1. HOME
  2. ブログ
  3. 開発ノート
  4. 開発を成功に導く要件定義のコツとは?現場で意識している5つの考え方
BLOG

ブログ

開発ノート

開発を成功に導く要件定義のコツとは?現場で意識している5つの考え方

アプリやWebシステムの開発において、最も重要でありながら最も難しいとされる工程が「要件定義」です。

開発がスタートしてから「思っていたものと違った」「必要な機能が漏れていた」といったトラブルが発生する背景には、多くの場合、要件定義の段階での認識ずれや曖昧さがあります。

この記事では、これまで数多くの開発プロジェクトに関わってきた現場視点から、開発を成功に導くための要件定義の進め方と考え方を紹介します。特にスタートアップや初めてシステム開発を行う方にとって、プロジェクトの出発点をしっかり整えるヒントになれば幸いです。

要件定義とはなにか?

要件定義とは、開発するアプリやシステムに「どんな機能が必要か」「誰のためのものか」「どんなルールで動くか」を明文化する工程です。

開発に必要な情報をすべて整理し、クライアント(依頼側)と開発会社(実行側)が共通の認識を持つことが目的です。

よく混同されがちな言葉に「企画」「仕様設計」などがありますが、要件定義はそれらをつなぐ橋渡しの役割を果たします。

  • 企画 → ざっくりとしたアイデアや目的(例:動画配信アプリを作りたい)

  • 要件定義 → 目的をもとに必要な機能・構成・優先度を明確化

  • 設計 → 実装のための詳細な画面設計・技術設計に落とし込む

このように、開発全体の土台をつくるのが要件定義です。

要件定義がうまくいかないとどうなる?

要件定義が不十分なまま開発に入ってしまうと、以下のような問題が起こりやすくなります。

  • 実装後に「こういう機能も欲しかった」と言われ、スケジュールが延びる

  • 画面や動作に対するイメージのズレが発生し、修正に時間がかかる

  • 予算オーバーになり、プロジェクトが中断する

  • テスト段階で仕様の曖昧さが露呈し、トラブルに発展する

これらのリスクを防ぐためにも、最初の段階でしっかりと「何を、なぜ、どう作るか」を定義しておくことが大切です。

要件定義の進め方|5つのステップ

ここからは、実際に現場で行っている要件定義の進め方を5つのステップで解説します。

ステップ1:目的とゴールを言語化する

まずは、プロジェクトの目的とゴールを明確にします。

  • 誰に向けたサービスなのか

  • どんな課題を解決したいのか

  • 最初のリリース時に達成すべきことは何か

例:

  • 目的:運動習慣を続けたい人向けに、記録とコーチングができるアプリを作る

  • ゴール:3ヶ月後にiOS/AndroidでMVP版をリリースし、50人のテストユーザーに使ってもらう

このように言語化することで、開発チームとの認識が揃いやすくなります。

ステップ2:必要な機能を洗い出す

次に、アプリやシステムに必要な機能をリストアップします。

このとき、いきなり細かい仕様を書くのではなく、「どのような体験が必要か」という観点で考えると漏れが少なくなります。

例:ユーザーが習慣を記録するアプリの場合

  • アカウント登録・ログイン機能

  • 習慣の記録(ボタンでの完了報告)

  • カレンダーでの実施履歴表示

  • コーチからのメッセージ機能

  • 管理画面でのユーザー確認と習慣データの集計

すべての機能を一気に実装しようとせず、まずは「最低限必要な機能(MVP)」に絞ることも重要です。

ステップ3:画面イメージを共有する

画面構成や遷移を共有することで、ユーザー体験のイメージを具体化します。

  • ペーパープロトタイピング(手描き)

  • FigmaなどのUI設計ツール

  • ホワイトボードやスプレッドシートでの構成図

「この画面では何ができるか」「どこからどこへ遷移するか」などを可視化すると、実装に必要な情報が整理され、チーム全体の理解も深まります。

ステップ4:データと連携の整理

次に、データの流れや必要な情報、外部サービスとの連携を確認します。

  • どんなデータを保存する必要があるか(ユーザー情報、投稿内容など)

  • どのデータを誰が参照・編集できるか

  • 外部APIやプラットフォーム(LINE、YouTube、決済サービスなど)との連携は必要か

この段階で、セキュリティやプライバシーの配慮が必要な項目も明確にしておくと、後の設計・開発がスムーズになります。

ステップ5:優先順位とスケジュールを決める

最後に、すべての機能を「重要度」や「緊急度」に応じて優先順位づけします。

例:

  • Aランク(リリース時に必須)

  • Bランク(あると便利。次フェーズで追加)

  • Cランク(将来的な拡張で検討)

スケジュールとのバランスを見ながら、無理のない開発ロードマップを作成していきます。

要件定義を成功させるためのコツ

要件定義は単なる「機能一覧の作成」ではなく、プロジェクトの価値や方向性を共有するためのプロセスです。

以下のような点を意識すると、成功率が高まります。

  • 曖昧な表現は避ける:「なんとなく便利」「わかりやすく」ではなく、具体的な言葉で表現する

  • 想定ユーザーを明確にする:「誰にとって必要か」を常に基準にする

  • 複数人でレビューする:第三者の視点が入ると、抜けや偏りに気づきやすい

  • 図やフローを多用する:文章だけでは伝わらない構造を、視覚的に補足する

  • 完璧を目指しすぎない:ある程度固まったら、まず開発をスタートすることも重要

要件定義をドキュメント化する方法

最終的に、要件定義は「要件定義書」「機能仕様書」「画面仕様書」などの形でドキュメントにまとめていきます。

ただし、すべてを細かく書き込むことよりも、「関係者が共通理解できる状態」になっていることが目的です。

最近では、Googleスプレッドシート、Notion、miro、Figmaなどを活用し、柔軟に管理・共有するケースが増えています。

まとめ

アプリやシステム開発を成功させるためには、プロジェクトの初期段階である要件定義が何よりも重要です。

要件定義がしっかりできていれば、開発中の迷いが減り、納期やコスト、品質の管理もしやすくなります。

完璧を目指す必要はありませんが、目的とゴールを明確にし、関係者全員が共通認識を持つことで、プロジェクトは格段にスムーズになります。

開発会社に依頼する場合でも、要件定義の一部を一緒に行うスタイルが増えてきています。わからないことがあっても大丈夫。プロの力を借りながら、しっかりとプロジェクトの土台を築いていきましょう。

関連記事