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BUSINESS COLUMN

食事や休憩の配慮。決めつけずに本人に聞く

公開 ・ 更新

宗教や体質による食事の制約、休憩の取り方への配慮を整理します。決めつけずに聞く方法、社内の食事の場での扱い、休憩場所の用意、費用の考え方まで。特別扱いに見せない工夫も書いています。

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歓迎会の店を予約したあとで、参加できない社員がいることに気づきました。食べられないものがあると聞いていました。

慌てて店を変えましたが、本人は「気にしないでください」と繰り返していました。休憩の取り方についても、聞いていいのか迷って聞けていません。配慮したいのに、どう聞けばよいのか分かりません。

決めつけないことから始まる

「この国の人はこう」で判断すると外れます。

避けるのは、国籍や見た目から食事の制約を推測する、宗教を前提に扱う、全員に同じ配慮をする、配慮を断られたときに理由を追及する、本人がいない場で話題にすることです。

本人に聞くこと以外に正しい方法はありません。ただし聞き方に配慮が必要です。

制約の理由は、宗教、体質、アレルギー、持病、主義などさまざまです。理由を聞く必要はありません。「食べられないものはありますか」で足ります。 理由は個人の内面に関わります。

そして、聞かれた側は答えたくないことがあります。答えを求められた時点で負担になります。

必要なのは「何が食べられないか」だけです。そこから先には踏み込まないでください。

テーブルを囲んで話す場面

聞き方を決める

個別に呼び出して聞くと負担になります。

聞く形は、全員に同じ質問をする、書面や画面で答えられる形にする、答えなくてよい選択肢を用意する、理由を書く欄を作らない、答えた内容の共有範囲を明示することです。

全員に同じ質問をしてください。特定の人にだけ聞くと、その人が目立ちます。

受け入れの準備の中に入れると自然です。入社時の書類に一項目として加えてください。

答えなくてよい選択肢も用意します。「特にありません」を選べる形にしてください。

答えた内容を誰が見るかも明示します。共有の範囲が分からなければ、書きにくくなります。

体質や信仰に関わる情報は慎重に扱います。必要な人だけに伝えてください。

食事の場での対応

全員が食べられるものを選ぶほうが簡単です。

やり方は、選べる形にする、店に事前に相談する、食事が中心でない場にする、参加を任意にする、費用の扱いを揃えることです。選べる形とは、各自が取り分けるか単品で注文する形を指します。

「全員が同じものを食べる」形をやめると、ほとんどの問題が消えます。

事前に相談すれば対応できる店があります。予約の段階で伝えてください。

欠席が評価に影響しないと明言してください。食事の場に出ないことを問題にしないでください。 参加できない事情は、本人が説明する義務のないものです。

そして、参加が事実上の義務になっていれば、断れません。無理に参加して気を使い続けることになります。

「参加は任意です」と案内に明記してください。費用の扱いも、食べない人が損をしない形にします。

机に置かれたコーヒーとペン

休憩と時間の配慮

食事以外にも配慮が必要な場面があります。

あり得るのは、決まった時刻に短い休憩を取りたい、特定の期間に食事の時間が変わる、静かに過ごせる場所が必要、体調や持病で休憩の取り方が違う、通院のための時間です。

休憩の取り方は業務の都合と合わせて決めてください。認めるかどうかではなく、どう回すかの相談にします。

静かに過ごせる場所があると助かる人がいます。専用の部屋は不要で、空き会議室でも足ります。

休憩の与え方には法令上の決まりがあります。変更する場合は社会保険労務士に確認してください。

特別扱いに見せない

配慮が本人の負担になることがあります。

気をつけるのは、本人の希望を全員に説明しない、「〜さんのために」と言わない、仕組みとして用意する、周囲に説明が必要な場合は本人と相談して決める、感謝を強要しないことです。

誰でも使える仕組みにしてください。個人向けの例外にすると本人が気を使います。

説明が必要な場面では、何をどこまで伝えるかを本人と決めてください。勝手に共有しないでください。

「特別に用意した」と伝えると、本人は断りにくくなります。当たり前の設備として置いてください。定期的にバナナが届く のようなものは、誰が取っても構わない置き方ができるので、特定の人のためだとは見えにくくなります。

続けられる形にする

一度の対応で終わらせないことです。

続けるために必要なのは、年に一度は確認の機会を作る、新しく入った人に必ず聞く、断られた配慮を無理に続けない、相談できる相手を決めておく、記録は最小限にすることです。

状況は変わります。一度聞いた内容を固定しないでください。

断られた配慮を続けると、それ自体が負担になります。「もう不要です」と言われたら、その場で止めてください。

言い出しにくいことを相談できる先が必要です。健康に関わる場合は産業医や医療機関への相談も検討してください。飲み物も同じで、水道水を注いで使う水道水を注ぐだけの簡単サーバー【アクアバンク】 のような機種なら、重いボトルを持ち上げる作業そのものが要りません。

食事が中心でない場にする選択もあります。集まる目的が交流であれば、形は自由です。

費用の扱いも揃えてください。食べない人が同じ額を負担する形は、公平とは言えません。

記録は最小限にします。必要な範囲を超えて残すと、扱いに配慮が要る情報が増えるだけです。

よくある質問

Q. 食事の制約を聞いてよいのですか。

A. 聞いてください。ただし全員に同じ質問をし、書面や画面で答えられる形にします。理由を書く欄は作らないでください。

Q. 宗教を前提に配慮すべきですか。

A. 決めつけないでください。制約の理由は宗教・体質・アレルギー・持病・主義など多様です。理由を聞く必要はありません。

Q. 歓迎会をどうすればよいですか。

A. 各自が選べる形にし、店に事前に相談してください。「全員が同じものを食べる」形をやめるとほとんどの問題が消えます。参加は任意にします。

Q. 休憩の取り方が違う社員がいます。

A. 認めるかどうかではなく、業務をどう回すかの相談にしてください。休憩の与え方には法令上の決まりがあるため、変更する場合は社会保険労務士に確認します。

まとめ

決めつけないことから始まります。国籍や見た目から推測しないでください。

聞くときは全員に同じ質問を、書面で答えられる形で。理由は聞きません。

食事の場は選べる形にする。全員が同じものを食べる形をやめてください。

休憩はどう回すかの相談にする。認めるかどうかの話にしないでください。

そして、誰でも使える仕組みにする。個人向けの例外は本人の負担になります。