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開発ユースケース紹介

クラブ・団体活動の参加管理を効率化する出欠確認システムの開発事例|紙と手作業を脱却した業務改善の実例

導入

学校の部活動、自治体主催の地域行事、企業の社内部活、NPO団体の定例会議など、さまざまな場面で「出欠確認」は日々行われています。しかし、いまだにメールや紙、口頭確認といったアナログ手段が多く残っており、管理者にとっては集計・リマインド・履歴管理といった業務負荷が非常に高いのが現状です。

こうした課題を受けて、ある企業では「クラブ活動向けの出欠確認システム」を独自に開発し、社内外での活用を進めています。本記事ではその事例をもとに、どのようなニーズが背景にあったのか、開発にあたって工夫された点は何か、そしてどのような効果が得られたのかを具体的に解説します。

同様の課題を抱える自治体・教育機関・地域団体の担当者や、開発依頼を検討している事業者にとって参考になる内容です。

背景:メール・LINE・Excelによる限界と現場の声

開発に至った背景には、次のような現場の課題がありました。

・出欠をメールやLINEで受け取り、Excelに手動で転記している
・リマインドを何度も手作業で送る必要がある
・欠席理由が口頭やチャットで飛び交い、記録が煩雑
・出欠率の集計に時間がかかり、分析ができない
・過去の出欠履歴を探すのに手間がかかる

こうした状況では、「イベント当日の参加人数が読みづらい」「前日キャンセルが対応しきれない」など、企画側にも支障が出ており、業務の属人化も問題となっていました。

導入事例:社内部活動向けの出欠確認システムを開発

この課題を解決するため、あるIT企業では、社員のクラブ活動支援の一環として「Web出欠確認システム」を内製開発。以下のような機能を備えたシンプルなWebアプリとしてローンチされました。

・管理者によるイベント作成・編集機能
・出欠回答フォーム(スマホ対応)
・コメント入力(自由記述・欠席理由など)
・回答締切の設定と自動リマインドメール
・出席率・履歴のグラフ表示
・CSVエクスポート機能

これにより、運用担当者の業務時間は大幅に削減され、出欠確認やフォローアップにかかっていた時間が約70%短縮されたという報告がありました。

技術スタックと開発体制

このシステムは、以下のような技術で構成されています。

・バックエンド:Django(Python)
・フロントエンド:Vue.js
・データベース:PostgreSQL
・メール通知:SendGrid API
・インフラ:Heroku(小規模利用のためコスト最適)

Djangoはフォーム管理やバリデーション処理、管理画面構築が容易なため、短期間での開発に適しており、初期開発は2名体制で約2ヶ月で完成しました。小規模ながら柔軟性のある設計で、今後の機能追加や他用途への展開も想定されています。

機能設計で工夫したポイント

このシステムがうまく運用に乗った背景には、「現場の運用に即した設計」がありました。特に意識されたのは以下の3点です。

1. 回答しやすさを徹底したUI/UX設計

ユーザーがスマホから2タップで出欠回答できる導線を実現し、ログイン不要のワンタイムURLによる認証を採用。回答率が大幅に向上しました。

2. リマインド処理の自動化

回答期限が近づいた際に、未回答者に自動でリマインド通知が届くようにし、運用者の心理的・物理的負荷を軽減。誤送信や対応漏れを防ぎます。

3. 出欠データの可視化と活用

過去の参加率や傾向をグラフで表示する機能を搭載。年間の出席率が可視化されることで、活動への参加意識を高める効果も生まれました。

汎用化と展開の可能性

このシステムは社内利用を前提に設計されたものですが、以下のような分野にも応用が可能とされています。

・学校の授業外活動(ゼミ、補講、PTAなど)
・自治体の地域行事(防災訓練、清掃活動など)
・NPOや市民団体の会合管理
・中小企業の社内イベント(説明会、研修など)

特に、クラウド型で利用できるようにすれば、ローカル環境を持たない団体でも簡単に導入できるため、全国の小規模組織への展開余地も大きいと考えられます。

システム導入による効果と反応

システム導入後、運用担当者や利用者からは以下のようなポジティブな声が寄せられています。

・「手作業の煩雑さがなくなり、イベント運営に集中できるようになった」
・「メールやLINEに埋もれていた回答が、一覧で確認できるようになって便利」
・「誰が参加するのかが一目でわかるので、参加のモチベーションにもつながる」
・「参加率のグラフが上司への報告資料にも使える」

業務効率の向上に加え、参加者側の心理的な負担軽減や可視化による行動変化も見られ、導入の副次的効果も大きいことが分かります。

見積もり・開発依頼時に確認すべきポイント

このようなシステムを発注する際は、以下のポイントを整理しておくと、開発会社とのすり合わせがスムーズになります。

・対象ユーザー数と利用デバイスの想定
・イベントの頻度と同時開催数
・出欠回答の方法(ログイン有無、ワンタイムリンクなど)
・管理機能の粒度(一覧表示、エクスポート、グラフ化など)
・通知方法とタイミング(メール、LINE連携などの可能性も)

これらの要素は、開発工数や費用にも直結するため、要件定義や見積もり段階で開発会社と丁寧に確認することが重要です。

まとめ:小さな課題の可視化が大きな業務改善につながる

出欠確認は一見すると地味な作業ですが、実はイベントや活動の成否を左右する重要な要素です。特に属人化・手作業・非効率が温存されやすい領域だからこそ、システム化による業務改善インパクトは大きくなります。

開発会社との連携を通じて、自団体に最適な形にカスタマイズされた出欠確認システムを導入すれば、現場の負担を減らしながら、運営の質も向上させることができます。

単なる便利機能の追加ではなく、「業務の前提を変える改革」として、こうした開発を検討する価値は十分にあるといえるでしょう。

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