1. HOME
  2. ブログ
  3. 開発ユースケース紹介
  4. ケーススタディ:介護スタートアップ「はるかケア」が実現した業務効率化システムの舞台裏
BLOG

ブログ

開発ユースケース紹介

ケーススタディ:介護スタートアップ「はるかケア」が実現した業務効率化システムの舞台裏

背景:IT未経験の代表が感じた業務課題

東京都内で訪問介護サービスを手がけるスタートアップ「はるかケア」は、介護記録の手書き作業やスケジュール調整に多くの時間を費やしていました。非IT系の代表Aさんは、「介護現場をデジタルで支援したい」という思いからシステム導入を検討。だが、どのシステム 開発会社を選び方よいか、費用 相場はどれくらいか、まったく見当がつかない状態でした。

要件定義:業務フローの“見える化”からスタート

プロジェクト第一歩は、介護スタッフ20名へのヒアリング。

  • 日々の記録入力に平均1時間/日

  • 訪問ルートの手動作成で30分/日

  • 連絡ミスによるクレーム月1件
    これらの数値を整理し、要件を「モバイル端末で記録入力」「自動ルート最適化」「リアルタイム共有」に絞り込みました。介護現場の声を重視したことで、予算内に収まるスコープを明確化できました。

開発会社比較:3社の提案を徹底検証

システム 開発会社選び方のポイントとして、

  1. 介護業界実績

  2. 初期費用と月額保守費用

  3. コミュニケーションのしやすさ
    を軸に、A社(大手SIer)、B社(業界特化ベンダー)、C社(フリーランスチーム)の3社へRFPを発行。

予算交渉:固定価格契約+成果報酬モデル

予算は当初想定の600万円を超えずに収める必要がありました。B社と交渉し、

  • 初期実装:固定価格500万円

  • 月次改善:月額30万円+KPI達成時5%成果報酬
    のハイブリッド契約を合意。これにより、費用増リスクを抑えつつ、システム稼働後の成果に応じた発注が可能となりました。

プロジェクト開始:スクラムによる段階リリース

開発は2週間スプリントでスタート。

  1. Sprint 0:環境構築・要件詳細化

  2. Sprint 1~2:入力フォームとデータベース連携

  3. Sprint 3~4:ルート最適化ロジックとマップ表示

  4. Sprint 5:ユーザ受け入れテスト(UAT)
    各スプリントの終わりにPoCを訪問現場で試用し、そのフィードバックを次スプリントに反映。スクラムによる費用 相場管理で予算超過を防ぎました。

立ち上げ直後の成果

リリース1ヶ月後、

  • 記録入力時間:平均30分/日 → 10分/日

  • ルート作成時間:30分/日 → 5分/日

  • 予定未共有によるクレーム:月1件 → 0件
    と大幅改善。B社への発注は適切だったとAさんも満足の声です。

開発中に直面した課題と対応

リリース後すぐに使い始めたはるかケア現場では、想定外の課題が浮上しました。

  • オフライン環境での記録入力:通信が不安定な場所では入力が失敗

  • ルート最適化アルゴリズムの微調整:高齢者住宅街での細道を考慮できず

  • スタッフ端末の機種依存バグ:Android旧機種で画面崩れ
    これらに対し、B社はモバイルアプリをPWAベースに改修し、IndexedDBでオフライン保存→オンライン復帰時に自動同期を実装。ルートアルゴリズムには地理院地図APIを組み込み、細道ルートも取得できるよう改善しました。端末依存はテスト自動化で再現環境をDocker化し、回帰テストを拡充。これにより運用トラブルを80%減少させ、現場スタッフの信頼を取り戻しました。

データ移行と運用トレーニング

既存の紙記録をシステムに移行するため、以下のフローを構築しました。

  1. CSVテンプレート作成:既存フォーマットからマッピング表を自動生成

  2. 移行ツール開発:Pythonスクリプトで不正データを検知・修正

  3. 二重入力運用:1週間併用運用し、差分チェックでデータ精度を99%以上に
    同時にスタッフ向けトレーニングも実施。

機能追加とアップデート

本番稼働後の半年間で、利用データをもとに以下の機能を追加しました。

  • 通知機能:訪問前にスタッフへリマインドSMSを自動送信

  • ダッシュボード分析:訪問実績や稼働時間をグラフ化し、マネジメントに可視化

  • 多言語対応:外国人ヘルパー向けに英語・ベトナム語UIを追加
    機能追加はスプリント0で優先度を再定義し、PoC→UAT→本番リリースの流れを標準化。CI/CDを活用し、最小限のダウンタイムでスムーズに反映できました。

KPI測定とROI

導入効果を定量化するため、次のKPIを半年間モニタリングしました。

  • スタッフ1人あたり訪問件数:平均5件/日 → 7件/日に増加

  • 月間稼働時間削減:20時間 → 8時間

  • クレーム件数:3件/6ヶ月 → 0件

  • 顧客満足度:紙調査8.2点 → システム調査9.1点
    これらの成果から、年間労働時間削減は約1,200時間(人件費換算1,200万円相当)、システム全体コスト(初期500万円+月額30万円×12=860万円)を大きく上回るROIを実現しました。費用 相場の見積り精度向上にも寄与し、次期案件では予算提案時の説得力が格段にアップしています。

成功要因のまとめ

はるかケアの開発プロジェクトを成功に導いたポイントは次の3点です。

  1. 業務現場の声を反映した要件定義:非IT系代表の直感だけでなく、介護スタッフ全員の意見を反映

  2. 段階的スクラム開発とPoC運用:スプリントごとに現場確認し、早期改善サイクルを確立

  3. ハイブリッド契約によるリスク分散:固定契約+成果報酬で発注リスクを軽減
    これらにより、プロジェクト全体の予算管理が安定し、想定外の追加工数も最小化できました。なお、システム開発会社選び方においては、技術力だけでなく業務理解度や提案力を重視することが成功の鍵です。まずは

    で自社の費用感をチェックし、適切なベンダー選定を始めましょう。

お問合せ

不明点やお見積りの依頼などお気軽にください。




問い合わせを行う

関連記事