暮らしと仕事のヒント

暮らし・仕事・サービス選びに役立つ実用コラム

BUSINESS COLUMN

新卒採用を始めるときの設計。母集団の作り方と選考の組み立て

公開 ・ 更新

初めて新卒を採用する会社が、何をいつから始めるか。学生が見ている情報、選考の組み立て、内定後のつなぎ止め、そして受け入れ体制までを時系列で整理します。

本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれています。

中途採用ばかりでは、年齢構成が偏る。数年後に若手がいない状態になる。そろそろ新卒採用を始めたいが、何から手をつければよいのか分かりません。

新卒採用は、中途採用とスケジュールも考え方も違います。この記事では、初めて取り組む会社が押さえるべき設計を、年間の流れから受け入れまで整理します。

中途採用と何が違うか

前提が違います。

違うのは、時期が決まっていること、入社までの期間が長いこと、判断材料が少ないこと、育成が前提であること、辞退が起きることです。

辞退を前提に計画してください。採用したい人数と、内定を出す人数は別です。

中途は必要になったときに動けますが、新卒は市場全体の流れに合わせる必要があります。

入社までの期間も長くなります。内定から入社まで、半年から一年以上。その間の関係維持が必要です。

判断材料も少なくなります。実務経験がないため、経歴で判断できません。

育成も前提になります。戦力になるまで一年以上を見込んでください。複数社から内定を得る学生が多く、内定を出しても入社するとは限りません。

上から見た図書スペース

年間の流れを作る

初年度の順序です。

進めるのは、採用人数と役割の決定、求める人物像の言語化、予算の決定、体制の決定、母集団を作る手段の選択、選考フローの決定、内定後の関係維持の設計、受け入れの準備です。

内定後の関係維持が辞退率を左右します。ここを設計していない会社が多くあります。内定を出したら終わりではありません。

採用人数と役割は、何人をどの職種でと決めます。「良い人がいれば」では動けません。

求める人物像は、スキルではなく姿勢と適性で書いてください。

予算には、媒体費、説明会の費用、選考の人件費が含まれます。

体制では、誰が窓口になり誰が面接するかを決めます。現場の人の時間を確保してください。選考のフローも、何回、誰が、何を見るかを決めておきます。

母集団をどう作るか

接点の作り方を選びます。

使えるのは、求人媒体、学校との関係、合同説明会、紹介型のサービス、インターン、リファラルです。

求人媒体は掲載して応募を待つ形です。知名度のない会社は埋もれやすくなります。

学校との関係は、専門学校や大学のキャリアセンターと継続的な関係を作る形です。安定しますが、時間がかかります。

合同説明会は、多くの学生と接点を持てます。準備と当日の人手が要ります。

紹介型のサービスは、条件に合う学生を紹介してもらう形です。技術の職種で採るなら、IT業界を志望する学生を集めている【TECH-BASE 就活エージェント】 のように母集団の性格がはっきりしているところから当たると、外れが減ります。

インターンは、実際に働く様子を見てから判断できます。受け入れの負担はあります。社員の知人や出身校のつながりを使うリファラルもあります。

知名度のない会社は、媒体だけでは苦戦します。説明会、インターン、紹介など、接点を持って直接話せる手段を組み合わせてください。

選考で何を見るか

経歴では判断できません。

見るのは、学ぶ姿勢、言語化の力、素直さと自走のバランス、志望の具体性、環境との適合です。

学ぶ姿勢は、何かを継続して学んだ経験があるかで見ます。分野は問いません。

言語化の力は、自分の経験を他人に伝わる形で説明できるかを見ます。

素直さと自走のバランスも重要です。教わったことを受け入れられるか、自分で調べて進められるか。どちらかに偏ると苦労します。

志望の具体性も見てください。「成長したい」だけでなく、この会社で何をしたいかが語れるか。

環境との適合も確認します。働き方、社風、業務の性質。本人が合わないと感じたなら、無理に採らないほうが双方のためです。技術職の場合は、独学の記録や作ったものも見ます。完成度より、自分で調べて進めた形跡を見てください。

ノートパソコンに向かう若手

内定から入社までをどう過ごすか

関係を維持します。

やるのは、定期的に連絡すること、現場の人と会う機会を作ること、入社前の課題や学習の案内、同期どうしをつなぐこと、不安を聞く場を作ること、入社日の案内を早めに出すことです。

定期的な連絡を怠ると、内定辞退が増えます。月に一度でも連絡してください。放置すると、他社に気持ちが移ります。連絡の頻度を決めて、担当者を明確にしてください。

現場の人と会う機会も作ります。人事だけでなく、一緒に働く人と話せると安心します。

入社前の課題や学習の案内は、強制しない範囲で出してください。何を勉強しておけばよいかを示します。

内定者どうしの関係ができると、辞退しにくくなります。

不安を聞く場も作ってください。学生は言い出しにくいものです。入社日の案内も早めに出します。初日の持ち物、集合場所、服装。細かいことほど不安になります。

受け入れの準備

初日から整えます。

用意するのは、研修の計画、配属先、初日の作業環境、評価の基準、複数の相談先、同期との関係を保つ場です。

研修の計画は、最初の一か月から三か月で何をどの順番でやるかを決めます。

配属先では、誰の下につくかを決め、指導担当の業務量を調整してください。

作業環境は初日に用意します。端末、アカウント、席、制服があれば制服。初日に揃っていない状態は、第一印象を損ないます。

評価の基準も伝えてください。何ができたら次に進むかを明示します。

相談先は複数用意してください。直属の上長以外にも話せる相手がいると、孤立を防げます。配属が分かれても、同期のつながりを維持できる場を作ってください。入社前から横のつながりがある状態にしたいなら、学生がチームで学ぶ形の就活生のためのスクール型就活支援【TECH-BASE】 を経由した採用も、選考の設計と併せて検討できます。

初年度に起きやすいこと

想定しておきます。

起きるのは、応募が集まらないこと、選考の時間が取れないこと、内定辞退、入社後の早期離職、受け入れ側の負担です。

早期離職は、期待とのギャップが原因のことが多くあります。選考の段階で、実際の仕事を具体的に伝えてください。

良い面だけを伝えないことです。大変な面も伝えたうえで来てくれた人のほうが定着します。

応募が集まらないのは、知名度のない会社では普通に起きます。接点を作る手段を追加してください。

選考の時間が取れないことも起きます。現場の人が忙しく、面接が後ろ倒しになる。学生は待ちません。

内定辞退も想定してください。採用したい人数の一・五倍から二倍に内定を出す会社もあります。受け入れ側の負担も、指導担当の業務量が調整されていないと現場が疲弊します。

よくある質問

Q. 何人から始めるべきですか。

A. 一〜二人から始める会社は多くあります。受け入れの体制に合わせて決めてください。

Q. 中途採用と並行できますか。

A. できますが、担当者の負担が増えます。時期の重なりを確認してください。

Q. 内定辞退を減らすには。

A. 内定から入社までの関係維持です。月に一度の連絡、現場の人と会う機会、同期どうしのつながり。

Q. 未経験でも技術職に配属できますか。

A. 第一段階の仕事と指導担当が用意できるなら可能です。準備がないまま配属すると、双方が疲弊します。

まとめ

採用したい人数と、内定を出す人数は別だと考えること。

知名度のない会社は、直接話せる手段を組み合わせること。

選考では、学ぶ姿勢と言語化の力を見ること。経歴では判断できません。

大変な面も伝えること。伝えたうえで来た人のほうが定着します。

そして、内定を出したら終わりではないこと。関係維持が辞退率を左右します。