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“テストデータ”はどう作るべきか?実装前から始まる開発品質の鍵

アプリやWebシステムの開発において、完成後の動作確認やリリース前のテスト工程は、品質を左右する重要なフェーズです。
しかし、そのテスト工程において“意外と見落とされがち”なのが テストデータの設計と準備 です。

「動作確認はしてくれますか?」という質問はよく聞かれますが、テストで使うデータの作成方針まで意識して相談されるケースはあまり多くありません。

この記事では、テストデータがなぜ重要か、どう設計・準備されるべきか、実際の開発現場での考え方や落とし穴について詳しく解説します。
これから開発会社に見積もりや相談を予定している方にとっても、「この視点を持っている会社かどうか?」を見極めるヒントになるはずです。

テストデータとは何か?開発現場での役割

テストデータとは、アプリやシステムの動作確認・検証のために用意される「仮のデータ」「サンプルデータ」です。

例えば、以下のような内容を含みます。

  • ユーザーの登録情報(仮名や架空のメールアドレス)

  • 投稿データ(画像・文章・コメントなど)

  • 注文履歴、予約情報、売上データなど

  • 管理者権限での操作を確認するためのアカウント

  • フラグ・ステータス・削除済など、あらゆる状態のデータ

これらを実際の画面や動作確認に使うことで、開発中の不具合を見つけたり、UIやエラー挙動が意図通りかを検証するのです。

テストデータが開発全体に与える影響

テストデータの有無や質は、以下のような領域に影響します。

  1. UIの表示確認(スクロール量・空白対応・一覧の整形など)

  2. バグの検出(異常値やエッジケースでの挙動)

  3. パフォーマンス(大量データが入ったときの負荷)

  4. 開発スピード(テストごとにデータを用意する手間)

  5. ステークホルダーへのレビュー・共有のしやすさ

つまり、良質なテストデータが整備されているプロジェクトは、開発中のコミュニケーションもスムーズに進みやすくなります。

テストデータにありがちな課題とミス

現場でよく起きるテストデータに関するトラブルには以下のようなものがあります。

  • 「1件しか登録していない状態」でテストしていた

  • UI上の表示が実運用と異なり、画面が破綻する

  • 削除済・ステータス未設定などの例外パターンが不足

  • 日付データが偏っていて、カレンダーやグラフが検証できない

  • デモ環境と本番環境でデータの質が大きく異なる

このようなケースでは、開発会社がテストを「通すこと」が目的になってしまい、実運用では通用しないシステムになりやすくなってしまいます。

よく使われるテストデータの生成方法

開発現場では、次のような方法でテストデータが準備されます。

手動入力による作成

最も単純で確実ですが、手間がかかり、大量データや多パターン対応には不向きです。

  • 長所:確実に意図したデータが作れる

  • 短所:作業時間がかかる、更新が手間

自動生成スクリプトの活用

テスト用のコードやシードスクリプトを実装し、ボタン一つで大量の仮データを生成する仕組みです。

  • 利用ツール例:Faker(PHP、Python)、FactoryBot(Ruby)、TestDataBot(JS)など

  • 長所:スピードと量に優れ、再利用が可能

  • 短所:実装に時間がかかる、柔軟性に欠けることも

Excel/CSVなどからインポート

業務用システムなどでは、業務チームがExcelで仮データを作成し、それを開発チームが読み込む形で使われることもあります。

  • 長所:非エンジニアでも扱いやすい

  • 短所:手動管理が多いとミスのリスクあり

テストデータ設計で押さえておくべき5つの視点

良質なテストデータは、次のような視点を持って設計されます。

  1. 多様性:年齢・地域・権限・言語などバリエーションがある

  2. :スクロールや一覧表示に耐えうる数がある

  3. エラー状態:不正値や入力ミスなども混ぜておく

  4. 状態変化:登録済・未対応・対応中・削除済などのステータス分岐を含む

  5. 再現性:いつでも同じデータを再生成できる仕組み

このように、「ただ入っていれば良い」のではなく、「動作検証の意味があるか」という観点が求められます。

開発会社に確認したいポイント

テストデータの取り扱いがしっかりしている開発会社かどうかは、次のような質問で見極めることができます。

  • テスト環境では、どういうデータをどこまで準備していただけますか?

  • ステータスの分岐やUIチェック用のデータは充実していますか?

  • 管理画面側の動作確認にも適したデータ構成ですか?

  • 開発中に発注者側でもテスト入力できますか?

  • リリース後の動作検証でも再利用できる仕組みになっていますか?

このような質問に明確に答えられる開発会社は、品質管理や運用フェーズまで見越した設計ができていると考えられます。

テストデータと「見積もり・開発の進め方」の関係

テストデータの設計・生成は、実は見積もりに直接影響する要素でもあります。

例えば、

  • UIテスト用の仮データを用意する手間が見積もりに含まれているか

  • 開発中のデモ環境に表示される情報が精緻であるか

  • フロントエンドとバックエンドのテストを切り分けられる構成か

こうしたポイントは、開発会社ごとにアプローチが異なります。
見積もり段階で「テストデータまわりの対応はどこまで?」という一言を添えるだけで、より本質的な提案を引き出せることもあります。

まとめ:テストデータは“見えない品質”を支える土台

アプリやWebシステムの開発において、テストデータは単なる確認用の素材ではありません。
それは、プロジェクト全体の品質・透明性・進行スピードを支える“地盤”のような存在です。

そしてその設計や準備の仕方を見れば、開発会社の姿勢や実力も垣間見えるものです。

見積もりを受け取るだけでなく、その中で「どんなテストデータを準備してくれるのか?」をぜひ確認してみてください。
その一歩が、より信頼できる開発パートナーとの出会いにつながるはずです。

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