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BUSINESS COLUMN

給油代が誰かの財布から出ている。立替をやめていく順番

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車で動く仕事は、ガソリン代も高速代も誰かが先に払っています。立替と精算をなくすには支払いの口を先に用意するしかありません。切り出す順番をまとめました。

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営業車の給油を、その場にいた人が自分の財布から払う。レシートを取っておいて、月末にまとめて精算する。小さな会社ではよくある形で、台数が一台か二台のうちはそれで回る。

回らなくなるのは、車が増えたときと、乗る人が増えたときだ。誰がいくら立て替えているのか本人しか分からず、月末に財布の中を探す時間が生まれる。ここを直すのに要るのは経費のルールを厳しくすることではなく、会社が先に払える口を用意することだけだ。

立替は誰の負担になっているか

給油が一回で五千円前後、週に二回なら月に四万円。本人のカードの引き落としが翌月、会社からの精算が翌々月になれば、その人は二か月ぶん自分の口座から出していることになる。金額の大小より、順番の話だ。

本人はたいてい言わない。言えば細かいと思われる気がするからだ。言われないまま続くと、外へ出る仕事を避ける人が出てくる。理由を聞いても、面倒だから、としか返ってこない。

まず、月にいくら立替が起きているかを一度だけ数えてみる。数えると、思っていた額より大きいことが多い。ひとりで仕事をしている場合も同じで、事業用と私用の区別がないまま一枚のカードで払っていると、年度末に一年分の明細を一行ずつ振り分けることになる。

数えるときは、給油だけでなく高速代と駐車場代も一緒に拾う。車で動く仕事の経費は、この三つで大半が埋まる。三つを別々の紙で扱っているうちは、合計がいくらなのか誰も答えられない。

紙幣がのぞく黒い財布

支払いの口を先に用意する

立替をなくす方法は一つしかない。会社が先に払える口を、車に乗る人の手元に渡すことだ。カードでも給油所の掛けでも、形は問わない。

渡すときに決めるのは三つ。誰が持つか、何に使ってよいか、明細を誰が見るか。この三つを決めずに配ると、今度は使途の分からない支払いが増える。立替がなくなった代わりに、確認の手間が増えたのでは意味がない。

使ってよい範囲は、広く書かずに具体で書く。給油と高速代はよい、洗車はよい、その他の買い物は不可。この程度の粒度で十分で、迷う場面が出たらそのつど足していけばいい。

持たせる相手は、実際に運転する人にする。管理する人が一枚だけ持って、乗る人が借りに来る形にすると、結局その場に間に合わず現金で払うことになる。

金額の読めるものから切り出す

経費の全部を一枚にまとめる必要はない。毎月必ず出て、金額がおおよそ読めるものから外に出すほうが早い。ガソリン代はその筆頭になる。

年会費のかからないカードを一枚、給油専用にしてしまう手もある。【コスモ・ザ・カード・オーパス】 はイオングループが出しているカードで、コスモ石油で給油すると店頭価格から引かれた値段になる。個人名義で作れるので、まず自分の分だけ切り替えて様子を見るという入り方ができる。

一枚に寄せると、明細がそのまま給油の記録になる。どの車がいつ幾ら入れたかを、別の紙に書き出す作業が要らなくなる。走行距離を横に並べれば、一台ごとの燃費まで見えてくる。

順番としては、給油の次に高速代を外す。この二つが抜けると、現金で払う必要のある経費はほとんど残らない。残ったものだけを小口の現金で扱えばいい。

暗い机の上の財布と小銭

審査が通らない時期をどうするか

設立して間もない、あるいは赤字が続いている。そういう時期はカードの審査が通らないことがある。通らないから現金で回す、という判断が立替を長引かせる。

クレジット審査なし!法人ガソリンカード は与信の審査を挟まずに発行される法人向けの給油カードで、全国の給油所で使える。クレジットカードとは別の仕組みなので、カードが作れない時期の受け皿になる。

使えるようになったら、現金での給油は原則やめる。例外を残すと、そのうち例外のほうが標準になる。切り替えの日を決めて、その日から前の方法は受け付けないと伝えるほうが早く定着する。

移行の期間は一か月あれば足りる。長く二本立てにすると、どちらの明細も中途半端になり、比べる相手がいない数字が二種類できあがる。

明細を毎月見る人を決める

明細を見る人を決めておく。見ないまま引き落としが続くと、辞めた人のカードが生きていたり、私用の給油が混ざっていたりする。

見るのは五分で足りる。台数の分だけ金額が並んでいるか、極端に大きい行がないか。この二つで大半は気づける。

気になる行はその場で本人に聞く。時間が経つと本人も覚えていない。疑って聞くのではなく、記録を埋めるために聞くのだと伝われば、角も立たない。

見る担当を一人に固定すると、月ごとの変化に気づけるようになる。先月より二割増えている、この車だけ回数が多い。そういう気づきは、毎月同じ人が見ているから出てくる。

家の車でも同じことが起きる

家計でも燃料費はつかみにくい支出だ。現金で入れていると、月にいくら使ったのかを誰も知らないまま一年が過ぎる。

カードにまとめるだけで年間の額が見える。見えてはじめて、乗り方を変えるかどうかの判断ができる。

ただし、仕事の車と家の車を同じカードで払うのはやめたほうがいい。あとで分ける手間のほうが大きくなる。混ぜてしまうと、経費として出せる分がどれなのかを説明する場面で困ることになる。

家族が乗る車の給油をどう扱うかも、一度決めておくと揉めない。誰が入れてもよい代わりに記録は残す、という程度の決めごとで足りる。

よくある質問

Q. 立替の精算はどのくらいの間隔が適当ですか。

A. 月一回にするなら、締めから支払いまでを二週間以内に収めてください。それより延びるなら、立替そのものをやめる方向で考えたほうが早く片づきます。

Q. カードを渡すと使われすぎませんか。

A. 使途を給油と高速代に限る、上限を決める、明細を毎月見る。この三つが揃っていれば、現金を渡すより追いやすくなります。

Q. 領収書はもう要らなくなりますか。

A. カード明細だけで足りるかは、扱いによって変わります。保存の要否は税理士に確認してください。当面は明細と領収書の両方を残しておくのが安全です。

Q. 一人で仕事をしている場合はどうしますか。

A. 事業用と私用でカードを分けるだけで、帳簿を作る手間がはっきり減ります。分けていないと、年度末に一年分の明細を一行ずつ振り分けることになります。

まとめ

給油代の立替は、金額ではなく順番の問題として起きている。会社が先に払える口を渡せば、それだけで消える種類の手間だ。

切り出す順番は、毎月必ず出て金額の読めるものから。給油はそこに当てはまる。審査が通らない時期には別の枠組みの受け皿がある。税務上の扱いは事情で変わるので、細かいところは税理士に確認してほしい。