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BUSINESS COLUMN

共有フォルダの容量が増え続ける。消す前に決めること

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保存容量が足りず追加購入を毎年繰り返している。何が容量を食っているかの数え方と、消してよいもの・残すものの線引きを先に決める手順をまとめます。

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共有フォルダの空きが少ないという警告が出て、追加の容量を購入しました。それが三年で四回目です。毎回、購入の稟議を通すときに「何が容量を使っているのか」を聞かれ、毎回答えられないまま承認されています。増やせば当面は困らないので、原因を調べる機会が来ません。

容量は、増やすほど中身が見えなくなります。誰も消さなくなり、探す時間だけが伸びていく。追加を止める必要はありませんが、その前に一度だけ、何が入っているのかを数えてください。ここでは、その数え方と、消してよいものの線引き、そして置き場所を分ける考え方を扱います。

大きいものから上位五十件を出す

最初にやるのは、容量を使っている順に並べることです。フォルダ単位でも、ファイル単位でも構いません。上位五十件を出すだけで、全体の半分以上を占めているものが見つかります。

多くの会社で上位に来るのは、動画、写真の元データ、設計や図面のファイル、そして古い業務システムのバックアップです。特にバックアップは、自動で毎日作られて何年も残っていることがあります。誰も消す判断をしていないだけで、実際には直近の数世代しか使われていません。数えると、それだけで数割の空きが出ることがあります。

紺色のホチキス

消してよいものの線引きを先に決める

数えたら、次は消す判断です。ここを個人の裁量に任せると誰も消しません。会社として、消してよいものの条件を先に決めてください。

たとえば、終わった案件の作業用データは完了から一年、自動生成されたバックアップは直近三世代、写真や動画の元データは納品後の保管期限を決める、という形です。契約書や請求に関わる書類は保存の年限が別に決まっているので、それらは対象から外します。判断が分かれる領域については、税理士や顧問に一度確認してから条件を決めておくと、後で揉めません。

消すのではなく、サーバとクラウドに置き場所を分ける

すべてを消す必要はありません。よく使うものと、めったに使わないが残すものを、別の場所に分けるだけでも十分に効きます。日常の共有フォルダには直近の案件だけを置き、それ以外は別の保管場所へ移す。

移す先は、社内のサーバでも、クラウドのホスティング領域でも構いません。自社サイトや業務システムを動かしているサーバに余裕があるなら、そこへ寄せる手もあります。作業する環境ごとクラウドに置いている会社なら、仮想デスクトップサービス『XServer クラウドPC』 のような形で作業用の環境と保管の領域を分けておくと、手元の共有フォルダを軽く保てます。分けるときに大事なのは、移した先の場所と探し方を全員に伝えることです。伝えないと、無いものとして扱われます。

白と赤のホチキス

個人のフォルダを見落とさない

共有フォルダばかりを見て、個人ごとの領域を見落とすことがあります。実際には、そこに大きなファイルが眠っていることが多いです。過去にダウンロードした資料、自分用に複製した写真、外部から受け取ったデータ。

個人の領域は他人が見にくいため、本人に確認してもらう形になります。四半期に一度、自分の領域の上位十件を見て不要なものを消す時間を、業務として取ってください。数分で終わりますし、全員でやると効果はまとまった大きさになります。作業用の環境をサーバ側に置いている場合は、自由テキストのような仕組みで割り当てを個別に管理でき、誰がどれだけ使っているかも把握しやすくなります。

同じファイルが何か所にもある状態を減らす

容量を食う原因として意外に大きいのが、同じファイルの複製です。メールで受け取った添付を自分の領域に保存し、共有フォルダにも置き、案件のフォルダにも置く。三つとも残ります。

これを完全に無くすのは難しいので、原本の置き場所を決めることから始めてください。原本はここ、と決めておけば、複製が残っていても消す判断ができます。原本がどこか分からない状態だと、どれも消せません。案件ごとのフォルダ構成をあらかじめ決めておくと、置く場所で迷わなくなります。

増やす判断も、数えてからにする

数えて消して分けても足りないなら、そのときは増やせばよいのです。ただし、増やす前に数えたという事実が残っていれば、次の稟議は通りやすくなります。何が容量を使っていて、どこまで減らしたうえで足りないのか、を説明できるからです。

増やす方法にも選択肢があります。今の契約の中で追加する、別の保管場所を借りる、あるいは古いデータだけを安価な保管先に移す。使う頻度が低いものほど、安い場所に置ける仕組みがあります。全部を同じ速さの場所に置く必要はありません。

誰が判断するのかを決める

整理が続かない最大の理由は、消す判断をする人がいないことです。作った人が異動していると、残った人は消せません。結果として増え続けます。

部署ごとに一人、消してよいと決められる人を置いてください。判断に迷ったときだけ関係者に確認する形にすれば、判断が止まりません。あわせて、消す前に一か月だけ別の場所へ移して様子を見る、という段階を挟むと、心理的な抵抗が下がります。

半年に一度、同じ手順で回す

一度整理しても、半年後にはまた増えます。作業を定例にしてください。上位五十件を出す、条件に当てはまるものを移す、個人の領域を各自が見る。この三つを半年に一度行うだけです。

初回は半日から一日かかりますが、二回目以降は二時間ほどで終わります。定例にしておくと、追加購入の稟議のときに「先月整理したうえで足りません」と言えるようになります。数字を持って説明できることの効き目は、思っているより大きいものです。

よくある質問

Q. 何から消すのがいちばん効きますか

A. 自動で作られたバックアップの古い世代です。判断が単純で、量も大きい。次が終わった案件の作業用データ、その次が写真や動画の元データです。契約や請求に関わる書類は保存の年限があるため、対象から外してください。

Q. 消した後に必要だと言われたら困ります

A. 消す前に一か月だけ別の場所へ移し、問い合わせが無ければ削除する段階を挟んでください。この一段があるだけで、判断する側の負担がかなり減ります。移した場所は一覧にして残しておきます。

Q. 容量を増やすのと整理するのと、どちらが安いですか

A. 容量の追加は年に数万円程度で済むことが多く、整理に人を何日もかけるなら増やすほうが安い場合もあります。ただし整理しないと探す時間が増え続けます。半年に一度、二時間で回る形を作るのが現実的な落としどころです。

Q. 個人の領域まで会社が管理してよいですか

A. 会社が貸与している領域であれば、使用量の把握や整理の依頼は通常の業務範囲です。ただし中身を無断で閲覧するのとは別の話なので、使用量の確認と本人による整理という形にしてください。運用のルールは事前に周知しておきます。

まとめ

容量を増やし続けると、中身がますます見えなくなります。増やす前に一度だけ、何が入っているかを数えてください。

数え方は単純で、容量の大きい順に上位五十件を出すだけです。自動のバックアップと終わった案件の作業用データで、たいてい大半が説明できます。

消す判断は個人に任せず、会社として条件を決めます。保存の年限が定められている書類は対象から外し、迷う領域は専門家に確認してください。

すべてを消す必要はありません。よく使うものとそうでないものを別の場所に分けるだけで、日常の使い勝手は変わります。

そして、消してよいと決められる人を置き、半年に一度の定例にしてください。二回目からは二時間で終わり、追加購入の説明もできるようになります。