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アプリ・システム開発の基礎知識

未経験でもわかる!ローコードプラットフォーム活用の基礎知識と開発会社の選び方

なぜ今「ローコード」が注目されるのか

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、短期間で業務システムを立ち上げたい企業が増えています。従来のフルスクラッチ開発では、要件定義から設計、実装、テスト、リリースまで半年~数年単位の時間と、数百万円~数千万円の予算が必要でした。それに対し、ローコードプラットフォームはドラッグ&ドロップで画面や業務ロジックが組めるため、システム開発のスピードが劇的に向上します。さらに、社内SEや事業担当者自身でも簡単な修正が可能になり、外部の開発会社への再発注コストを抑えられるのが大きなポイントです。しかし「安易に選んで後悔した」という声も少なくないため、導入前に仕組みや相場を押さえておく必要があります。

ローコードプラットフォームの仕組みと種類

ローコードは「少ないコード」で「多くの機能」を実現する仕組みの総称です。具体的には以下のような要素があります。

  • ビジュアル開発環境:画面デザインやワークフローをGUIで構築

  • 標準連携コネクタ:SalesforceやSlackなど他システムとの接続部品

  • テンプレート・サンプル:よく使う帳票やダッシュボードの部品集

  • データベース管理機能:データモデルをドラッグで定義
    主なプラットフォームには、Microsoft Power Apps、OutSystems、Mendix、国内製品ではアステリアASTERIA WarpやZoho Creatorなどがあります。それぞれ、利用者ライセンスや接続数、API実行回数によって月額費用が異なり、相場は小規模なら月5万円~20万円、中規模で50万円~100万円、大規模では数百万円超にまで及びます。年間契約にすると割安になるケースもありますが、開発会社に依頼する場合は「プラットフォーム利用料+開発工数費用」を合算して予算を見積もる点に注意が必要です。

開発会社の選び方と評価ポイント

ローコードはハードルが低い反面、導入支援が不十分だと「とりあえず動くだけ」のシステムになりがちです。開発会社選びでは、以下のポイントをチェックしましょう。

  1. 成功実績の有無:業種・業務領域が自社と近い事例があるか

  2. プラットフォーム認定パートナーか:メーカー公式のトレーニングを受けた技術者がいるか

  3. 要件定義力:ローコードの自由度を活かしつつ非機能要件(セキュリティ/可用性)まで提案できるか

  4. 見積もりの透明性:開発会社の工数単価、プラットフォーム利用料、追加カスタマイズ費用の内訳が明確か

  5. アフターサポート体制:保守フェーズの月額費用やバージョンアップ対応の契約内容
    リストを元に複数社にRFP(提案依頼書)を送付し、プレゼンやデモを比較検討しましょう。開発会社の選び方次第で、プロジェクトの成否と予算超過リスクが大きく変わります。

予算感と費用相場を理解する

ローコード導入の予算は、大きく「プラットフォーム利用料」「開発工数費用」「保守・拡張費用」の三つに分かれます。

  • プラットフォーム利用料:前述の通り、月額5万円~数百万円。利用ライセンス数やAPI実行回数でレンジが変動。

  • 開発工数費用:1人月あたり80万~150万円が相場。要件定義~テスト完了まで3~6人月程度の小規模案件で240万~900万円。

  • 保守・拡張費用:月額10~30%の継続支援費用。運用開始後も機能追加やUI改善を行う場合は、都度単価見積もりを依頼。
    予算を抑えたい場合は、「PoC」(概念検証)段階で必要最小限機能を絞り、効果を確認してから本格開発を発注する戦略がおすすめです。PoCにかける予算は50万~200万円程度が一般的で、これにより本番投資の失敗確率を下げられます。

発注前に準備すべき要件定義のコツ

開発会社に依頼する前に、事業部門側で以下を整理しておくとスムーズです。

  • 業務フローの可視化:現行業務の紙・Excel手順をフローチャート化

  • KPI/改善目標:何をどれだけ改善したいのか(例:承認工数50%削減)

  • 優先機能リスト:必須・欲しい・将来追加の三段階で分類

  • 利用ユーザー像:操作スキル、端末(PC/スマホ)など

  • 運用体制:システム担当者の有無、社内SEとの役割分担
    要件定義が不十分だと、「後から仕様変更」「追加費用発生」の温床になります。見積もり前に社内合意を取り、システム開発会社と認識をすり合わせた上で発注しましょう。

開発プロセス:ローコード導入の流れ

ローコードのプロジェクトも、基本的にはウォーターフォールとアジャイルを組み合わせたハイブリッド型が主流です。

  1. キックオフ&要件定義(2~4週間)

  2. PoC開発(1~2ヶ月)

  3. 効果検証と要件調整(2週間)

  4. 本番開発(3~6ヶ月)

  5. テスト・ユーザートレーニング(1ヶ月)

  6. リリース&運用移行

  7. 保守・拡張(継続課金)
    この流れで進めると、開発会社への発注もスケジュールもコストも見通しがよくなります。特にPoCフェーズでのKPIチェックを欠かさず、目標未達の場合はフェーズ中に要件見直しを行う「段階ゲート」を設けることが重要です。

導入成功事例:小規模製造業の在庫管理システム

ある部品メーカーB社は、従来Excelで運用していた在庫管理に限界を感じ、ローコードプラットフォームを活用したシステム刷新を決断しました。発注から納品までの流れを可視化し、棚卸し作業の工数を半減させることが主目的です。要件定義では現場ヒアリングを重ね、必要最小限の在庫テーブルとピッキング機能を優先しました。開発会社には同業種の事例が豊富なパートナーを選び、PoCでの動作検証を2週間で完了。本番開発では標準コネクタを活用して基幹システムとの連携を実現し、開発期間は約3人月、費用は約500万円に抑えました。リリース後、現場からは「検索が速くなりミスが激減した」と好評を得ています。今後は見積もり機能やアラート通知を追加し、さらなる効率化を図る予定です。【ポイントまとめ】

  • Excel運用との比較で削減できた工数

  • 標準コネクタ活用による追加開発費削減

  • 開発会社選びは業界知見重視

  • PoCで早期に課題を洗い出し再発注コストを回避

導入成功事例:医療スタートアップの予約管理システム

医療系スタートアップC社は、患者予約の電話受付業務をWeb化するプロジェクトを発注しました。開発会社選びではUXに強いベンダーを選定し、予算は700万円前後を想定。要件定義段階で「患者画面」「医師画面」「管理画面」をモック化し、ユーザビリティテストを3回実施しました。ローコードプラットフォームのフォーム機能と外部API連携を活用し、開発スピードは従来比3倍を実現。本番投入後1カ月で予約数が20%増え、電話対応工数は70%削減に成功しました。運用開始後の追加機能発注も月数十万円の保守料内で対応可能となり、費用対効果は高水準を維持しています。導入相場は中規模開発で500万~1,000万円ですが、C社のように要件を絞れば予算を柔軟にコントロールできる点もローコードの魅力です。

運用・保守で押さえるポイント

本番リリース後の運用・保守はシステム寿命を左右します。まず、運用マニュアルや権限設定のガイドラインを整備し、社内メンバーによる初期トレーニングを徹底します。次に、バージョンアップやセキュリティパッチ適用のスケジュールを開発会社と合意し、年1回以上のレビュー会を設けましょう。ローコードプラットフォームのライセンス体系によっては、API実行数やユーザー数が増えた際の追加費用が発生するため、運用段階の費用相場を見積もっておくことが重要です。また、定期的なログチェックやデータバックアップの自動化を図り、障害時のリカバリープロセスを明確化しておくと安心です。運用・保守費用の目安は「初期開発費用の10~20%/年」が一般的ですが、自社内での簡易改修が可能になれば、保守費用をさらに抑えることもできます。

コスト最適化のテクニック

ローコードでも全てをプラットフォームに依存するとランニングコストが膨らみます。コスト最適化の第一歩は、**「サーバーレス機能の併用」です。例えばLambdaやAzure FunctionsなどのFaaSと組み合わせて重い処理を分散させると、プラットフォーム利用料を抑えつつ高い可用性を確保できます。第二に、「外部サービスの統合」を積極活用し、メール送信やPDF生成などは既存のSaaSを使うことで自前実装の費用と工数を削減可能です。第三に、「開発会社との固定契約」**を見直し、要件定義後のフェーズ単位で都度見積もりを取るアジャイル型発注に切り替えると、非効率な待ち時間や無駄な仕様追加を抑制できます。これらのテクニックを組み合わせることで、予算内での高品質なシステム提供が実現します。

プラットフォーム拡張と次期開発フェーズ

初期導入で一定の成果を得た後は、プラットフォームの拡張性を活かして高度な分析機能やAI連携を追加しましょう。具体的には、

  • BIツール連携:TableauやPower BIと接続し、リアルタイム分析ダッシュボードを構築

  • チャットボット連携:顧客対応を自動化し、問い合わせ対応コストを削減

  • AI予測モデル:機械学習を組み込み、需要予測や障害予知を実現
    これらを開発会社に依頼する場合、プラットフォーム標準機能だけでなく、外部API呼び出しやカスタムスクリプトの開発が必要になるため、工数単価を事前に確認しておくことが重要です。次期フェーズの相場は、小規模なAI予測機能で200万~300万円、BI連携を含めると500万円以上が目安となります。初期投資と合わせた総合的なシステム費用を予算書に落とし込み、CFOや経営層への説明資料に活用しましょう。

まとめと次のステップ

ここまで、ローコードプラットフォームの成功事例から運用・保守、コスト最適化、拡張フェーズまでを解説しました。要点を改めて整理すると、

  • 導入前に要件定義とPoCで費用対効果を確認

  • 開発会社は業界実績と認定パートナーを重視して選ぶ

  • 運用・保守はライセンス費用と自社内運用のバランスがカギ

  • コスト最適化には外部サービス併用やアジャイル発注が有効

  • 拡張フェーズではBIやAI連携でさらなるビジネス価値を創出

ローコード導入は予算管理と開発会社選定が成否を分けます。まずは無料トライアルやPoCでツールを体験し、

を活用して自社に適した予算感を掴んでください。システムに柔軟性を持たせることで、将来の追加予算や相場変動にも対応しやすくなります。ぜひ本記事を参考に、効率的な開発・発注プロセスを設計してください。

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