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BUSINESS COLUMN

学び直しが個人任せになっている。仕組みに変える手順

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やる気のある人だけが伸びる状態は、その人が辞めた日に終わります。学ぶ内容の決め方、時間の作り方、続いたかどうかの見方をまとめました。

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新しい道具や決まりを取り入れるとき、いつも同じ人が調べてくる。その人が試し、周りに教え、社内に広がる。助かってはいるが、その人がいなくなったら何も進まなくなる。

学ぶかどうかを個人の意欲に任せていると、伸びる人と伸びない人の差が開く。差が開いたまま何年か経つと、特定の人にしか頼めない仕事が増える。本人の負担も増え、周りは頼るばかりになる。これは意欲の話ではなく、仕組みが無いことの結果になる。

何を学ぶ必要があるかを決める

学び直しを仕組みにする、と言っても、何を学ぶかが決まっていなければ始まらない。まず、社内で足りていない技能を挙げる。

挙げ方は簡単で、いま特定の人にしか頼めない仕事を並べる。それがそのまま、足りていない技能の一覧になる。

  • 一人しかできない作業
  • 外に頼んでいて社内に無い技能
  • これから必要になりそうなもの
  • 全員が最低限持つべきもの
  • 持っていると仕事の幅が広がるもの

全部を埋める必要はない。一つ目と四つ目から手を付けると、効果が早く出る。

外に頼んでいる作業を社内に取り込むかどうかは、金額で判断する。年間の外注費が、学ぶための費用と時間を上回っているなら検討の価値がある。

決めた内容は、公開する。何を学ぶと評価されるのかが見えていないと、本人も動きようがない。

一覧は、年に一度見直す。事業の中身が変われば、必要な技能も変わる。三年前に作った一覧のまま続けていると、要らないものを学び続けることになる。

リボンのかかった箱

時間をどう作るか

業務時間外でやってくれ、という形にすると、意欲のある人だけが伸びる。それでは今と変わらない。

業務時間の中に置く。週に一時間でも、決まった時間があるかどうかで続き方が違う。

時間帯も決めておく。空いたときにやる、では埋まらない。金曜の午後など、割り込みの少ない時間を選んで固定する。

  • 週に決まった時間を取る
  • 繁忙期は止めてよいことにする
  • 月に一度、進み具合を話す場を作る
  • 費用は会社が持つ範囲を決める
  • 成果を評価にどう反映するか決める

止めてよいと決めておくことが、実は大事になる。忙しい月に無理に続けさせると、そのまま終わる。

止めた月があっても、再開する日を決めておく。予定表に入れておけば、そのまま自然消滅することがない。

実務に近いものから始める

一般的な研修より、いま困っている作業に直結するもののほうが続く。学んだ翌日に使えると、本人も効果を感じる。

(自由テキスト)のように業務の自動化を実際に手を動かしながら覚える形なら、学んだことがそのまま仕事に返る。座学だけで終わる形より、身につく速さが違う。

始めるときは、一つの作業に絞る。全部を効率化しようとせず、いちばん時間のかかっている作業を一つ選ぶ。

選ぶのは、本人がやっている作業がいい。他人の作業を効率化しようとすると、実態が分からないまま作ることになる。自分の手間が減れば、続ける理由も生まれる。

基礎が要る場合

道具の使い方だけでは行き詰まる場面もある。仕組みそのものを理解しないと、応用が利かない。

【PyQ】if文から学ぶ、積み上げ式Python機械学習のように基礎から順に進められる形なら、独学で挫折しやすい部分を越えやすい。学ぶ順番が決まっていること自体が、続ける助けになる。

全員に基礎まで求める必要はない。社内で一人か二人、深く分かる人がいれば足りることが多い。

深く学ぶ人には、その分の時間を多めに割く。全員に同じだけ配ると、どちらも中途半端になる。役割を分けたほうが、社内全体としては早く進む。

包装された箱

学んだことを社内に戻す

一人が学んで終わると、その人に依存する形が強まるだけになる。学んだ内容を、社内に戻す工程を組み込む。

月に一度、十五分でいい。何を学んで、何ができるようになったかを話してもらう。聞く側にも、次に何を学ぶかの材料になる。

発表の場にしないほうがいい。準備が要る形にすると、それ自体が負担になって止まる。雑談に近い温度で足りる。

書いたものを残す形にすると、後から入った人にも届く。話すだけだと、その場にいた人にしか残らない。

残す場所は一つに決める。手順書と同じ場所でいい。学んだ記録だけ別の場所にあると、探されなくなる。

続いているかを見る

始めて三か月で、続いているかを確かめる。止まっているなら、時間が取れていないのか、内容が合っていないのか。

止まった理由を本人のせいにしない。時間を業務の中に置けていないことが原因であることが、ほとんどになる。

上司の側が優先度を下げていることも多い。急ぎの仕事が入るたびに学ぶ時間が消えるなら、それは本人ではなく割り振りの問題になる。

評価との結びつけ方

学んだことを評価に入れるかどうかは、慎重に決める。入れると本気になる一方、形だけ受講する人も出る。

修了したかどうかではなく、実際の仕事で使えたかで見る。使った場面を一つ挙げてもらう程度でいい。

使えなかった場合も、学んだこと自体は否定しない。合わない内容だったと分かるのも成果になる。次に何を選ぶかの材料が増える。

辞めたときのことを考える

学んだ人が辞めることを心配して、投資をためらう会社がある。しかし、学べない会社のほうが人は辞める。

残るのは、学んだ内容が社内に戻っている場合だけになる。戻す工程を組み込んでおけば、辞めても全部は失わない。

費用を会社が持つ場合、辞めたときの扱いを決めている会社もある。ただ、縛りが強いと応募の段階で敬遠される。金額と期間の折り合いをよく考えたほうがいい。

よくある質問

Q. 何を学ばせればよいですか。

A. いま一人にしか頼めない作業を並べてください。それが、社内で足りていない技能の一覧になります。

Q. 業務時間内にやるべきですか。

A. 時間外に任せると、意欲のある人だけが伸びます。週に一時間でも業務の中に置いてください。

Q. 続きません。

A. 繁忙期は止めてよいと決めておいてください。無理に続けさせると、そのまま終わります。

Q. 学んだ人が辞めたら無駄になりませんか。

A. 学んだ内容を社内に戻す工程を組み込んでおけば、全部は失われません。学べない会社のほうが人は辞めます。

まとめ

学び直しが個人任せになっているのは、意欲の差ではなく仕組みが無いからだ。放っておくと、特定の人にしか頼めない仕事が増えていく。

一人にしか頼めない作業を並べ、そこから学ぶ内容を決める。週に一時間を業務の中に置き、繁忙期は止めてよいと明記する。実務に近いものから始め、学んだ内容を月に一度社内へ戻す。三か月後に続いているかを確かめ、止まっていたら時間の置き方から見直す。まずは、一人しかできない作業を書き出してみるといい。