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GraphQLフレームワーク徹底比較:Apollo Server・Hasura・AWS AppSyncの選び方と費用相場

GraphQL導入の背景とシステム設計への影響

昨今、REST APIの固定的なエンドポイント設計が抱える課題として、クライアントごとに異なるデータ取得要件を多段階に呼び出すオーバー・フェッチ/アンダー・フェッチ問題が指摘されています。GraphQLはクライアントが必要なフィールドのみを1リクエストで取得できるため、モバイルアプリやシングルページアプリケーション(SPA)を開発する際に、システム全体のパフォーマンス改善とネットワーク帯域の節約に寄与します。また、型定義(Schema)が中心となる設計フローは、フロントエンドとバックエンドの開発会社間の要件共有を円滑にし、「発注」時の要件漏れを防止する効果もあります。
GraphQLを採用するシステムでは、スキーマ駆動開発(Schema-First)とコード駆動開発(Code-First)のどちらかを選択できます。前者はAPIドキュメントが自動生成されやすく、設計レビューの際に「選び方」として優先されることが多い一方、後者は既存のビジネスロジックをそのまま型定義へマッピングしやすく、イテレーション開発に最適です。どちらを選ぶかは、チームのスキルセットや「予算」/「費用」的な制約、また運用フェーズでの拡張性を考慮して決定すべきでしょう。本記事では、代表的なGraphQLフレームワークであるApollo Server、Hasura、AWS AppSyncを比較し、「相場」や「コスト感」を含めて解説します。

Apollo Serverの特徴と導入コスト

Apollo ServerはNode.jsベースのGraphQLサーバー実装で、TypeScriptサポートやFederation(スキーマ分割統合機能)が豊富に揃っています。メリットは次の通りです。

  1. コミュニティ規模の大きさ:npmパッケージ利用数が多く、プラグインやミドルウェアの選択肢が豊富

  2. Schema Federation:マイクロサービスごとにスキーマを分割し、ゲートウェイ層で統合可能

  3. Developer Experience:Apollo Studioによるクエリ解析、パフォーマンス可視化、エラー監視が一体化

  4. 柔軟な認証/認可:ExpressやKoaなど既存Node.jsフレームワークと親和性が高く、JWT認証の組み込みが容易

導入工数の相場感は、シンプルなCRUD中心のデータモデルであれば要件定義から本番リリースまで約4~6週間、工数にして約200~300時間程度が目安です。開発会社へ発注する場合、単価¥10,000/時間換算で¥2,000,000~¥3,000,000が「費用」として必要という試算になります。さらに、Apollo Studioの有料プランを利用する場合は別途「予算」枠として月額$49~$499(約¥5,000~¥50,000/月)程度のランニングコストが発生しますが、パフォーマンスチューニングや運用監視工数を大幅に削減できるため、TCO(総保有コスト)を下げる効果があります。

Hasura:ローコードGraphQLサーバーとサブスク費用

HasuraはPostgreSQLのテーブルをリアルタイムGraphQL APIに自動変換するローコードプラットフォームです。サーバー不要で即座にGraphQLエンドポイントが立ち上がるため、PoCやMVP開発に適しています。主な特徴は以下の通りです。

  • 自動スキーマ生成:DBマイグレーションに合わせてスキーマが自動更新され、コードの手動変更が最小化

  • リアルタイムサブスクリプション:WebSocketベースのサブスクリプションを標準サポート

  • アクセス制御:Row-Level Security(RLS)による柔軟な権限設定

  • プラグイン拡張:カスタムリゾルバーをRemote Schemaで統合でき、既存REST APIも併用可能

Hasuraの導入相場は、自社ホスティングであればOSS版の利用は無料ですが、開発会社に構築を依頼すると初期構築費用で¥1,000,000~¥1,500,000程度。サブスクリプション版のHasura Cloudを利用する場合、月額$99~$499(約¥10,000~¥50,000/月)でクラスター運用や自動バックアップ、商用サポートが付帯します。クラウド運用コストとオンプレ運用のサーバー費用を比較しながら「発注」先とスコープを詰めると、無駄なインフラ費用を抑えられます。

AWS AppSync:マネージドGraphQLサービスの強みと課金モデル

AWS AppSyncは、AWSが提供するフルマネージドGraphQLサービスです。DynamoDBやLambda、RDS、OpenSearchなど多様なデータソースとネイティブに連携可能で、認証はCognitoと直結できます。主なメリットは次の通りです。

  1. フルマネージド:サーバー管理不要でスケーラビリティを自動担保

  2. ローカルシミュレーション:AWS Amplify CLIでローカルMock実行が可能

  3. 統合監視:CloudWatchでのリゾースレベルメトリクスとログを一元管理

  4. カスタムリゾルバー:VTL(Velocity Template Language)で細かいデータ取得ロジックを実装

費用モデルは「クエリ実行数」と「データ転送量」で課金され、月間100万クエリまでは無料枠、超過分は1万クエリあたり$4(約¥400)前後が相場です。加えて、リゾルバーで呼び出すLambda関数やDynamoDBの読み書き費用が別途発生します。初期導入時に見積もるべき「予算」は、想定リクエスト数と1リクエストあたりのデータ量をベースに、月間コストが¥50,000~¥200,000程度となるケースが多いでしょう。AppSyncを検討する際は、開発会社に従来のサーバーレス設計経験やAmplify利用実績を求めると、運用安定性とコスト最適化を両立できます。

フレームワーク比較:パフォーマンス・機能・コスト

Apollo Server、Hasura、AWS AppSyncを主要な観点で比較します。
Apollo Serverは自己ホスト型のためサーバー性能に依存しますが、Federation対応でマイクロサービスごとにスキーマ管理が可能です。HasuraはPostgreSQL直結型で、クエリ実行速度が速く設定工数も最小限に抑えられますが、大規模データの複雑クエリではACL制御が重くなることがあります。AppSyncはフルマネージドかつオートスケールで運用コストを平準化できますが、VTLテンプレートの学習コストが発生します。
以下の表に相対比較をまとめました。

  • パフォーマンス:Hasura > AppSync > Apollo(自己ホスト次第)

  • 機能:Apollo(開発体験) > AppSync(データソース連携) > Hasura(ローコード)

  • コスト:HasuraOSS(無料) < Apollo(自己ホスト+Studio) < AppSync(従量課金+連携コスト)

  • 導入スピード:Hasura > AppSync > Apollo

Apollo Serverは月間300万クエリ程度まで自己ホストで安定動作し、その先はEKSやFargateでスケール可能です。Hasura Cloudは月額¥10,000程度から始められ、小規模MVPの開発会社発注枠としても適した「相場感」です。AppSyncは月間100万クエリを超えると¥20,000前後が見込まれますが、運用監視やスケーリング工数を削減できるため、TCOで見るとコスト優位性が出る場合もあります。

CI/CDと運用監視のベストプラクティス

各フレームワークともCI/CDパイプラインで自動化すると品質が安定します。Apollo ServerはGitOpsでDockerイメージ化し、GitHub ActionsやCircleCIでECR/EKSへ自動デプロイ。Hasuraはハイフレッシュマイグレーション機能をGit管理し、Hasura CLIをCIに組み込み、プルリクごとにスキーマ検証とコンソール更新を一括自動化します。AppSyncはAmplify CLIやCloudFormationテンプレートでIaC化し、CodePipelineでステージング→本番へ自動昇格。
運用監視には、Apollo Studioのフェデレーションメトリクス、Hasura Metrics ExporterでPrometheus連携、AppSyncのCloudWatch統計を活用し、以下を常時監視します。

  • リクエスト数・レイテンシ

  • エラー率(4xx/5xx)

  • スロットル数

  • データソース接続エラー
    ログはElasticsearchやDatadogへ集約し、ダッシュボード化することで、異常時の初動対応を迅速化でき、「費用」発生リスクを抑えられます。

開発会社選定のポイント

GraphQL案件を発注する際は、以下の基準で開発会社を選びましょう。

  1. 実績事例:GraphQLを用いたシステム構築実績とパフォーマンスチューニング経験

  2. スキーマ設計スキル:スキーマファーストかコードファーストか要件に応じた設計手法の提案力

  3. マイクロサービス統合:FederationやRemote Schemaを活用したスケーラブルな構成設計

  4. クラウド運用経験:AWS/GCP/AzureいずれかのマネージドGraphQLサービスの運用ノウハウ

  5. 予算/費用感の透明性:マイルストーンごとの工数と単価を分解した見積書を提示可能か

選定の際は社内SEやCTOも交えた評価ワークショップを開催し、PoC要件を提示してワークサンプルを依頼すると、真の技術力を把握できます。また、開発会社との契約では、リリース後の追加機能発注や保守体制を見据え、年間保守費用の相場(初期開発費用の20~25%)を目安に交渉してください。

発注時の予算策定とコストモデル

GraphQL導入の初期費用は、以下の要素で構成されます。

  • 要件定義/スキーマ設計:¥500,000~¥1,000,000

  • PoC/プロトタイプ:¥1,000,000~¥2,000,000

  • 本番開発(CRUD+Auth):¥2,000,000~¥4,000,000

  • CI/CD/監視導入:¥500,000~¥1,000,000

合計で小規模案件は¥4,000,000~¥8,000,000、中規模以上は¥8,000,000~¥15,000,000程度が相場です。運用保守費用は月額¥200,000~¥500,000が一般的ですが、運用規模やSLA次第で上下します。
予算策定時には従量課金やサーバーコストを含めたTCO試算を行い、発注前にステークホルダーの合意を得ることが成功の鍵です。

導入事例:マルチテナントSaaSへのGraphQL適用

BtoB SaaSを運営するスタートアップX社では、REST→GraphQL移行プロジェクトを実施しました。RESTでは5つのエンドポイント呼び出しが必要だった画面を、GraphQLでは1リクエストで必要データを取得するようリファクタリング。

  • 選定フレームワーク:Apollo Server Federationで複数マイクロサービスを統合

  • 開発会社:Federation実績を持つY社を発注

  • 予算:要件定義〜本番移行で¥6,000,000、運用保守¥300,000/月

  • 成果:ネットワーク往復数50%削減、ページロード時間30%短縮、ユーザー満足度向上

X社はPoCフェーズでLatencyチャートを共有し、経営層へ運用コスト削減効果を可視化。これにより、予算超過なくプロジェクトを完遂し、2ヶ月で投資を回収しました。

将来展望と技術選択のポイント

GraphQLは今後も進化し、Edge GraphQLやGraphQL on Edgeなど分散実行の領域が広がります。選び方としては、

  • エコシステム重視:コミュニティやプラグインの豊富さでApollo

  • ローコード重視:スピード立ち上げにHasura

  • マネージド重視:運用負荷軽減にAppSync

これらを理解し、開発会社とのRFP設計や「発注」フローに活かすことで、最適な技術選択とコスト最適化が実現します。

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