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多様な働き方の人材を受け入れる。制度の整備と現場の準備

公開 ・ 更新

在宅中心、短時間勤務、通院との両立。働き方に制約のある人材を受け入れるとき、制度・環境・業務の切り出し方をどう整えるか。実務の順番でまとめます。

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在宅中心で働きたい。通院があるので週四日にしたい。短時間から始めたい。こうした希望を持つ人材を受け入れるかどうかは、制度の問題であると同時に、業務の切り出し方の問題でもあります。

制度だけ整えても、任せられる仕事がなければ機能しません。逆に、仕事はあっても環境が整っていなければ続きません。この記事では、制度・環境・業務の三つを実務の順番で整理します。

まず、業務を切り出せるかを確認する

制度の検討より先に行います。

確かめるのは、非同期で進められるか、成果が形になるか、他のメンバーとの依存が少ないか、情報が共有された場所にあるか、依存の頻度が読めるか、口頭の伝達に依存していないかです。

情報が口頭で流れている組織では、その場にいない人が仕事を進められません。これは受け入れる人材の問題ではなく、組織の情報の持ち方の問題です。

非同期で進められるかも見てください。その場での即応が前提でない仕事かどうかです。

成果が形になるかも重要です。時間ではなく成果で評価できる仕事を切り出します。

他のメンバーとの依存も、少ないか、または依存の頻度が読める形が望ましくなります。

逆に言えば、この四つを整えることは、既存メンバーにとっても働きやすさにつながります。

制度より先に、ここを確認してください。

自宅の作業スペース

制度として決めること

六つを決めます。

決めるのは、勤務の形、通院や治療との両立、短時間勤務の扱い、評価の基準、コミュニケーションのルール、変更の手続きです。

評価の基準は、周囲との公平感に直結します。時間ではなく成果で見る場合、何をもって評価するかを明確にしてください。

ここが曖昧だと、公平感の問題が出ます。既存メンバーへの説明も必要になります。

「なぜこの人だけ違う働き方なのか」を説明できないと、不公平感が生まれます。制度として誰でも使える形にするのが、最も摩擦の少ない方法です。

勤務の形も、在宅の頻度、コアタイムの有無、始業と終業の柔軟性を決めます。

通院や治療との両立も、中抜けを認めるか、時間単位の休暇があるかを決めてください。短時間勤務も、何時間から可能か、給与と評価をどう扱うかを整理します。

環境を整える

順に整えます。

整えるのは、作業環境、接続経路、情報の共有場所、会議の形式、支援機器、設備の支援範囲です。

情報の共有場所が最も重要で、最も時間がかかります。口頭ではなく、書かれた場所に情報を置いてください。

これは全社の運用の話になります。ただし、これができると全員の働きやすさが上がります。

作業環境も、端末をどう用意するか、在宅の場合の机や椅子やネット回線をどこまで支援するかを決めます。

接続経路も、社内システムに社外からどう入るかを設計してください。

会議の形式も工夫が要ります。一部がオンラインで参加する会議は、進め方を工夫しないと参加できません。全員がオンラインで参加する形にするほうが公平になることもあります。支援機器も、本人と相談して決めてください。

受け入れる現場の準備

現場側でも準備します。

やるのは、担当を決める、最初の仕事を用意する、確認の頻度を決める、困ったときの連絡経路、周囲への説明、進捗の見え方です。

確認の頻度は、監視ではなく支援の位置づけにしてください。細かく管理されると、本人の負担になります。

在宅中心の場合、進捗が見えにくくなります。日次または週次で短い確認の場を作ってください。

担当も決めます。業務の指示をする人と、相談を受ける人。分けたほうがよい場合もあります。

最初の仕事も用意してください。初日から数日でやってもらうことを具体的に決めておきます。

困ったときの連絡経路も、誰に、どの手段でかを明示します。周囲への説明も、どんな働き方をするのか、いつ連絡が取れるのかを事前に共有しておくと、余計な気遣いが減ります。

採用のルートを広げる

いくつかのルートがあります。

選べるのは、通常の採用で条件を明示する、支援機関を経由する、業務委託として依頼する、訓練の内容を確認する、定着支援の有無、指揮命令の扱いです。

通常の採用でも、募集の段階で在宅可、短時間可と書くだけで、応募の層が変わります。

支援機関を経由する形は、就労に向けた訓練を受けた人材を紹介してもらうものです。

訓練の内容と、就労後の定着支援があるかを確認してください。Webスキルを学ぶ、障害者の新しい就職支援サービス【atGPジョブトレIT・Web】 はWeb制作の技術と、働き続けるための習慣を並べて教えていて、そこを出た人なら任せる仕事の形も想像しやすくなります。

雇用ではなく成果物単位で依頼する形もあります。働き方の自由度は高くなりますが、指揮命令の扱いに注意が必要です。

支援機関を使う場合、受け入れ後のフォロー体制がどうなっているかを確認してください。定着まで支援がある形だと、現場の負担が減ります。

自宅の作業スペース

定着させるために

受け入れて終わりではありません。

やるのは、定期的に状況を聞く、業務の範囲を段階的に広げる、周囲との接点を作る、評価を明確に伝える、制度を見直す、孤立を防ぐことです。

周囲との接点を作ることは軽視されがちですが、定着に直結します。

在宅中心だと、業務以外の会話がゼロになります。意識的に場を作らないと、孤立します。

業務の連絡だけの関係だと、続きにくくなります。

定期的に状況を聞く場も、月に一度でよいので作ってください。働き方が合っているかを確認します。

業務の範囲も、最初から多くを任せず、できることから増やしていきます。評価も、成果で評価する以上、具体的に伝える必要があります。使ってみて合わない部分は変えてください。Web・ITスキルが身につく障害者支援サービス【atGPジョブトレIT・Web】 のような支援機関を通した採用なら、この調整を担当者と一緒に決められるので、現場だけで抱え込まずに済みます。

よくある質問

Q. 何から手を付けるべきですか。

A. 情報を書かれた場所に置くことです。口頭の伝達に依存した組織では、どんな制度を作っても機能しません。

Q. 既存メンバーの不公平感が心配です。

A. 制度として誰でも使える形にしてください。特定の人だけの例外にすると、必ず摩擦が生まれます。

Q. 短時間勤務の評価はどうしますか。

A. 時間当たりの成果で見る形が一般的です。ただし、評価の基準を事前に明示しておくことが前提になります。

Q. 業務を切り出せる自信がありません。

A. まず既存メンバーの業務を洗い出し、非同期で進められる部分を探してください。切り出せる仕事がないなら、受け入れは難しいという判断も必要です。

まとめ

制度より先に業務を切り出せるかを確認すること。

情報が口頭で流れている組織では機能しないと知ること。

制度として誰でも使える形にすること。摩擦が最も少なくなります。

情報の共有場所を整えること。全員の働きやすさにつながります。

そして、業務以外の接点を作ること。ここまでで続く関係になります。