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BUSINESS COLUMN

値上げをどう伝えるか。理由と時期を先に整理する

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原価が上がったのに価格を据え置いている。伝える時期、示す理由、相手ごとの進め方、断られたときの選択肢を判断の順に追います。

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仕入の値段が三年で上がり、運賃も上がりました。それでも販売の価格は五年前のままです。

担当者に理由を聞くと、「言い出しにくい」「切られるかもしれない」という答えが返ってきました。利益はほとんど残っていません。伝えなければならないのは分かりますが、どう切り出せばよいのかが分かりません。

数字を先にそろえる

感覚では、相手を説得できません。

確認するのは、原価がいくら上がったか、運賃や人件費の変化、現在の利益率、取引先ごとの利益率、いつから価格を変えていないかです。

原価は、品目ごと、期間ごとに出します。全体の平均では説明になりません。

運賃や人件費の変化も確認します。原価に含まれない部分です。

いつから価格を変えていないかも確認します。期間の長さが、説明の材料になります。

整理することもあります。上げなければならない幅、上げたい幅との違い、相手ごとの状況。この三つです。

取引先ごとに利益率を出してください。全体では黒字でも、特定の相手で赤字になっていることがあります。 会社全体の利益率が五パーセントであれば、経営としては成り立っています。

しかし、その内訳を見れば、利益率が二十パーセントの相手と、赤字の相手が混在していることがあります。

赤字の相手を特定すれば、そこから優先して交渉できます。全社に一律で上げる必要もなくなります。この一覧が、交渉の順序と幅を決めます。

数字を確認する様子

時期を決める

いつ言うかで、受け取られ方が変わります。

考えるのは、相手の予算の時期、契約の更新の時期、業界の慣行、自社の決算の時期、告知から適用までの期間です。

契約の更新の時期も、切り出しやすい機会です。

業界の慣行も確認します。改定の時期が慣例で決まっている業界もあります。

自社の決算の時期も考慮します。期の初めから適用できる形が扱いやすくなります。

避けたい時期もあります。相手の予算が固まった直後、繁忙期の最中、トラブルが起きた直後。この三つです。

相手の予算が決まる前に伝えてください。決まったあとだと、相手の側でも動けません。担当者が理解しても、社内の枠に収まらなければ受け入れられません。

直前に伝えると、相手は社内の手続きが間に合いません。余裕を持った期間を置きます。三か月前が目安です。相手が社内で承認を得る時間を見込みます。

伝える内容を組み立てる

理由と、これからを示します。

伝えるのは、上げる幅と適用する時期、理由、これまで努力してきたこと、今後も続ける取り組み、相手にとっての意味です。

上げる幅と適用する時期を、最初に示します。曖昧にしません。

これまで努力してきたことも伝えます。すぐに転嫁していないこと。

今後も続ける取り組みも示します。一度上げて終わりではないこと。

理由の示し方も決めます。具体的な要因を挙げる、可能な範囲で数字を示す、一般論だけにしない。この三つです。

「諸般の事情により」だけでは伝わりません。何がどれだけ上がったかを示してください。示せる範囲で構いません。「主要な原材料が二年で三割上昇し、運賃も一割上がりました」。この程度でも、一般論とは受け取られ方が違います。

これまで吸収してきた経緯を伝えると、唐突な話ではないと受け取られます。「二年間は自社で吸収してきましたが、限界に達しました」。この一文が、相手の受け止め方を変えます。

原価と価格に関わる判断は、経理や税理士に確認してください。交渉のあいだ資金が持たない見込みなら、クラウドを用いたオンラインファクタリング|EasyFactor のような売掛金を先に現金化する手段も、条件だけは調べておくと、値上げの話を焦らずに進められます。

積み上げた通貨

伝え方を選ぶ

書面だけで、済ませないでください。

進め方は、主要な相手には直接会って説明する、その後に書面を出す、それ以外は書面と必要に応じて連絡、質問を受ける窓口を決めることです。

主要な相手には、直接会って説明します。

その後に書面を出します。説明した内容を文書で残します。

質問を受ける窓口も決めます。担当者以外からの問い合わせにも備えます。

用意することもあります。説明する内容をそろえる、想定される質問への回答、書面の文面。この三つです。

取引量の大きい相手には、書面より先に会って話してください。書面が先に届くと、話を聞いてもらえなくなります。「一方的に通知してきた」という印象が最初につけば、その後の説明も届きません。

言い出しにくい話です。上長や経営者が同席する形を用意します。担当者一人で行かせれば、その場で押し切られます。そして、担当者は日常的にその相手と接しているため、断りにくい立場にあります。

相手の反応に備える

すぐには、受け入れられません。

想定される反応は、他社と比べたいと言われる、時期を遅らせてほしいと言われる、幅を下げてほしいと言われる、取引の量を減らすと言われる、取引をやめると言われることです。

他社と比べたいと言われる場合もあります。時間を求められます。

時期を遅らせてほしいという要望も出ます。予算の都合です。

取引の量を減らすという反応もあります。全面的な拒否ではありません。

用意しておくこともあります。譲れる範囲と譲れない線、段階的に上げる案、量や条件を変えることで対応できる案、断られた場合の判断。この四つです。

譲れない線を先に決めてください。その場で決めようとすると、押し切られます。相手も交渉に慣れています。準備なく臨めば、こちらの当初の目標を大きく下回る結果になります。

一度に上げられない場合、時期を分ける案が受け入れられることがあります。ただし、いつまでにどこまで上げるかを明示します。「まず三パーセント、半年後にさらに三パーセント」と、両方を合意します。曖昧にすれば、二回目は改めて交渉になります。

取引を続けるかを判断する

すべての相手を維持する必要は、ありません。

考えるのは、その取引で利益が出ているか、かかっている手間、支払の条件、他に回せる余力があるか、関係の長さだけで判断していないかです。

かかっている手間も見ます。売上に対して、時間がかかりすぎていないか。

支払の条件も確認します。入金が遅ければ、資金繰りへの負担になります。

他に回せる余力があるかも判断します。その分の時間を別の相手に使えるか。

判断の材料もあります。受け入れられなかった場合その分の売上をどう埋めるか、その相手に割いている時間を他に回せるか、継続することで生じる負担。この三つです。

赤字の取引を、関係の長さだけで続けないでください。続けるなら、その理由を説明できる形にしてください。 「長い付き合いだから」という理由は、社内では通ります。しかし、その取引が赤字であれば、他の取引の利益で補っていることになります。

そして、その負担は他の相手や、自社の社員が引き受けています。

続ける判断自体は、あり得ます。将来の可能性、紹介の経路、業界での位置づけ。理由があれば構いません。しかし、その理由を言葉にできるかどうかが分かれ目です。言葉にできなければ、惰性です。

次に備える

今回で終わりにしないための、仕込みです。

やるのは、原価の変化を定期的に見る、見直しの時期を決める、契約に価格の見直しに関する取り決めを入れる、伝えた内容と反応を記録する、次回の材料にすることです。

原価の変化を定期的に見ます。四半期ごとが目安です。

見直しの時期も決めます。年に一度、価格を確認する機会を設けます。

伝えた内容と反応も記録します。次回の交渉で使えます。

契約に見直しの取り決めを入れておくと、次回は話が早くなります。新しい契約から順に入れてください。 「原材料の価格に著しい変動があった場合、双方協議のうえ価格を見直すことができる」。この一条があれば、次回は契約に基づく協議として切り出せます。

そして、突然の申し入れではなくなります。相手も想定しています。

既存の契約すべてに入れるのは難しくても、新しく結ぶ契約から順に入れます。数年かけて、すべての契約に行き渡ります。今回の苦労を、次回に持ち越さないための備えです。

改定の条項を入れても、入金までの期間が長い取引はそのまま残ります。手元の資金が薄くなる月が読めているなら、クラウドを用いたオンラインファクタリング|イージーファクター で手数料と入金までの日数を先に確かめておいてください。

よくある質問

Q. 何から準備しますか。

A. 取引先ごとの利益率です。全体では黒字でも特定の相手で赤字になっていることがあり、交渉の順序が決まります。

Q. いつ伝えますか。

A. 相手の予算が決まる前、三か月前が目安です。相手が社内で承認を得る時間を見込んでください。

Q. 理由はどう説明しますか。

A. 「諸般の事情により」だけでは伝わりません。「主要な原材料が二年で三割上昇」といった程度でも、受け取られ方が違います。

Q. 断られたらどうしますか。

A. 譲れない線を先に決めておいてください。相手も交渉に慣れており、準備なく臨めば当初の目標を大きく下回ります。

まとめ

先送りすると、あとで一度に大きく上げることになります。

取引先ごとに利益率を出します。赤字の相手から優先します。

相手の予算が決まる前に伝えます。三か月前が目安です。

「諸般の事情により」では伝わりません。何がどれだけ上がったかを示します。

譲れない線を先に決めてください。その場で決めれば押し切られます。