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開発ユースケース紹介

飲食チェーン待ち時間可視化&無人オーダーアプリ開発事例

導入の背景と課題認識

東京都内で10店舗を展開する「グルメステーション社」は、週末や祝日のピークタイムに来店客が席待ちで平均30分以上待つことが常態化し、顧客満足度低下と離脱率増加が深刻な経営課題となっていました。特にファミリー層や高齢者層からは「並んでいる状況がわからず不安」という声が多く寄せられ、SNS上でのネガティブコメントも増加。さらに、スタッフは紙ベースの順番受付と電話問合せ対応に追われ、接客品質が低下していました。社長の山田太郎氏は、ICTを活用して「顧客に待ち時間を可視化し、無人オーダーまで一貫対応する仕組み」を導入することで、顧客の安心感向上とスタッフ業務の効率化を同時に実現すべくプロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトでは、PWA(Progressive Web App)技術を活用し、ネイティブアプリ開発に比べて低コストでクロスプラットフォーム対応を図ります。非機能要件として「リアルタイムで席の空き状況を5秒以内に反映」「同時接続1,000セッション対応」「オフライン時はローカルキャッシュで待ち行列表示」「セキュアな決済連携(PCI DSS準拠)」を洗い出しました。これに基づき、開発会社選びや予算・費用・相場感の共有、発注準備を進めることになりました。

開発会社選定と予算策定の流れ

山田氏はまず、PWA開発やリアルタイム通信、決済連携の実績が豊富な開発会社を5社ピックアップ。「システム」「開発会社」「選び方」「予算」「費用」「相場」「発注」をキーワードに、以下の評価軸で比較検討を行いました。

  • 技術実績:PWA、WebSocket、Stripe/PayPay決済連携のプロジェクト経験

  • コミュニケーション:週次定例、チャットサポート、ドキュメント整備度

  • 開発体制:オフショア混成チームか国内ワンストップか

  • 費用透明性:人月単価と工数明細、ライセンス料/クラウド費用の内訳提示

  • 拡張提案:AI需要予測やダッシュボード機能など今後フェーズへのロードマップ

各社にRFP(提案依頼書)と要件定義書を共有し、ヒアリング→提案→質疑応答→最終プレゼンのプロセスで進行。A社はFirebase+Vue.jsによるPWA+Firestoreのリアルタイム機能を提案し、B社はSocket.IO+NestJS+Reactでの実装を提示、C社はローコードプラットフォーム+Zapier連携による低予算案を示しました。見積もりは「初期開発費用800万円~1,200万円」「月額運用/サポート費用20万円~40万円」「予備費5~10%」の範囲に収まるよう調整。最終的に、技術提案の柔軟性と費用対効果に優れたA社を発注先に選定し、「要件定義完了時30%」「MVPリリース時50%」「本番検収後20%」の支払い条件で合意しました。ユーザー側では

を活用し、開発費用の目安を社内関係者に共有。これにより予算承認がスムーズに下り、発注プロセスが加速しました。

要件定義からMVP設計までのステップ

選定したA社とともに、要件定義フェーズを開始。まず、現場リーダーやスタッフ、顧客モニターを交えたワークショップで以下のユースケースを抽出しました。

  1. 来店前チェック:顧客がウェブから店舗を選び、待ち行列の長さをリアルタイムで確認

  2. 順番受付:顧客がオンラインで番を取ると対話型チャットボットで通知

  3. テーブルステータス可視化:スタッフが管理画面で返却/清掃状況をボタン操作で更新

  4. 無人オーダー:顧客が自身のデバイスでメニューを選択し、決済まで完結

  5. バックオフィス分析:管理者向けダッシュボードで待ち時間平均や回転率を分析

これらを「フェーズ1:来店前チェック・順番受付」「フェーズ2:無人オーダー・決済連携」「フェーズ3:AI需要予測・ダッシュボード分析」の3段階に分割。MVPではフェーズ1~2の機能を優先的に設計し、初期投資を全体予算の70%以内に抑制する戦略としました。非機能要件として、PWAのオフラインキャッシュ実装、SSL通信強制、Cloud Functionsのスケーラビリティ、決済トークンのローテーション、APIゲートウェイのレートリミット設定などを追加定義。要件定義完了後、WBSを作成し、約8週間でMVPリリースを目指すスケジュールを共有しました。

開発フェーズでの技術的工夫と課題克服

MVP開発では、A社の技術リードが以下の工夫を実施しました。

  • リアルタイム通知基盤:Firebase Cloud Messagingを用い、PWAでも即時プッシュ通知を実現

  • オフライン機能:Service WorkerによるキャッシュストラテジーとIndexedDBで入力Queueを管理

  • 決済連携:Stripe Elements+Payment Intent APIでUI一体型決済を実装、PCI DSS負担を軽減

  • デプロイ自動化:GitHub Actionsによるステージング→本番パイプラインを構築

  • コード分割とLazy Loading:Vue.jsのコンポーネント動的インポートで初回ロード時間を50%短縮

開発途中では、オフライン時のデータ同期競合(同一テーブルへの複数更新)が課題となり、一時的に同期エラーが発生。これに対し、楽観的ロック(version key)を導入し、コンフリクト解消UIを追加。さらに、決済キャンセル処理フローの遅延エラーに対しては、バックエンドでWebhook再試行ロジックを組み込み、安定性を担保しました。課題発生時にはJIRAで即座にチケット化し、「システム、開発会社、選び方、予算、費用、相場、発注」に紐づけて管理。コスト超過リスクを抑制しつつ、高品質なMVPを予定どおりローンチできました。

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