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BUSINESS COLUMN

手順が個人のメモに残っている。書き出して置き場を決める

公開 ・ 更新

業務のやり方が担当者の手帳やデスクトップのメモにしかない。書き出す順番と、どこに置けば探せるかを決め、更新が続く形にする手順を示します。

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月末の締めの作業を担当している社員が、急に一週間休むことになりました。代わりに入った人が引き継ごうとしたところ、手順はどこにも書かれておらず、本人の手帳と、机の上の付箋と、端末の中のメモに分散していました。手帳は持ち帰られており、付箋には略語しか書かれていません。

こうした状態は、担当者が悪いわけではありません。書き出す時間が業務として認められていないから、手元のメモで回してきただけです。ここでは、書き出す順番と、どこに置けば探せるか、そして更新が続く形の作り方を扱います。

全部を書こうとしない

手順を書き出すと決めた瞬間に、量の多さで手が止まります。すべての業務を網羅しようとしないでください。優先するのは、担当が休んだときに困るものだけです。

判断の基準は二つです。その業務が止まると外部に影響が出るか、そしてその業務を今できるのが一人だけか。台帳や表計算を手作業で回している業務ほど、担当が抜けたときの影響が大きくなります。この両方に当てはまるものから書きます。月末の締め、請求の発行、給与に関わる手続き、取引先への定期的な報告。多くの会社で、五つから十の業務に絞られます。

歯車とねじの接写

一つの業務を三十分で書く

一つの業務にかけるのは三十分と決めてください。時間を区切らないと、完璧なものを作ろうとして終わりません。三十分で書けるのは、手順の番号と、使う画面や書類の名前、注意点が数行。それで十分です。

書くのは、その業務を実際にやっている本人が最適です。ただし本人は当たり前のことを省くので、書き終わったら別の人に読んでもらってください。読んだ人が「これはどういう意味か」と聞いた箇所が、抜けている情報です。この往復を一回やるだけで、実用に耐えるものになります。

置き場所を台帳で先に決める

書いたものを置く場所が決まっていないと、書いた本人の手元に残ります。それでは元と同じです。書き始める前に、どこに置くかを決め、何をどこに置いたかを一覧の台帳にしてください。

共有フォルダでも構いませんが、階層が深いと探せません。業務の名前で探せる状態にしておくことが要点です。誰が書いたものかも分かるようにしておくと、疑問が出たときに聞けます。文書の管理と業務の効率化をまとめて扱う仕組みを入れているなら、月額料金を賢く集約。複数のAIサブスクを1つにまとめて、最高峰の知能を使い倒すならDoraverse。のように業務の記録と一緒に置ける形にすると、探す場所が一つに定まります。置き場所が二か所以上あると、必ずどちらかが古くなります。

金属部品のかみ合わせ

書けない部分は録画か写真で残す

文章で説明しにくい手順があります。画面の操作、機械の設定、道具の使い方。こうしたものは、無理に文章にせず、画面を録画するか写真を撮ってください。

録画は数分のもので構いません。編集も不要です。文章の該当する箇所に、その録画や写真の場所を書き添えておけば足ります。完璧な教材を作ろうとせず、次にやる人が迷わない程度を目指してください。作る手間が軽いほど、更新も続きます。

下書きの校正と表記の揺れを道具に任せる

書き出す作業が続かない理由の一つに、文章を整えるのが面倒だということがあります。箇条書きで殴り書きした下書きを、後から読める形にする作業に時間がかかります。表計算に手作業で転記しながら整えていると、なおさら進みません。

ここは道具に任せてよい部分です。(自由テキスト)のような文章を整える仕組みを使えば、表記の揺れや読みにくい言い回しを直すところは自動で進みます。書く人が中身に集中できるようになると、書き出しの負担が体感でかなり下がります。校正と表記の揺れの直しを手作業から外すことが、続けるための現実的な手当てです。

書き出す時間を業務として確保する

多くの会社で、手順を書き出す作業は「手が空いたらやる」扱いになっています。手は空きません。書く時間を業務として確保してください。

月に一時間、あるいは四半期に半日。時間を決めて予定に入れます。その時間で、一つか二つの業務を書けば十分です。一年で十前後の手順が残ります。担当者に「時間があるときにやっておいて」と言うだけでは、五年経っても残りません。

更新の合図を決める

一度書いた手順は、必ず古くなります。更新の合図を決めておいてください。業務のやり方を変えたとき、使う仕組みが変わったとき、そして担当が交代するとき。

特に担当が交代するときは、引き継ぐ側が読んで違和感を持った箇所が更新の対象です。引き継ぎの場で、その場で直してもらってください。時間が経つと誰も直しません。年に一度、全部を読み返す形は負担が大きいので、変更が起きたときに直す形にするほうが続きます。

書き出した効果は、休んだ日に出る

手順を書き出す作業には、その場での見返りがありません。効果が出るのは、誰かが休んだ日、辞めた日、そして新しい人が入った日です。それまでは、何のためにやっているのか分かりにくい。

だからこそ、効果が出た場面を記録に残してください。担当が休んだときに手順書で回せた、新しい人の引き継ぎが半日で終わった。こうした事実を共有すると、書き出す作業への理解が社内で広がります。効果が見えない作業は、いつの間にか止まります。

よくある質問

Q. どの業務から書き出せばよいですか

A. 止まると外部に影響が出て、かつ今できるのが一人だけの業務からです。月末の締め、請求の発行、取引先への定期的な報告などが該当します。多くの会社で五つから十に絞られます。

Q. 書く時間が取れません

A. 時間を業務として確保してください。月に一時間、あるいは四半期に半日と決めて予定に入れます。手が空いたらやる扱いにすると、永遠に着手されません。一つの業務は三十分で書き切ると決めてください。

Q. 書いても読まれません

A. 置き場所が探しにくいか、書いてある内容が実務と合っていない可能性があります。担当が交代する場面で実際に使ってもらい、読んだ人が引っかかった箇所を直してください。使われて初めて、実用に耐える形になります。

Q. 本人が書きたがりません

A. 自分の仕事が奪われると感じている場合があります。書き出すのは休みを取れるようにするためだと伝えてください。実際、手順が残っていない人ほど休みにくくなります。本人の負担を減らす話として説明すると受け入れられやすくなります。

まとめ

手順が個人のメモにしかないのは、担当者の問題ではなく、書き出す時間が業務として認められていないからです。

書くのは、止まると外部に影響が出て、今できるのが一人だけの業務からです。全部を網羅しようとすると着手できません。

一つの業務は三十分で書き切り、別の人に読んでもらってください。読んだ人が引っかかった箇所が、抜けている情報です。

置き場所は書き始める前に決めます。二か所以上あると、必ずどちらかが古くなります。

そして、書く時間を予定に入れ、更新の合図を決める。効果が出るのは誰かが休んだ日なので、その事実を記録に残して社内に共有してください。