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ファイルアップロードの上限はどう決める?開発依頼前に知っておきたい設計と制約の基本

ユーザーが画像やPDF、CSVなどのファイルをアップロードできる機能は、多くのシステムで一般的に使われています。しかし、開発時に案外見落とされがちなのが「ファイルのアップロード上限」に関する設計です。

ファイルサイズの上限、拡張子制限、同時アップロード数、セキュリティ対策──これらの要素をあいまいにしたまま開発を進めると、運用段階で重大なトラブルやパフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。

この記事では、ファイルアップロード機能を設計する際に押さえておきたい基礎知識と、発注前に確認すべき観点を解説します。

よくある課題:上限の明記がなく、トラブルや再開発が発生

以下のような事例は、実際の開発現場でも多く見られます。

  • ユーザーが10MB以上の画像をアップしようとしてエラーになる
  • スマホから動画をアップロードしようとするとタイムアウトが発生
  • 一度に100ファイルをアップしたらアプリがクラッシュ
  • 開発会社のデフォルト設定のままでリリースされたが、運用環境ではエラー頻発

これらはすべて、「アップロード上限に関する仕様が明確に設計・共有されていなかった」ことが原因です。

ファイルアップロードに関わる主な制限と設定項目

アップロード機能を設計する際には、以下の観点をそれぞれ整理しておく必要があります。

1. ファイルサイズの上限(1ファイルあたり)

  • Webサーバーやアプリケーションフレームワーク、OSの制限を踏まえる必要があります
  • 一般的には画像:5〜10MB、ドキュメント:10〜20MBが目安
  • 大きすぎるとアップロード時間が長くなり、ユーザー体験を損なう

2. 合計ファイルサイズの上限(同時アップロード)

  • 複数ファイル選択を許可する場合、合計サイズの制御が必要
  • 同時に100MB以上を送信しようとすると、ネットワークやメモリの負荷が高くなる

3. 拡張子・MIMEタイプ制限

  • セキュリティ対策として、受け付けるファイル種別を明示的に制限する
  • 例:画像(jpg, png)、ドキュメント(pdf, docx)、CSVなど
  • フロントだけでなくバックエンドでも必ずチェックを行う

4. 同時アップロード数の上限

  • フロント側で同時選択できる数を制限(例:最大10件まで)
  • バックエンドでも受信時にループ制御や非同期処理の設計が必要

5. 画像のリサイズ処理・自動圧縮

  • サイズが大きい画像はアップロード前に圧縮・縮小処理を行うことで軽量化できる
  • 画質とファイルサイズのバランスを考慮して自動処理を設計する

6. ネットワークとタイムアウト設定

  • モバイル通信ではアップロード時間が不安定になりやすく、時間超過エラーが起きやすい
  • アップロード中の進捗表示や、リトライ処理の有無も設計に含める

開発依頼時に確認すべきチェックリスト

発注者側が仕様を確認・整理する際は、次のような観点をもとに質問・設計指示を行うとスムーズです。

対象ファイルの種類と用途は?

  • 画像、PDF、Excel、動画など、アップロード対象となるファイルの種類を明記する
  • それぞれのファイルがどのくらいの容量になるか、利用シーンから逆算して決める

ファイル1件の想定サイズは?

  • 1件あたり数MBか?それとも動画のように100MB超を想定するか?
  • モバイル通信も想定する場合、軽量化が必要かも確認

同時に何ファイルアップすることを想定しているか?

  • 5件、10件、50件など、業務要件に合わせた同時アップロード数をヒアリング
  • 一括アップロードの必要性があるかも合わせて検討

サーバーやストレージの制約は考慮されているか?

  • クラウドストレージ(S3など)を利用するか、自社サーバーで処理するかで制限が変わる
  • ストレージの保存上限や費用への影響も含めて確認する

セキュリティ対策はどう設計されているか?

  • 不正ファイルのアップロードを防ぐため、ファイルスキャンや拡張子チェックが実装されているか
  • 予期しないファイル名(特殊文字、絵文字など)への対応も考慮する

まとめ:アップロード設計は“運用とユーザー体験”を支える基礎

ファイルアップロードの設計は、地味ながらユーザー体験・運用負荷・セキュリティを大きく左右する領域です。

たとえば「動画をアップできるようにしたい」という一言の裏には、容量制限、通信速度、ストレージ設計、セキュリティチェックなど、非常に多くの技術的考慮点が潜んでいます。

開発を依頼する際には、対象ファイルの性質や利用シーンを具体的に想定し、それに合わせたアップロード設計を行うことが成功の鍵になります。

システムの土台となるアップロード機能──だからこそ、仕様の“粒度”をしっかり詰めておくことが、後悔しない開発の第一歩です。

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