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社内SEのリアル開発ノート:要件曖昧化で陥ったコスト地獄とコミュニケーション改善の教訓

プロジェクト失敗から学んだ「要件定義の落とし穴」

ある中小企業で社内SEを務める私は、初めて外部の開発会社に基幹システムを発注しました。当初は「ざっくりこんな感じで」と口頭で要望を伝えただけ。
しかし、要件定義が曖昧だったために、完成間近で機能追加の依頼が多発。結果として開発会社への追加費用が膨らみ、当初見積と比べて約1.5倍のコストに。
この失敗は「システム 開発会社 選び方 予算 費用 相場 発注」の視点として、どれだけ詳細な要件書を作るかが予算管理の要であることを痛感させました。

ポイントの整理:

  • 要件定義は単なる業務説明ではなく、機能一覧と画面イメージを具体化する

  • 不明点は必ずドキュメントに残し、開発会社とすり合わせを行う

  • 見積にも「オプション費用」を明示してもらい、あとで交渉材料に使う

成功を導いた「コミュニケーションの徹底化」

一転して別プロジェクトでは、要件定義の段階でJIRAチケットを活用しました。

  • 各機能をチケット化し、担当者・期日を明確にアサイン

  • デイリースクラムで進捗と課題を必ず共有

  • 仕様変更はチケットのコメントで履歴を残し、後から費用計算が可能に

このプロセスを通じて、開発会社との認識ズレが激減し、余計な手戻りコストを約30%削減できました。まさに「システム 開発会社 選び方 予算 費用 相場 発注」の要諦である、運用フェーズまで見据えた透明性の高い進行管理を実現できたのです。

テスト自動化で防いだ品質リスク

最初は「テストはリリース前にまとめて実施すればいい」と思っていましたが、あるバッチ処理の仕様漏れで大規模データ消失リスクが発覚。
そこで次回からは:

  1. ユニットテスト:RSpec(Ruby)で主要ロジックをカバー

  2. 統合テスト:Cypressでユーザー操作フローを自動化

  3. APIテスト:Postman/Newmanで外部連携の検証

フレームワーク導入時にテスト自動化を組み込むことで、バグ修正コストを半減し、追加フェーズでの見積膨張を抑制しました。

ドキュメント化で加速した引き継ぎ・運用

旧プロジェクトではドキュメント整備を軽視していたため、開発会社に保守を依頼すると都度説明コストが発生していました。
改善策として:

  • API仕様書:OpenAPI(Swagger)で自動生成し、常に最新に

  • アーキテクチャ図:C4モデルで全体像から詳細まで階層的に整理

  • 運用マニュアル:障害対応・バックアップ手順をステップ化

結果、保守フェーズでの外注コストが20%ダウンし、内部運用の属人化も解消できました。

ベンダー選定で重視すべき4つの観点

開発会社選びに失敗しないため、私は次の評価軸を策定しました:

  1. 技術スタック実績:過去案件で同フレームワークを扱った経験

  2. プロジェクト管理力:JIRA・Confluenceなどツール運用状況

  3. QA/テスト体制:自動テスト有無やテスター専任人員

  4. 運用・保守サポート:リリース後の定期メンテ・オンコール体制

これらをRFP(提案依頼書)に明記することで、見積比較時の基準がブレず、予算超過リスクを抑えられるようになりました。

小規模プロジェクトと大規模プロジェクトの費用感の違い

小規模(〜3人月)と大規模(10人月〜)プロジェクトでは、以下のようにコスト構造が異なります。

規模 人月単価 管理工数割合 リスクバッファ
小規模 80万~100万 10% 10%
中規模 70万~90万 15% 15%
大規模 60万~80万 20% 20%

小規模はメンバー固定でスピード重視、大規模は管理・品質確保がコストの大半を占める点に注意しましょう。

セキュリティとアクセス制御の実装

スタートアップX社は、顧客データを扱うにあたりセキュリティ要件を甘く見ていました。実際、認証周りの設計が後回しになり、納品直前で脆弱性が発覚。急遽OAuth 2.0導入を決断しました。

  • クライアントID/秘密鍵の管理をVaultで一元化

  • 権限ごとのロール定義を厳格化

  • API呼び出しログをCloudWatchに集約

これにより、外部監査もクリアできる堅牢な環境を構築し、リリース後のトラブルを未然に防止しました。

クラウド移行で得られたコスト最適化

当初はオンプレサーバーを想定していましたが、AWSへPaaS移行を決断。

  1. EC2 → ECS(コンテナ化)

  2. RDS → Aurora Serverless(オートスケール)

  3. S3+CloudFrontで静的資産をグローバル配信

これにより、月間インフラ費用を約30%削減。可用性と運用負荷のバランスが取れた最適な構成となりました。

レガシーシステム連携の挑戦と解決

既存ERPとのデータ連携で、バッチ処理の仕様が古く、フォーマット変更ごとに手作業が発生。結果、夜間バッチの失敗も頻発。
以下の対策で安定化を実現しました:

  • CSV→JSON変換ルールをLambdaで自動化

  • ファイル転送はSFTP→API連携に刷新

  • エラー時はSlack通知+自動再キック機能を実装

これで手戻りコストが75%削減され、運用チームの負担も大きく軽減されました。

チーム立ち上げから運用までの教訓

プロジェクト開始時は、小規模チームでスピード重視。しかし、機能追加が増える中で属人化が進行。そこで、「プレイブック」を作成しました。

  • 開発フロー図:各環境でのリリース手順を図示

  • オンコール体制:24/7対応のローテーション表を作成

  • 知見共有:週次でWiki更新会を実施

このコミュニケーション強化により、運用安定性が飛躍的に向上し、継続的デリバリーが可能となりました。

次期プロジェクトへの横展開

X社では本プロジェクトで得たナレッジを別部門のモバイルアプリ開発にも適用。

  • 要件定義テンプレートの再利用

  • CI/CDパイプライン共通化

  • セキュリティ構成のベストプラクティス化

これにより、開発サイクルを初期フェーズから大幅に短縮し、費用対効果の高いスモールスタートが実現できました。適用後、次回見積時にも「システム 開発会社 選び方 予算 費用 相場 発注」の視点で説得力あるRFPが作れるようになりました。

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