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社内のコミュニケーション研修をどう設計するか。目的と効果の測り方

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報告が上がってこない、認識のずれが多い。研修を入れる前に何を課題として定義するか、どんな形式が合うか、効果をどう測るかを整理します。

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「報告が上がってこない」「言ったつもりが伝わっていない」「部署をまたぐと話が止まる」。こうした声が続くと、コミュニケーション研修を入れようという話になります。

ただし、研修を入れれば解決するとは限りません。原因が仕組みにある場合、研修では変わらないからです。この記事では、研修を入れる前に何を課題として定義するか、どんな形式が合うか、効果をどう測るかを整理します。

まず、研修で解決する問題かを見極める

別の問題であることがあります。

分けるのは、仕組みの問題、評価と関係の問題、技能の問題、報告する場の有無、報告したときの反応、要点をまとめる力です。

研修で改善が期待できるのは技能の問題だけです。仕組みは作る、関係と負荷は変える。それ以外では解決しません。

仕組みの問題としては、報告する場が決まっていない、情報が個人の頭とメールの中にしかない、部署をまたぐ手続きが定義されていないことが挙げられます。

評価と関係の問題としては、報告すると叱られるので報告しなくなる、忙しすぎて相談する時間がない、上長が話しかけにくい状態にあることがあります。

技能の問題としては、要点をまとめて伝えられない、相手の状況を踏まえた説明ができない、書いた文章が長く要点が分からないことが該当します。

研修を入れても変わらなかった、という話の多くは、原因が仕組みか関係にあった場合です。

まず切り分けてください。

打ち合わせをしている様子

課題を具体化する

具体化しないと評価できません。

書き出すのは、誰と誰の間で起きているか、どの場面か、何が起きているか、その結果何が起きているか、頻度、影響の大きさです。

「コミュニケーションを改善したい」では、何をやっても評価できません。

誰と誰の間でかは、上長と部下、部署間、社内と顧客のどれかを特定します。

どの場面かも、報告、相談、依頼、断り、フィードバックのどれかを絞ってください。

何が起きているかも、情報が届かない、遅れる、意図が違って伝わる、と具体に書きます。

たとえば「部署をまたぐ依頼で、期限と優先度が伝わらず、手戻りが月に◯件発生している」。ここまで具体化できると、研修で扱う内容も、効果の測り方も決まります。

形式を選ぶ

形式ごとに向き不向きがあります。

比べるのは、集合研修、社内での勉強会、オンライン講座や通信教育、資格の学習、日常の運用への組み込み、強制力の強さです。

集合研修は、体系的な内容を短期間で扱えます。参加者の時間を揃える必要があります。

社内での勉強会は、自社の事例を扱えるのが利点です。進行役の負担があります。

オンライン講座や通信教育は、各自のペースで学べます。強制力が弱く、続かないことがあります。三時間ほどで初級と中級を修められる外出せず3時間で履歴書に書ける資格がとれる!伝え方コミュニケーション検定 のように終わりが見えている講座なら、続かないという弱点はある程度ふさげます。

資格の学習を目標にする形なら、到達点が明確になり進捗が見えます。取得の支援制度と組み合わせる形もあります。

日常の運用に組み込む形は、週次の一対一の面談や振り返りの場です。研修より地味ですが、継続的な効果があります。短期で共通の型を入れたいなら集合研修、根本的に変えたいなら日常の運用です。

研修で扱う内容の例

技能の問題として扱う場合です。

候補になるのは、報告の型、依頼の仕方、質問の仕方、フィードバックの伝え方、書く技術、聞く技術です。

報告の型と依頼の仕方は、社内で共通の形式を決めるだけでも効果があります。研修を入れる前に、これだけやってみる価値があります。

報告の型は、結論から言う、事実と意見を分ける、期限と依頼を明示する。型を共有するだけで、報告の質が揃います。

依頼の仕方は、何を、いつまでに、どの程度の品質で。優先度の伝え方も含みます。

質問の仕方は、何が分からないかを言語化することです。未経験者の受け入れでも効きます。

フィードバックの伝え方は、事実に基づいて、具体的に、行動に対して行います。書く技術と聞く技術も、業務の場面に絞って扱ってください。

効果をどう測るか

測らないと続ける根拠がなくなります。

見るのは、行動の変化、受講者の自己評価、周囲の評価、業務の指標、三か月後の状態、半年後の状態です。

行動の変化としては、報告の形式が揃ったか、依頼に期限と優先度が書かれるようになったか、手戻りの件数が減ったかを見ます。

受講者の自己評価も、研修の前後で何ができるようになったかを聞いてください。

周囲の評価も、上長や同僚から見て変化があったかを確かめます。

業務の指標としては、手戻り、対応の遅れ、問い合わせの重複を見てください。

一回の研修で劇的に変わることはありません。三か月後、半年後に確認して、定着しているかを見てください。

研修やセミナーの会場

定着させる工夫

日常に戻ると元通りになりがちです。

やるのは、型をテンプレートにする、上長が先に実践する、振り返りの場を作る、新しく入った人にも共有する、繰り返す、道具を変えることです。

型をテンプレートにすることが最も効果的です。行動を変えるより、道具を変えるほうが早いことがあります。

報告や依頼のフォーマットを、実際に使うツールに用意してください。テンプレートを用意するだけで、書かれる内容が揃います。

上長が先に実践することも必要です。上が変わらないと、下も変わりません。

振り返りの場も、月に一度、うまくいった例と困った例を共有する形で作ります。

新しく入った人にも共有してください。研修を受けた人だけが実践する状態だと、時間とともに薄れます。人によって伝わり方が違う理由から入りたいなら、性格の傾向ごとに対策を示す性格統計学で学ぶ!あなたのコミュニケーション傾向と具体的対策 を、後から入った人の入口として案内する手もあります。

よくある質問

Q. 全員に受けさせるべきですか。

A. 課題が特定の層にあるなら、その層に絞ったほうが効果的です。全員向けの研修は、内容が一般的になりがちです。

Q. 外部講師と社内での実施、どちらがよいですか。

A. 体系的な内容は外部、自社の事例を扱うなら社内。組み合わせる形もあります。

Q. 効果が出ない場合は。

A. 原因が技能ではなく、仕組みや関係にある可能性があります。研修を繰り返す前に、原因の切り分けをやり直してください。

Q. 費用の目安は。

A. 形式によって大きく変わります。まず日常の運用の見直しから始めれば、費用をかけずに効果が出ることもあります。

まとめ

仕組み・関係・技能のどれが原因かを切り分けること。

課題を「誰と誰の間で、どの場面で、何が起きて、結果どうなるか」まで書くこと。

短期で型を入れるなら集合研修、根本的に変えたいなら日常の運用。

三か月後と半年後に定着を確認すること。一回では変わりません。

そして、研修の前に報告と依頼の共通フォーマットを用意すること。