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BUSINESS COLUMN

紙に出す前に、PDFのまま済ませられないかを考える

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印刷代が減らないのは、紙に出す前提のままだからです。ファイル形式を変換して配る、ソフトの設定で用紙を減らす、参考書や技術書は電子書籍で持つ。順に並べました。

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刷った紙を配って、会議が終わると回収箱に戻ってくる。ほとんどのページはめくられてもいない。それでも次の会議でまた同じ枚数を刷る。誰も決めていないから、去年と同じ枚数のままになっている。

印刷にかかる費用は、単価を下げても大きくは減らない。減るのは、刷らないと決めたときだ。紙に出す前提そのものを一度外してみる。

刷った紙の大半は、読まれずに捨てられる

配布物の枚数は、人数から決めていることが多い。参加する人が十人だから十部。実際に手元で書き込む人は二人か三人で、残りは画面でも足りている。

まず一度、刷らずに配ってみる。困った人が何人いたかを数える。困った人がいなければ、その資料はもう刷らなくていい。困った人がいたなら、その人のぶんだけ刷る。

家でも同じことが起きている。取扱説明書、保証書、申込の控え。念のために刷ったものが、引き出しの中で何年も眠っている。

無地の紙

出す前に、画面で済むかを判断する

刷るかどうかの分かれ目は三つある。手で書き込むか、持ち出して電波の無い場所で見るか、相手が紙でしか受け取らないか。どれにも当たらないなら、画面で足りる。

書き込みたいだけなら、注釈を付けられるアプリで代わりになることが多い。紙に書いた注釈は、後で探せないという弱点もある。

相手が紙でしか受け取らない場合だけは、素直に刷る。そこで粘っても関係が悪くなるだけで、費用は大して変わらない。

ファイル形式をそろえて配る

配る側でつまずくのは、開けないという苦情だ。編集用の形式のまま送ると、相手の環境で崩れる。配るときはPDFに変換して、見た目を固定する。

複数のファイルを送るなら、一つにまとめてから送る。ページの順番も、こちらで決めておく。受け取った側が並べ替える手間を、そのまま費用だと考える。

使っているソフトのライセンスも、この機会に数えておく。人数ぶんあるか、逆に使っていない契約が残っていないか。

用紙とインクの減らし方

両面にする、二ページを一枚に収める、白黒にする。この三つを既定にするだけで、使う枚数はかなり落ちる。一枚ずつ判断させると、忙しい日に元へ戻る。

刷り直しも見えない費用だ。向きを間違えた、余白がずれた、最後の一行だけ次のページに落ちた。刷る前に確かめる手順が無いと、毎回これが出る。

どうしても刷る枚数が減らないなら、(自由テキスト)のように印刷の前に面付けやプレビューを整えるソフトを一枚かませて、刷り直しの分を落とす手がある。

経年した紙の面

手元の本と資料をどこに置くか

紙を減らす話は、蔵書にもつながる。棚に入りきらない本が机の周りに積み上がっているなら、置き場所の問題であって読む量の問題ではない。

一年開いていない本は、次の一年も開かない可能性が高い。処分するかどうかは別として、手の届く場所から動かすだけで机が広くなる。

参考書と技術書は電子で持つか

調べ物のために資料を読むなら、電子書籍のほうが速い。語句で探せるからだ。通しで読む本は紙のほうが頭に入る、という人も多い。両方あってよい。

版が改まる種類の本は、電子で持つと差し替えが楽になる。制度や規格が変わるたびに買い直す参考書は、その典型だ。

紙のまま持ちたいものもある

全部を電子にする必要はない。手に取る回数の多い本、書き込みながら使う本は紙のほうが向いている。持ち歩く一冊があるなら、それは残す。

紙で持ち歩く本が傷むのが嫌なら、(自由テキスト)のようなカバー専門の通販でサイズの合うものを一枚用意しておくといい。

決めたことを共有の場所に書く

既定を両面と白黒にした、この資料は刷らない、この配布物だけは人数ぶん刷る。決めたことを一枚に書いて、印刷機のそばに貼る。

半年後に見直す日も一緒に書いておく。決めっぱなしにすると、いつのまにか元の枚数に戻っている。

郵送と発送の手間も一緒に見る

刷った紙は、たいてい封をして送ることになる。ここで切手や封筒の在庫を管理する仕事が発生する。刷る枚数が減れば、この仕事も一緒に減る。

送る必要が本当にあるかも一度疑う。控えとして送っているだけの書類は、画面で確認してもらう形に変えられることが多い。相手が同意すれば、その日から不要になる。

どうしても紙で送るものは、まとめて週に一度にする。都度出しに行く時間のほうが、送料より高くつく。

金券に近いものを扱うなら、置き場所と払い出しの記録だけは残す。数える周期を決めておかないと、いつのまにか合わなくなる。

保管する紙と、捨てる紙を分ける

残す義務のある書類と、手元の都合で刷っただけの紙は、同じ棚に置かない。混ぜて置くから、どちらも捨てられなくなる。

年に一度、期限の切れたものを抜く日を決める。抜く日が決まっていれば、棚が足りないという理由で新しい棚を買わずに済む。

抜いた紙は、中身によって捨て方を変える。個人の情報や取引の金額が載っているものは、そのまま資源ごみに出さない。溶かすところまで請け負う業者に頼むか、細かく裁断してから出す。

よくある質問

Q. 何から手を付けますか。

A. 会議の配布物です。刷らずに配ってみて、困った人の数を数えてください。だいたい想像より少ない数字が出ます。

Q. 配ると崩れると言われます。

A. 編集用の形式のまま渡しているからです。PDFに変換してから送れば、相手の環境に関係なく同じ見た目になります。

Q. 本は電子と紙のどちらがよいですか。

A. 調べるために読むなら電子、通しで読むなら紙が向きます。同じ本を両方で持つ必要はありません。

Q. 続きません。

A. 一枚ずつ判断させているからです。両面と白黒を既定にして、例外だけ申請させる形にしてください。

まとめ

印刷の費用は、単価ではなく枚数で決まる。刷らずに配ってみる、画面で済むかを三つの条件で判断する、ファイル形式をそろえて送る。手元の資料や参考書は電子に寄せ、残す一冊だけ紙で持つ。それで十分に落ちる。

紙をやめること自体が目的ではない。目的は、要らない作業を減らすことだ。刷る、束ねる、封をする、出しに行く、保管する、捨てる。一枚の紙には、この六つの作業がぶら下がっている。刷らないと決めた瞬間に、その六つがまとめて消える。単価の交渉より、こちらのほうがずっと効く。