を待つ間の書類が、いちばん無防備な状態にあります。 捨てると決めた書類は、扱いが雑になります。もう不要なものだという認識があるためです。

しかし、その中身は顧客の情報や取引の記録です。処理されるまでは、通常の書類と同じ管理が必要です。

投入口だけが開いた、施錠できる箱を置きます。入れたら取り出せない形です。これがあれば、机に積まれる状態も、倉庫に無造作に置かれる状態も避けられます。

同じ棚に溜まっている技術書や法令集は機密ではないので、裁断に回す必要はありません。大学教科書・専門書・医学書 専門買取サイト「専門書アカデミー」 のような専門書の買取に出せば、処分する量を減らしながら棚も空きます。

一度で終わらせず、周期にする

まとめて捨てる形を続けると、また積み上がります。

決めるのは、年に何回処分するか、その時期、担当、処分した記録の残し方、保存期間の一覧を見直す時期です。

年に何回処分するかを決めます。年一回か、半年ごとか。

担当も決めます。決まっていなければ、誰も動きません。

処分した記録の残し方も決めます。いつ、何を、どの方法で処分したか。

保存期間の一覧も、定期的に見直します。制度の変更があれば、期間も変わります。

決算や棚卸しの時期に、合わせてください。単独の作業にすると、忙しい年に飛ばされます。 「書類の処分」だけを予定に入れても、他の業務が忙しければ後回しになります。そして、一年飛ばせば、二年分が積み上がります。

決算の準備や棚卸しの時期は、もともと書類を確認する機会です。その流れで、期間を過ぎたものを分けられます。

既存の予定に組み込めば、忘れません。そして、書類を触る機会と処分の判断が同じ時期になるため、作業も効率的になります。

よくある質問

Q. 何から始めますか。

A. 保存期間の一覧を作り、まだ持つべき書類を分けることからです。捨ててから必要になった書類は戻りません。

Q. 自社の裁断で済ませられませんか。

A. 人の時間を費用に換算してください。二十箱で五日かかるなら、その人件費と外部の費用を比べます。

Q. 外に任せるときの確認点は。

A. 運搬中の管理、保管の期間、処理の証明、再委託の有無、秘密保持の取り決めです。再委託があると、確認の及ぶ範囲が狭まります。

Q. 処理を待つ間はどうしますか。

A. 施錠できる箱に入れてください。捨てると決めた書類は扱いが雑になり、待っている間がいちばん無防備です。

まとめ

捨て方より先に、捨ててよいかを確かめてください。

箱を開けずに処理できるかで方法を比べます。中身を出す手間が最大です。

自社で裁断する場合は、人の時間を費用に換算します。

外に任せるときは再委託の有無を確かめてください。

個人情報の取り扱いは弁護士や所管の窓口へ。監督の責任が残ります。