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仕入れとガス料金が上がった。厨房まわりの費用を見直す

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原価が上がっても、値段はすぐには変えられません。電気代とガス料金という毎月の光熱費から手を付け、入金までの資金を確かめ、それから仕入れと値段の話に進みます。

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仕入れの伝票を見ると、去年と同じものが二割高い。同じ時期に、厨房のガスの請求も上がっている。それでも品書きの値段は、去年のままにしてある。

値段を上げるのは最後の手だ。その前に、毎月出ていく固定のものから手を付けたほうが早い。順番を追ってみる。

原価が上がっても、値段はすぐ変えられない

値段を変えるには、印刷物を直し、常連に説明し、通販の表示も直す必要がある。手間もかかるし、上げた直後は客足が揺れる。

だから、上げるかどうかを考える前に、上げずに済む余地がどれだけあるかを見る。余地が無いと分かってから上げれば、説明にも自信が持てる。

余地を探す順番は、動かしやすいものからだ。毎月おなじ額で出ていく固定のものが、いちばん動かしやすい。

卸売市場の建物の外観

何がいくら上がったかを出す

まず、去年と今年の同じ月を並べる。仕入れの合計、光熱費、人件費、その他。合計ではなく項目ごとに並べるのが大事だ。

並べると、上がっているものと変わっていないものが分かれる。全部が上がっている気がしていても、実際は二つか三つに集中していることが多い。

上がった額を売上で割ると、原価率の変化が出る。この数字が、後で値段を考えるときの土台になる。

入金までの資金を確かめる

仕入れの支払いと、売上が入る日がずれている業態は多い。原価が上がると、このずれの影響も大きくなる。

仕入れの支払いが入金より先に来るなら、クラウドを用いたオンラインファクタリング|イージーファクター のように売掛金を期日より前に現金化して、月の谷をならす手がある。

手数料と、資金が足りないことで起きる損を並べて比べる。感覚ではなく金額で決める。

ガス料金は契約で変わる

とくにプロパンを使っている場合、単価は会社ごと、契約ごとに違う。同じ地域でも差が出る。長く同じところと付き合っていると、単価が上がったまま気づかないことがある。

プロパンを使っているなら、ガス会社を変えて、温泉旅行へ行こう!【ガス屋の窓口】 のようにガス会社の乗り換えを扱う窓口に今の単価を見てもらうと、下がる余地があるかどうかがすぐ分かる。

切り替えるかどうかは、それを見てから決めればいい。今の単価が妥当だと分かるだけでも収穫になる。

電気代と光熱費もまとめて見る

同じ機会に、電気の契約も確かめる。基本料金と使用量を分けて見て、契約のプランがいまの使い方に合っているかを見る。

厨房や店舗は、使う時間帯が決まっている。時間帯で単価が変わるプランなら、それだけで下がることがある。

冷蔵や冷凍の設備は、動かし続けている以上どうしても電力を食う。扉の開け閉めや詰め込み方でも変わるので、そこは現場で試す。

卸売市場で青果を運ぶ様子

仕入れの量と回数を見直す

配送の回数を減らすと、送料が下がることがある。まとめて頼めるものと、鮮度の要るものを分けて考える。

捨てている分も原価に入っている。廃棄の量を一週間だけ記録すると、頼みすぎている品目が見える。

仕入れ先を変える前に、いまの相手に条件を聞く。長く付き合っている相手ほど、言えば動くことがある。

量や仕様で調整する

値段を変えずに、量や組み合わせを変える方法もある。ただし黙って減らすと、必ず気づかれて信用を落とす。

変えるなら、変えたことを言う。理由も添える。伝えたうえで減らすほうが、黙って減らすよりずっと受け入れられる。

小さくするのではなく、組み合わせを変える手もある。付け合わせを替える、単品と組の値段を分ける。工夫の余地はまだある。

値段に乗せるか、吸収するか

全部を乗せることも、全部を吸収することもできない。品目ごとに線を引く。よく出るものは据え置き、原価の上がり方が大きいものだけ上げる、といった形になる。

決めた線は、書いて残す。書いていないと、次に上がったときにまた最初から悩むことになる。

上げる幅は、端数を丸めない。計算した根拠がある額のほうが、聞かれたときに説明できる。

伝える時期と言い方

上げる日を決めたら、その前に知らせる。当日に張り紙で知らせるのは、いちばん反発を招く。

理由は正直に書く。仕入れと光熱の上昇、と一行で足りる。長い言い訳は、かえって読まれない。

常連には、口頭でも伝えておく。紙を貼るだけより、はるかに角が立たない。

一年後にもう一度見る

上げた後、客足と売上がどう動いたかを記録する。次に上げるときの材料になる。

同じ表を毎年作る。形を変えないでおけば、去年と比べられる。

離れた客がいたとしても、その分を単価が埋めているなら判断は正しかったことになる。客数だけを見て一喜一憂しない。

人手のかかり方も一緒に見る

原価には材料だけでなく、手間も入っている。仕込みに時間のかかる品ほど、材料費が同じでも利益は薄い。

品目ごとに、作るのにかかる時間を書き足してみる。よく出るのに時間のかかるものが見つかれば、そこが直す場所になる。

作り置きできるものと、注文を受けてから作るものを分ける。分けるだけで、忙しい時間帯の負荷が変わる。

支払いの条件も交渉の対象になる

単価だけが交渉の材料ではない。締めの日、支払いの期日、まとめて頼んだときの扱い。ここが変わるだけで、資金の回り方が楽になる。

単価を下げてもらうより通りやすいことも多い。相手にとっては、値引きより負担が小さいからだ。

決まったことは書面にする。担当が替わったときに、口約束は残らない。

よくある質問

Q. どこから手を付けますか。

A. 毎月おなじ額で出ていく固定のものからです。ガスと電気の契約は、行動を変えずに下がる可能性があります。

Q. 仕入れ先は変えるべきですか。

A. その前にいまの相手に条件を聞いてください。長い付き合いほど、言えば動くことがあります。

Q. 量を減らすのは駄目ですか。

A. 黙って減らすのが駄目です。変えたことと理由を伝えれば、受け入れられることは多いです。

Q. 値上げはいつ伝えますか。

A. 上げる日より前に知らせてください。当日に張り紙で伝えるのが、いちばん反発を招きます。

まとめ

原価が上がったとき、いきなり値段に手を付けない。項目ごとに何がいくら上がったかを出し、ガスと電気の契約を確かめ、仕入れの量と回数を見直す。

そのうえで残った分だけを値段に乗せる。順番を守れば、上げる幅も小さくなり、説明もしやすくなる。